オリオン座があった
家族でショッピングモールに行って、上の階にあるおそば屋さんに入った。
天井を見ていると、照明がオリオン座っぽく見えた。
妻:何撮ったの?
筆者:あそこにオリオン座があった
妻:…あー! 惜しいね。真ん中もう一つあったらね
筆者:ねー…!
帰って家の天井と比べると、照明の数が全然違う。
家より広くて高さもあるからだろうか。お店の照明って思っているよりすごく多いのだ。
星座のない天井もある
お店の照明は多い。夜空の星のようにもなる。
飲食店なら座ってゆっくり見上げられる。つまりプラネタリウムだ。
そうだそうだ、こんな感じだった。
天井に段差があるし、照明が埋まっていない。空っぽくないし星っぽくないのだ。天井だし照明だ。
ただ食べに来ただけになった。おいしかった。
どこでもいいわけではない
飲食店の中でも、天井が平らで広くて、そこに照明が埋まっているところがいい。
オリオン座を見たおそば屋さんのように、商業施設に入っているお店がいいのかもしれない。天井が真っ平らになっていそうだし、照明の種類にも制限があるんじゃないか。
そう思っていくつか見てみるけど難しい。確かに天井が平らで埋まった照明が多いが、半分ほどしか点いていなかったりする。
昼間に見たからだろうか。それかムードを大事にしているお店が多いのか。
ファミレスにあった!
そんな中、一か八かで通りかかったファミレスに入ってみると、かなり星空っぽい景色が見られた。
一見夜空なのに、奥に非常口やドリンクバーの明かりがあっておもしろい。
お店のどの場所から見るかで、星の並びがかなり変わるだろう。
たまたま案内してもらった僕の席からは、はくちょう座が見えた。
はくちょう座をイラストにした時の、真下から見る白鳥の足の感じが好きだ。自分がすごく大きな白鳥の腹の下にいることが分かってクラクラする。
はくちょう座が定まったことで、奥の壁際の照明がデネブということになった。直径が太陽の100倍以上もある白色超巨星と呼ばれる恒星、ということになる。大変だ。
ギリシャ神話に、美しい王妃に近づくためゼウスが白鳥に変身する話があり、それがはくちょう座のモデルとなったが、ファミレスで見られるはくちょう座は白鳥がドリンクバーのジュースとコーヒーのマシンの間をいったり来たりしている姿である。初めてのドリンクバーなのだ。
フードコートでさそり座を見る
広くて天井が高い場所がいいと分かった。それってフードコートじゃないかよ。
翌日行ってみた。
広いので星が多い。嬉しい。
手前と奥で星の密度に差が出てしまったが、それもいいだろう。手前は曇っているということにしよう。
さそりの胴の中心にあたる星がアンタレス。これもすごい。一等星で赤色超巨星。赤くて明るいので火星(アレス)に対抗するもの、という意味でアンタレスと名付けられた。
南斗六星はいて座の一部。北斗七星と同じひしゃくの形をしている。
いて座は、隣のさそり座が暴れ出さないよう、常に心臓に狙いを定めている星座らしい。
フードコートのいて座は、さそりのちょっと下を向いてしまった。混んでいて疲れちゃったのかもしれないし、さそりが上に動いちゃったのかもしれない。
フードコートでさそりが暴れたら大変だろうな。
賑やかになった。
さそり座が動いていて座が狙いをつけにくくなっている中、空いている席を見つけたお父さん座が誇らしげに家族を呼んでいる様子である。
さそり座を恐れない勇敢で家族思いなお父さんとして、後世に語り継いでいこう。
思い出してください
星座は私たちに方角や季節、そして物語を教えてくれる先人の知恵である。
ファミレスやフードコートの星座は動かないし見る角度次第なので、方角も季節も分からない。物語も勝手に作るしかない。
でも「あーあ」とか思って天井を見上げた時、思い出してください。そこにドリンクバー座があることを。空いてる席を見つけたお父さん座があることを。

