特集 2021年11月18日

特濃キャラメルポップコーンを作る

夢のように濃いキャラメルポップコーンを作りたかった……!

キャラメルポップコーンが好きだ。
映画館で映画を見るときは決まってキャラメルポップコーンを買い、あっという間に食べてしまっていた。

甘いのに食感が軽いのが最高なのだが、たまにキャラメルが全然かかっていないところがあって残念に思うときがある。
家で作れば好きなだけキャラメルをかけられるので、とんでもなく濃いキャラメルポップコーンが作れるのではないか。

夢の特濃キャラメルポップコーンを作ってみたい。

1987年兵庫生まれ。会社員のかたわら、むだなものを作る活動をしています。難しい名字のせいで、家族が偽名で飲食店の予約をするのが悩みです。(動画インタビュー

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まずは通常の濃さから作ろう

先日「浦安に2種類あるうちの海の方」へ行ってキャラメルポップコーンを買ったのだが、めちゃくちゃキャラメルが薄かったのだ。

思わず写真を撮るほどだった。

8割くらいはプレーンのポップコーンでは……!?と思うほどのバランスで、海のほとりでむせび泣いたのだった。

キャラメルポップコーンの無念を晴らすには、キャラメルポップコーンしかない。
泣く子も黙るほど濃いキャラメルポップコーンを作ってやろうと思う。

ということで、買ったのはこれ。

ポップコーンの豆と砂糖がセットになった、そのものずばりなものが売っていた。
2回分入っているので、まずは記載された分量通り作ってみよう。

まずは豆を火にかける。
ポップコーンが弾ける様子って永遠に見ていられますね。

久しぶりにポップコーンを作った。小学生ぶりだ。
一口食べると、単純に出来立てのポップコーンがうまい。

イオンなんかにあるハローキティのポップコーンマシンでも、キティちゃんが「出来たてのポップコーンはいかが♪」と歌っていたが、それは正しかった。

ところで余談だが、ハローキティのポップコーンがガチャガチャになっていたので見てほしい。


閑話休題。キャラメルソースを作ろう。

ポップコーン豆25グラムに対して砂糖30グラム、バター5グラムを溶かして混ぜると書いてある。
砂糖と書いたが、実際には黒糖も混ぜられているので少し黒っぽい。
火にかけて溶かしたら、すぐにポップコーンを投入して混ぜていく。
バットに移したら、出来た!

不慣れで砂糖がうまく溶けなかったところがあったが、手軽に出来た。
ポップコーンへのキャラメルの染み具合は、ところどころ白いところが目立つ。

食べると、これこれ~という味。

 

つまんでいるうちにあっという間になくなってしまった。
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ここから濃くしていく

先ほどのポップコーン豆と砂糖の比率を基準として、濃いものを作っていきたい。
同量のポップコーン豆と2倍の砂糖で作れば濃さが2倍になるが、企画を進めるごとに砂糖を大量摂取する羽目になりそうでおそろしい。
なので、砂糖は基準と同量にしつつポップコーン豆を半分にして濃さを2倍にしたい。

残ったポップコーン豆をすべてポップコーンに変身させ、キッチンスケールで測って半分の量を取り出す。
先ほどと同じ量の砂糖と混ぜ合わせれば……
濃さ2倍ポップコーンが完成だ。

写真だとわかりづらいが、1倍と比べて色が濃くなった。キャラメルソースがより多くポップコーンに付いたのがわかる。

濃いところはかなりキャラメルが分厚くなっている。
食べてみると……いやー、甘い!

当たり前の感想ではある。
噛むとカリカリいうし、キャラメルが歯に挟まる。

妻からはもっと甘くしたらやばい、これが限界だと思うという意見が出た。

ただ、まだ白いところが見える。
さらに上を目指していこう。

ポップコーンの量を半減させ、濃さ4倍ポップコーンを作ろう。

付属の砂糖がなくなったので、ここからはグラニュー糖をバターで溶かしていく。
同じように和えて完成、4倍ポップコーンだ。

この見た目よ!

映画館で食べるキャラメルポップコーンでたまにキャラメル部分が多めに付いた「当たり」のポップコーンがあるが、これは全部が「当たり」であると言っていい見た目だ。
自分の中では理想的なビジュアルになった。

食べてみると2倍よりもさらにカリカリとした食感だ。甘いのは言わずもがな。

それにしても塊がすごい。光沢がいいのでブローチにしたい。
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やりすぎるとどうなる

4倍ポップコーンでかなり理想形に到達したが、まだ先を目指したい。
8倍ポップコーンだ。

出来た。

まんべんなくキャラメルが付いているのでポップコーン同士が容易にくっつく。
もはや雷おこしや一本満足バーといった見た目になってきている。

食べるとバリバリという食感。
この味、どこかで食べた記憶がある。これは……チェルシーだ。キャンディの。小学生の記憶が蘇った。

あまーーーい。思わずスピードワゴンになってしまった。小沢さーん。

ここで2倍ポップコーンを食べに戻ってみると、うん、甘いけど食感はポップコーンだ。
一方で8倍はポップコーンらしさがなくなり食感が飴である。
さらにキャラメルなしのプレーンなポップコーンを食べたら、めちゃくちゃおいしい。本来の味の良さを堪能出来た。

最後に16倍にいってみよう。
基準と同じ砂糖の量で、ポップコーンを1/8の量にする。我が家に0.1グラム単位で図れるキッチンスケールがあってよかった。

ポップコーンがキャラメルソースの海を泳いでいる。

これはもうポップコーンのキャラメルソース漬けだ。
これまではバターの油分をポップコーンが吸ってくれていたが、ポップコーンの量が少なすぎて油分が勝ってしまっている。

8倍ではポップコーンとキャラメルが完全に一体化していたが、16倍ではキャラメルのみの部分が出現した。
薄い生地のピザみたいになっているな。
食べてみる。ポップコーンを食べているところとは思えないが。

これは、「キャラメルとキャラメルポップコーン」だ。
キャラメルが別で存在している。

食塩などを水に溶かしていくとある時点で限界を迎え、それ以上溶けなくなったものを飽和水溶液ということを中学生くらいのときに習った。
今食べているこれは飽和キャラメルポップコーンだ。理科の教科書に載せよう。

集合写真を撮った。左上から右下にかけて2倍、4倍、8倍、16倍だ。

だんだんとよくわからない見た目になっていった。

キャラメルポップコーンのうまさはポップコーンとキャラメルのハーモニーだったのだ。
8倍、16倍はキャラメルの暴力がすごい。

これからはキャラメルがあまりかかっていないポップコーンを買っても、16倍ポップコーンを思い出して落ち着きを取り戻したい。


それにしたって最高の4倍ポップコーン

4倍は本当に理想の見た目になった。これがずっとやってみたかったのだ。夢が叶った。
家で簡単に出来ることがわかったので、これからはいつでも夢が叶えられるようになってしまった。胃もたれに注意しないといけない。

付け合わせに漬け物、飲み物にお茶を用意することで特濃キャラメルポップコーンもいけることがわかった。
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