コンパルはサンロードに
今回紹介する「コンパル」はみんなに愛され続ける地下街「サンロード」にある。

コンパルはサンドイッチが有名な喫茶店である。昭和22年開業。
本店は大須にあって、他にも栄や金山なんかにもお店がある。名古屋には有名な喫茶店がいくつもあるが、コンパルは間違いなく認知度がかなり上位だと思う。

名古屋でサンドイッチというと「リヨン」というお店も有名だ。モーニングと聞いてまず思い浮かべるのはリヨンかもしれない。

リヨンのモーニングもまた違った意味で魅力的なのでぜひ体験してもらいたいのだけれど、今日はモーニングではなく、コンパルのエビフライサンドを紹介したい。

名古屋の人はエビフライが好きすぎて(記事参照)、そのまま食べるだけにとどまらず、サンドイッチに入れたり太巻きに入れたりしているのだけれど、そのエビフライサンドの元祖がここコンパルらしいのだ。
コンパル・アイスコーヒーの作法
エビフライサンドを注文しておいて、待っている間に体験してほしいのがアイスコーヒーである。コンパルのアイスコーヒーには作法がある。

コンパルのアイスコーヒーの飲み方はこうだ。



コンパルのコーヒーはそもそも香りがよくて美味しいのだけれど、このアイスコーヒーの作り方がまた独特で面白いのでやってみてもらいたい。コーヒーをグラスに移すときにこぼしてしまわないよう、ソーサーの上でやるのがポイントである。
どうでもいい話だが、僕はずっと前にカフェみたいなお店を営んでいたことがある。そこで出していたアイスコーヒーが最初はこのスタイルを真似したものだった。でも慣れないお客さんがよくこぼしてえらいことになっていたのですぐにやめた。コンパルに来るたび、それを思い出すのである。

ほどなくしてエビフライサンドがやってきた。


カリカリに焼かれたパンの中にプリプリのエビフライが3匹、これに薄焼きたまごと千切りキャベツ、ソースにはマヨソースとカツソースがダブルで使われているのだ。
芸術品である。かぐや姫が求婚者に無理難題をふっかけてきたとて、これを持って行ったら結婚してもらえただろう。月には帰らずに名古屋で暮らしたはずだ。
エビフライサンドをきれいに食べるコツ
ところでコンパルのエビフライサンドやコメダのみそカツパンなど、ボリューム系サンドイッチをきれいに食べるコツとして、一回倒す、をおすすめしたい。
横に倒してなるべく指との接触面積を広く保つようにして握ってもらうと食べやすいと思う。


いわば握りずしを上手に食べるのと似ている。
コンパルのエビフライサンドには当たり前だが箸とかついていないので、食べ慣れていないとバラバラにしてしまいかねないのだ。一度倒す、今日はこれだけ覚えて帰ってください。
名古屋駅の地下でエビフライサンドを食べるということ
名古屋には美味いものがたくさんあると聞いてきたけど、どこで食べたらいいのかいまいちわからない。そんな人はまずエスカに行ってもらいたいし、歩き疲れたらサンロードでコンパルに寄ってエビフライサンドを食べてほしい。
子どもの頃はしゃれたふりしてハンバーガーとかスパゲッティなんかを食べていたのだけれど、名古屋には名古屋でしか食べられない美味いものがあったのになあ、と今になって思うのです。

ここから

会員特典コンテンツです
この先は「デイリーポータルZをはげます会」会員向けの有料コンテンツです。会員になるとごらんいただけます。