2投目に向けて箱の改造タイム。でも箱が…
しかし、ここで大きな問題が一つ。今回用意した箱がペラペラでめちゃくちゃ脆かったのだ(以下、ペラ箱と呼ぶ)。
1投目は急遽、私が持ち込んだ丈夫な箱を皆で順番に投げたが、2投目はペラ箱を使わざるを得ない。
まずはペラ箱自体を改造に耐えうる強度に持っていく。どんな工夫でそれをクリアするかが勝敗の分かれ目となりそうだ。私自身は箱全体にガムテープを巻きつけて強度を上げることから始めてみた。
今までの常識は通用しない
改造タイムは皆、真剣そのもの。静寂が体育館を包む。
「パーンッ!」
突然体育館に破裂音が響き渡った。驚いて音のした方を見てみると、つりばんど選手が風船を割ってしまったようだ。
その後も破裂音が立て続けに鳴り、「手持ちの風船が尽きた」という気がかりな台詞も聞こえた。気になって近寄ってみると、一目で深刻な状況だと分かった。
風船作戦で箱が体育館の天井に到達してしまうのを真剣に心配していた、つりばんど選手。いきなり当てが外れて大丈夫だろうか?
それにしても「風船」という発想は、前回大会とかなり方向性が違う。ちょっと気になって皆の様子を探ってみると、なんだか変なものが床に転がっている。
各選手の作戦がまったく見えない。この大会、荒れるかもしれない。
サイバーおかん選手の改造箱「悲しきUMA」
ここからは改造箱の投箱を順に紹介していこう。改造箱は記録にムラが出るので、2回投げて良い方の記録を採用する。
まずはサイバーおかん選手。彼女は今回からOKになった動力をどう活用するのか?
「動力OK」という条件を、推進力ではなくLEDビカビカに全振りするとは。そして飛距離にまったく関係ない桜を、そっと添えるオシャレ心。一応プロペラが取り付けてあるが、バッテリーが搭載された機体の重量を考えると意味はなさそうだ。サイバー、恐るべし。
「その装備で投げにくくないですか?」と聞いたら、「いや、それより四十肩が…。あとサンバイザーで前が見えなくて」という答え。サイバー世界でもこういった問題の克服は難しいようだ。
べつやく選手の改造箱「リベンジのパチンコ方式」
前回、パチンコ方式にチャレンジして挫折したべつやく選手。
しかし、今回も諦めていなかった。
なるほど。前回はゴムを引いた時に箱が安定していなかったが、今回は板の上に乗せることでそれを解決したのか。
ペラ箱の中にさらに細い箱を差し込んでいるので、強度も問題なさそうだ。これなら2投目はもっと記録が伸びそう……。
苦労して開発した仕組みを躊躇なく捨て去る決断力。見習いたい。