邪鬼だけにジャッキということで
「邪鬼」といっても大豪院邪鬼や沼澤邪鬼のことではない。それぞれ「魁!!男塾」「大日本プロレス」の関係者だが、ここでの邪鬼は仏教関係者だ。
真っ先に思い浮かぶのは、四天王に踏まれて「あへぇ」「うへぇ」という顔で弱っている鬼の姿だが、今回の試みには、法隆寺五重塔の屋根を支えるこんな邪鬼がうってつけだ。
さあモデルは決まった、鉄は熱いうちに打て邪鬼は熱いうちに彫れ。
転倒防止ポールの高さは27cm~35cmまで可変である。よって低いほう、27cmに合わせて素材を彫る。彫るっつっても木材は使わず発泡スチロールだ。仏教を軽く冒涜気味だ。
可変部分は柔らかい、そう布地でもって補うことにしよう。さあ忙しくなってきた。
アレアレ言ってるのは、重なり合った部分を左は足中心に、右は体中心に切ってしまおうとか何とか・・・言葉では説明しづらい。ふわっとわかっていただければ、あるいはわからなくても幸いである。
電熱式の発泡スチロール切り器でもって、型のとおりに切り抜いて並べる。やがて漠然と不安が押し寄せる。
強靭な心を養う修行にはもってこい
この不安はどこから来るものか。「これ、ある程度のクオリティでないと無残だな」という気持ちでもあり、そして何より「私何作るんだったっけな?」と我に返ったからだろう。
人間、どんな人物が強いかと言えば「自分の来た道を振り返らない」のも大きなポイントであると言えよう。わたし(アムロ)ー、振り向かないーでー♪と歌いながら作業するといい。
このカッター、波型部分が刃かと最初思ったが違う。真っ直ぐな方が刃だ。波型なのは、切ったあとに素材が離れやすいとかなんとかいう理由だ(詳しくは忘れた)。確かに使いやすく、さきっちょが尖っているのも細かい作業に適している。
が、もう少し刃が薄ければもっと切れ味がいいはずだ。造形屋のプロは刃を自分で研いでカスタマイズするという。この記事が終わったら、研いでみよう。
それにしても。仏教関連の像を彫ることに憧れ、いつかは木彫りの仏像を彫ることを趣味にしたいと、ひそかに願っていた。まさかこんな形で早くに実現するとは思っていなかった。彫るうち、心が洗われる。洗われるたびに「私何してんだ?」という思いも寄せては返す。
発泡スチロールって、紙やすりで研げるんですね。発泡の“泡”粒がとれてガタガタになるかと思いきや、やさしく擦ればすべすべになる。ご家庭でもお試しください。
さて、次は組み立て&彩色じゃき(広島風に)。

