植物園にシモバシラを見に行く
植物のシモバシラはシソ科の多年草で、冬場、枯れた茎に氷の結晶が育ち、そこに霜柱ができるため「シモバシラ」という名前がついたそうだ。ただし、気温が氷点下まで下がり、風が穏やかで、空気があまり乾燥しないなどの条件が揃わなければシモバシラに霜柱はできない。かなりワガママである。
都内でも板橋区にある赤塚植物園というところでシモバシラを見ることができる。日によってはここでもシモバシラの霜柱を観察できるとのことで、早速行ってみることにした。
静かな住宅街にある赤塚植物園。入場料が無料と言うところが嬉しい。僕が訪れる数日前にここのシモバシラに霜柱ができたことが新聞に載ったそうだ。後で管理舎で話を聞いてそれを知った。ただ残念なことに僕が行った日は霜柱はできていなかった。
管理舎で「シモバシラの霜柱はいつ見れますか?」とお話を聞くと、今日は暖かいし来週も暖かいからな~、と横腹を鋭利なものでトンっとさされたような残念な答えが返ってきた。
再来週まで待とうかとも思ったが、シモバシラの霜柱は例年、12月頃からせいぜい2月の上旬までしか見ることができないそうで、今を逃すともう来年まで見ることができない。しかも見れるのは早朝だけで、日が高くなると溶けてしまうらいしい。どうしたものかと、ここでいただいた資料を見ていると、シモバシラは関東では高尾山が有名と書かれていた。
「ここで見れなくても高尾山なら見れたりしますか?」とおぼれるものは藁をもつかむ気持ちで、管理舎の人に聞いてみると「高尾山の方が標高は高いからね。見れるかもしれないね」と教えてくれた。ということで、そのわずかな希望を胸に早朝の高尾山に行ってみることにした。
気合は十分に前泊して高尾山に
夜が明ける前に高尾山に行こうと思うと僕の家からだと不可能なので、前日に高尾山の近くの八王子で一泊することにした。最近でもないが、ネットカフェと言うものがあるのでふらっと出かけて泊まることができる。便利だ。
この日行ったネットカフェはソフトクリームが食べ放題で、ソフトクリームが大好きな僕はもう一晩中ウキウキだった。自分のパソコンで仕事をしていたのだけれど、少し作業してはソフトクリームという味覚的に甘い時間を過ごした。
恋人と過ごす時間を甘い時間と言うけれど、ソフトクリームをひとりで舐めるのだって甘い時間だ。でも、カップルがカップル席に入っていくのを見た後のソフトクリームは少ししょっぱく感じた。そして、5時ごろネットカフェを出て僕は高尾山に向かった。