デジタルリマスター 2023年4月9日

地吹雪を体験しに行く(デジタルリマスター)

地吹雪スポット

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地吹雪スポット

地吹雪スポットはまったくなにもない一面の雪原だった。地面も空もほぼ同じ色。風を遮るものがまったくないので風がふけば地吹雪は確実である。

(いまさらだけど、地吹雪は地面に積もった雪が舞い上がる状態をいいます。)

しかし、ツアーが始まるまでの風は収まって穏やかな風になっていた。ときどき雪が舞い上がるが地吹雪というほどではない。ガイドさんも「天気がよくてごめんね」と言っていた。そんなごめんははじめてだ。

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角巻・モンペが暖かい(暑い)ので、こんなことしてもぜんぜん平気。

ここは地元のひとでも冬はそうそう近寄らない場所だそうだ。このツアーは今年で21年目(!)になるが、地吹雪を体験したいなんて地元の人からは奇異の目で見られると言っていた。

東京で言ったら満員電車の奥から「すいません、おります、すいません」って繰り返しながら電車を降りる体験ツアーみたいなものだろうか。ああ、それはいま自分でたとえ話を書いていてもまったく共感できない。

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かんじきを履いた自分の足を撮ったら、どこのおばちゃんの足かと思うような写真になった

ちなみに地吹雪を起こす風は「シベリアおろし」 と呼ばれているそうだ。名前かっこいーと思ってしまった僕はやっぱり寒さにはしゃいでいると思う。

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なんてことしてたらまたおいてかれそうになる
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寒いのは楽しいのではないか

そしてまた観光物産館に戻って解散。僕が参加したのがことし最後のツアーだったので、特別に、ということでワンカップをくれた。うれしい。

帰りに乗った津軽鉄道はストーブ列車だった。車両のなかに暖を取るための石炭ストーブが設置されている。

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ストーブ列車。ストーブの上にスルメ用の網がおいてある

駅ではストーブ列車向けに日本酒とするめのセットを売っていた。列車に乗るとおおぜいの観光客がストーブでスルメを炙りはじめた。

車内にただようイカのにおい。有無を言わさず食欲を起こすにおいである。

いまや観光用だとしても、列車のなかで最初にスルメを炙っていたひとはちょっと困った人なんじゃないかと思う。だってかなり自由である。列車のなかでスルメを炙って食べるって。

しかしそれが人の迷惑になるからイカン、じゃなくて、イカ炙ったら楽しいじゃん、が上回ったわけで、いまやそれをオフィシャルに推しているなんてちょっとあっぱれである。

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駅の案内。方面よりも「のりば」が大きい。

要は

いちいち面白かったのだ。地吹雪とかスルメとか、太宰治がホタテを推しているのも、角巻が暖かいを通り越して暑かったのも。寒くて雪が多いからって冬は地味に暮らしているなんて、イタリア人が毎日スパゲッティ食べてると思うぐらいの思いこみなのではないかと思った。

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でも食堂は平凡だ(五所川原駅前にて)。
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