日常を拡大する
コンビニのコピー機はすごい。コンパクトな上に、フルカラーコピーまでできる。しかも拡大は最大400%。
400%って相当でかいぞ。
誰が何をそんなに拡大しにコンビニに来てるんだろう。もしかして誰も使ってないんじゃないか、その機能。もったいない。今日は私がぞんぶんに使ってくれる。
拡大する物は、コピー機のあのパタパタの部分に挟める物でなくてはいけない。
まずは紙だろう。文庫本をひらいて400%拡大してみた。
見慣れた文庫がこの大きさ。早速非日常感がやってきた。
これ実際手にすると何故か怖い。本に体をばぐっとはさまれそうな気がするのだ。
B級ホラー映画で幼虫とかトマトとか家電とかが大きくなって人類を襲うような、あの感じ。
上は単4電池。コピーして切り抜いてみた。
脳が手軽にばぐる。
計算してみたら、このサイズ感だとだいたい身長40cmぐらいの感覚らしい。新生児が電池を持つとこんな感じということか。
拡大したものを、あるべき場所に戻そうとすると違和感が増長することも分かった。
ケースに収まらないビデオやCD。
地味に気持ち悪い。
街で見た広告みたいにスパーンと馬鹿でかくなったものは見慣れているものの、地に足のついた微妙な拡大には感覚が慣れていないのか、いちいちびっくりする。
地図はどうだろう。
左がもとの地図。右が400%拡大したもの。そんなに変な感じはしない。単純に見やすくなっていい感じ。
拡大したものをさらに400%拡大、また400%拡大したらどうだろう。
……。
はっ! そのうち街と同じサイズ、実寸になるぞ!
拡大するものによって、それぞれ違和感の感じ方が微妙に違う。
さらに拡大を続けると、色々だった感じ方がある一つの感想にに収束されることが分かってきた。