特集 2023年7月5日

「玉羊羹」で宇宙の始まりを表現

いつものように、風呂でNewtonのイラストを眺めていて私は思った。

宇宙の始まりって、玉羊羹みたいだなぁと。

1970年群馬県生まれ。工作をしがちなため、各種素材や工具や作品で家が手狭になってきた。一生手狭なんだろう。出したものを片付けないからでもある。性格も雑だ。もう一生こうなんだろう。(動画インタビュー)

前の記事:普通のミシンで刺しゅうをしてみたが…(デジタルリマスター)

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絶対温度約0度迄冷やして御召し上がり下さい

古今東西「宇宙って〇〇みたいだ」と何万べん例えられてきたことかと思うが、よもや玉羊羹と重ね合わされる日が来るとは。138億年生きてみるものだ(宇宙・談)。

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これが例の、風呂で読まれてフニャフニャになったNewton誌(別冊・2020年9月発行)だ。
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これが例の、玉羊羹にしか見えない「生まれたての宇宙イメージ」だ。何もない空間から爪楊枝よりはるかに小さな点を経て宇宙が生まれた(上記Newton誌より)。

その玉羊羹というものを、皆さんご存じだろうか。風船の中に羊羹が充填されてその姿は一口大の水風船のように丸く張り詰め、いただくときは爪楊枝でチョンとつつくと風船が割れて一瞬で中身が現れるというものだ。Jリーグ発足イベント時にサッカーボール割って出てきたカズを思い浮かべると良い。

というわけで玉羊羹を取り寄せてみる。

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玉!羊!羹!福島は二本松に発祥のお店があるようだ。今回は別店のを取り寄せ。
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爪楊枝で果たして割れるのか?と思いきや…

あまりに早い!中国の「変面」みたい。

この、一瞬で羊羹が現れる様子が、まるで宇宙の誕生モデルなのだ。たぶん。

つまり、「無」の空間で極めて小さな、針の先ほどのポツンと1点、そこから爆発的に宇宙が誕生した(まさに爆誕!)というビッグバン宇宙論と、日本のまごころのお菓子、玉羊羹とを近づけたいと思うのである。

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これ以上の「爆誕」はこの世にない(上記Newton誌より)。
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宇宙はやっぱりアツアツだった

そうとなれば早速、家で羊羹を作って、風船に詰めねばなりません。

まず風船だが、普通のサイズでは大きすぎる。玉羊羹に使われているような、食品用のを買うか?ってそもそも売ってくれるのか?

…そうだ、水風船ってのがあったな。あの大きさが合うかも。衛生面はまぁ、個人で楽しむ範囲ならいいだろ。

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100円ショップで数十年ぶりに水風船を買う。学校帰りにぶつけ合った思い出がよみがえる。

すごいよね、今や、水を入れやすいようにポンプが付いているのだ。まさに玉羊羹作りのための商品といえよう。

ただし風船がとてもカラフル。できればビッグバンの起こる前の暗黒宇宙って感じで黒く塗りつぶしたいところだが、きっとそれは中身入れて膨らませてからがいいだろう。

そして羊羹、つまり誕生後の宇宙。普通にここは、青い背景に星々が散りばめられたベタなイメージで行きたい。宇宙を「ベタ」呼ばわりとは私も偉くなった。

「星空 羊羹」などで検索し、今回の中身に合いそうなレシピを参考に、改変を加えつつ様子を見つつ手探りで作っていく。羊羹というかまぁ、この場合、寒天ですかね。

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粉寒天を水に投入。
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沸騰させてから砂糖を入れ、弱火でしばし煮詰める。
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銀色のアラザンを入れると中身が溶けて銀箔が剥離し、星のようになるんですってよ!
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着色料で青に染める。キレイ…宇宙キレイ…

問題はここからです。このアンを、どうやって水風船に充填するか?まあ、付いてきたポンプを使えばいいんだけど…未知の作業すぎる。星々が詰まったりしないだろうか。

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ポンプのおしり部分から吸い上げる、とのこと。
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風船に先っちょを差し込み…
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一気に充填!

おお、新たな空間にプラズマ状態の宇宙を注入して、まるで神だな、ホッホッホ、という気分は全くなく、粗熱取ったとはいえ流動的なうちに流し込まないといけないからあっついあっついのだ、アンが。ずっとアチアチ言ってる。こんな神様あるか。

しかも充填直後、風船の口を指でピッチリと閉じていないと、膨らみが戻る力でアンがピューッと吹き出してしまう。キッチンや顔に青い飛沫が飛び散ってそりゃもう大騒ぎであった。こんなズッコケドタバタ宇宙論ってあるか。

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なんとか口を輪ゴムでぐるぐる巻きに。片方の輪にもう片方の輪を入れて締めれば、結ばずとも、摩擦で意外と取れない。
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ポコポコと生まれたマルチバースどもを、冷蔵庫にて冷やし固める。

30分以上ののち、原始宇宙を取り出す。

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おお、玉羊羹、もとい原始宇宙がちゃんとできている!

うん、まずは充填というハードルは越えた。

次はちゃんと破裂してくれるかどうかだがその前に、暗黒の宇宙を表すべく、黒く塗ってみたいと思うが…

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油性ペンで塗ってみる。
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ここから、青い宇宙がパッと生まれるとか、素敵やん?
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穴はこのまま裂けることなく終わった…

薄いように見える塗膜も、明らかに風船の表面が裂けないよう守っちゃってるわけだ。

このほか、染めるのはどうかと「染めQ」でも試してみたが、もっとダメだった。

ここで気の利いた宇宙ネタの比喩でも出せればと思うが、何も浮かばないので黒塗りのことはさっぱり忘れよう。

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まぁこのカラフルな様子も、陽子とか電子とか思わせてグー。

星の鼓動は玉羊羹

これにて「ビッグバン玉羊羹」の誕生である。

どんどん宇宙を誕生させてみるか。

おめでとう宇宙!ハピバ宇宙!

最後に絡みついた風船の残骸は、宇宙背景放射とでも言っておこう。

居酒屋で、里芋唐揚げ小宇宙のそばに別の宇宙が生まれるようす。

正確には原始宇宙はまだ熱くて混沌としていたそうだから赤い寒天でもいいかと思うが、その場合は星々はまだできてないのでアラザンは無し。単に真っ赤な玉が出てくるだけになる。

「正確には」と書いたけど、もっと正確にやるならポンプじゃなくてコンプレッサー使うとか、羊羹が出た後も爆速で膨張していくようにするとか。そもそも正確とはなんぞや。

今回はポケットサイズの玉羊羹宇宙モデルで良しとさせてください。


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(1)フィギュアの祭典・ワンダーフェスティバル2023〔夏〕に出展します。
7/30(日)10:00〜17:00
@幕張メッセ
「妄想工作所」卓番号4-22-03

(2)勢いで文学フリマ東京37にも出展予定です。勢いで絵本を出したい所存。
11/11(土)12:00〜17:00 「妄想工作所」@東京流通センター

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