特集 2025年3月18日

宮崎・北方のレジャー施設 ETOランドの今を見にいく

20年以上前、宮崎の北方町にあるETOランドというレジャー施設に連れていってもらった。大がかりな遊具はなかったが、簡単なアスレチックやおもしろ自転車などの素朴なアトラクションを楽しんだことをボンヤリ覚えている。

地元の人たちにETOランドのことを聞いてみると「やってるんだかやってないんだか分からない」と皆が口を揃えて言う。ネットで調べてみると営業はしているそうだ。それなら行って見てこよう!

1993年生まれ。京都市伏見区出身、宮崎県在住。天性の分からず屋で分かられず屋。ボードゲームと坂口安吾をこよなく愛している。

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ETOランドのETOは「干支」「エトランゼ」「Ever green Treasure Oasis」

ETOランドは宮崎県の北方(きたかた)という県北部の町にある。宮崎県北部には他にめぼしいレジャー施設がないこともあって、周辺で育った人なら一度は行ったことがあるようだ。

僕も祖父母の家で過ごす夏休みに連れて行ってもらった。山のてっぺんにあるので道中はカーブにつぐカーブ、実をいえば車酔いがいちばん印象に残っている。

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小学生の頃に連れてきてもらった

また、北方町といえば、地域区分に十二支すべてを取り入れている唯一の町として有名である。例:「北方町川水流」、「北方町早中

したがってETOランドは干支にちなんだ命名であるものの、施設のホームページを見ると「エトランゼ」と「Ever green Treasure Oasis(ETOの頭文字)」にも引っ掛けてあるらしい。かっこいいので共有しておきます。

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卯がいちばんの都会らしい
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目指せETOランド!すさまじい山道

先にも書いたが、ETOランドはたどり着くまでの道がとても険しい。少なくとも子どもの頃はそういうイメージだったが、現在はどう感じるのだろうか。とりあえず行ってきます。

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看板を目印にして登山開始
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林の中をゆく

この林道を六峰街道という。職場の人が語るところによると「昔は眺めが良かったけど現在は木々に遮られて何も見えない」らしい。生き証人みたいなことを言ってるな、と思った。うっかり人は歴史になる。

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木々の合間合間からいい景色が望める

実際のところ、過去をあまり知らない身からすれば十分に満足できる景色が見られた。それよりも脇にガードレールがあったりなかったりするのが気になる。

何より可笑しかったのは山を登り続けて標高が高くなったことによる気温差で、写真を撮るために窓を開けたら外がヒンヤリしていてウケた。出発地からは500mほどの高低差がある。

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標高が高くて寒いのがおもしろい!
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雪が残ったりしていてね

道路はイメージ通りの険しさで、牛乳がバターになるくらいぐわんぐわんした。しかしハンドルを握っているので酔わず。ETOランドさん、私は成長して強くなりましたが、あなたはいかがですか?

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ETOランド着、営業している!

山道を登りつづけること1時間弱、ETOランドにたどり着いた。

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干支の誰でもないキャラクターにシビれる。幻のサーティーンスマンか

奥まった駐車場に車を停める。ほかに車はなく、来園者もいないようだ。落ち着く。20年前もそこまでワイワイ賑わっていた印象はない。

また素晴らしいことに入園も駐車も無料である。好感度爆上がりだ。スタッフさん曰く第三セクターがETOランドを運営しているとのことで、だからこそなせる技なのだろう。行政バンザイ!!!!

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池寸前のでっかい水たまり。木が丸々映り込むことなんてあるのか
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上を見上げると圧倒的な量の太陽光パネル

おや、駐車場の奥に気になる小屋があるので見てきます! 

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トイレかな?
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「怪奇、たぶんトイレ跡なんだけど便器がなくて洗面所だけ3つあって怖い!」でした。

営業日以外の下調べをしてきていないので何ができるのか分からない。このままでは水たまりと太陽光パネルと洗面所で記事が終わってしまう。管理棟のような施設があったのでとりあえずそこに行ってみよう。

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好きだった博物館は入れなくなっていた
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管理棟に住みたい

管理棟は現役を感じさせる綺麗さで、特に螺旋階段は塗り替えられたばかりなのかビッカビカのエメラルドグリーンである。

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螺旋階段は登ることもできる

管理棟の中を覗いてみるとスタッフさんがいて何かしら販売しているようだ。かろうじてトイレがあればラッキーくらいに思っていたので嬉しい。

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オリジナルキャラクターが大雑把に節分の鬼の面を被ってお出迎え。推せる。
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子どもの理想みたいな売店
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ミニ消しゴムが5円だったりカブトムシのおもちゃが30円だったりする

売店では今日びあんまり見ないインチキめいたおもちゃから駄菓子、カップ麺などワクワクするものが売られていた。おはじきと小さな消しゴムがそれぞれ5円。5円って!

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ぶっとび!!うんちショット(70円)ほか数点を買った

この管理棟には売店があるほか、卓球台・ビリヤード台・アーケードゲーム・マッサージチェアなどが設置されている。大成功したYouTuberの自宅のようだ。結局同じところに行き着くならETOランドでいいな。

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おおらかな陳列

また、園内マップで確認したところ、屋外の現役アトラクションとしてはゴーカートやアスレチックなどが用意されているようだ。それと宿泊までできるらしい。すばらしい。

せっかくなのでゴーカートの乗車希望の旨をスタッフさんに伝えると準備に時間がかかるとのことだったので、管理棟のなかで遊んで待つことにした。

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上海あった!今年で一番の興奮

それで、なんと、上海があったんですよ。わたくし、上海大好きじゃないですか。上海で時間が潰せるなんて、これほどの喜びはありません。泣かさせていただきます。

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上海は同じ麻雀牌を組み合わせていくゲームです。見えてる「神経衰弱」的な。

ゲームは上海くらい低刺激であってほしい。ランクマとかトロフィーとかもうたくさんだ。理不尽に手詰まりになることもあるけれども、その粗さがまたいいんです。征服しきれないところも愛らしい。

……あ、スタッフさん、ゴーカートの準備ができましたか、ありがとうございます。上海なんてもんはいつ止めてもいいですからね。

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ゴーカートに乗る

ETOランドは時を経ていくなかで施設やアトラクションの運用廃止が多々あり、現在の一番の目玉はゴーカートとなっている。せっかくなので乗っておこう。1周300円くらいでリーズナブル。

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いえーい
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おれは京都のシューマッハや!
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もう、こんくらいでいいな、レジャーってのは

コースは約600mで、あっという間に一周してしまった。ちょっとだけ楽しかった。

上海を遊んだのときにも思ったが、レジャーはちょっと楽しいくらいでちょうどいい。楽しすぎると疲れる。その点でいうとETOランドは満点だ。低燃費低刺激。自分自身で楽しみを見つけ出す悦びもある。

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その他の楽しみたち

前段でまとめじみたことを書いてしまったし、楽しさのピークも上海だったので後のことは写真を並べて軽めに紹介していこう。

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堆肥を袋のまま使って植物を育てている
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キツネの目撃情報が掲示されている
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アスレチックの滑り台がほぼ直角
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電柵っぽいのが張り巡らされてるなと思ったら本当に電柵で衝撃
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凧がワゴンセールで100円で売られていた
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その凧がめっぽう揚がる

ああ、楽しかった。凧揚げおもしろい。

とにかくこの記事で伝えたかったのはETOランドが現役バリバリということだ。静かで入園無料で管理棟は暖房が効いていてトイレもある。おまけに道中は頭文字Dを彷彿とさせるような峠でスリル満点、そしてなにより、上海が遊べる。

上海最高!!

編集部からのみどころを読む

編集部からのみどころ
名前の由来が干支だけではなく、エトランゼというところに鷲づかみにされました。
上海をやっているときの窪田さんの笑顔、なのにゴーカートの準備ができたらさらっとやめているところが見どころです。それでも原稿は「上海最高!」で終わってます。そこか!(林)

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