クリスマスはパネトーネ!
クリスマスはパネトーネを貪り食べたい。それを私は幸せと呼びたい。ペルーで初めて食べた時に運命の食べ物に出会えたような喜びだった。その後もクリスマス時期に南米に行くと必ず食べていた。日本でも買えると知ったので、ガンガンに買った。日持ちもするし、Amazonで買える。アマゾンでの辛い思い出をAmazonでいいクリスマスにするのだ。
クリスマスケーキというものがある。クリスマスに食べるケーキのことで、11月に入ると各所でクリスマスケーキの予約が始まり、クリスマスイヴにはその熱は最高潮となり、ケーキ、ケーキ、ケーキの叫び声が街中に響く。
つまりクリスマスはケーキなのだけれど、「パネトーネ」というパンもまたクリスマスを代表する食べ物なのだ。イタリア発祥のパンでこれがとても美味しい。クリスマスはケーキではなくパンなのだ。
ハロウィンが終わると街はクリスマス一色になる。あちこちでクリスマスツリーが飾られ、イルミネーションが始まる。ケーキ屋さんはもちろん、スーパーに行ってもクリスマスケーキの予約のポスターが貼られるなど、ケーキ熱が高まる時期だ。
クリスマスにケーキ、異論はない。日本だけではなく、海外に行ってもサンタクロースの砂糖で出来た人形がケーキの上に乗ったものが売られている。一人暮らしでも胸を張ってホールのケーキを食べられるチャンスの時期でもある。
しかし、ケーキだけではないのだ。クリスマスはパンなのだ。クリスマスにパンと言われるとドイツの「シュトーレン」が思い浮かぶだろう。しかし、今回紹介したいのは「シュトーレン」ではない。「パネトーネ」だ。
パネトーネはイタリアのミラノ発祥のクリスマス向けの発酵菓子。呼び方もさまざまで「パネトーネ」や「パネットーネ」、「パネトン」と言ったりする。パネトーネ種という天然酵母を使って作られている。
表面からはわからないが、ドライフルーツが使われ、パンの生地はふわふわしている。またパネトーネ種を使うことで長期での保存も可能になっている。今回私が買ったパネトーネはいつ作られたかはわからないが、賞味期限が2022年6月になっているので半年以上は余裕で持つということだ。
南米ではクリスマスになると「パネトーネ」を食べる習慣があり、その時期にスーパーに行けば、山のようにパネトーネが並んでいる。私が初めてパネトーネを食べたのも南米・ペルーだった。本当に腐るほど積んでいるのだ。腐らないんだけどね、長期保存が効くから。
向こうでは「パネトン」と呼んでいた。いろいろなパンメーカーがパネトーネを出しており、たとえば世界一大きいと言われるパンメーカー「ピンボー」も当然出している。ビンボーはメキシコにあるメーカーだ。
映画「キル・ビルVol.2」でのメキシコでのシーン、B・Bとビルが食事をしているカットでもビンボーの食パンを食べていた。メキシコはもちろん、中南米でパンと言えばビンボーなのだ。そのビンボーのパネトーネ、パッケージがかわいい。
ちなみに上記の写真が暗いのは、アマゾンの玄関口の街で撮ったもので、夜になるとホテルの電気がつかなくて、懐中電灯で撮っているためだ。クリスマスの雰囲気を出そうとかではない。どちらかと言えば、電気が来ていなくて困っている。カメラのバッテリーとかを充電できないから。
向こうでの値段は500円しないくらい。それでいて1キロ弱あるので、かなり安い。あと向こうのパンって私の口にはあまり合わないというか、日本のパンのレベルが高すぎるのでパサパサだな、なんて思ってしまうのだけれど、パネトーネはとにかくふわふわで美味しい。
上記の写真を見ると「ウィンターズ」と書かれたパネトーネがあることがわかる。これはペルーの会社が作っているパネトーネで、調べると日本でも1500円から2000円くらいで買うことができる。
日本ではあまり見かけないパネトーネだけれど、ネットでは買うことができる。上記の「ウィンターズ」もそうだ。他にもブラジルの会社「バウドゥッコ」のパネトーネも手に入れることができた。
カラフルさはウィンターズよりないように思える。味は好みではあるが、甘みがウィンターズと比べると抑え気味。大人のパネトーネと言えるかもしれない。パッケージは黄色と金色なのでめでたい感じがする。
パネトーネは台形の箱に入っていることが多い。ただそれが全てではない。缶に入ったパネトーネも存在する。日本でも買えないかなと調べたら、イタリアの「キオストロディサロノ」のパネトーネを買うことができた。
パネトーネはイタリア生まれなので、本場のパネトーネとも言える。味はチョコ味。パネトーネにもいろいろな味があるのだ。食べてみると確かにチョコ味。それ以上に缶の豪華さに惹かれる。なんか捨てられないタイプの缶だ。
そのまま食べても美味しいのだけれど、少し手を加えても美味しいのが、パネトーネの力。器が大きいのだ。なんでもやってくれるタイプ、頼れる兄貴タイプ、一生ついて行きたい。まずは「キオストロディサロノ」に手を加える。あとキオストロディサロノは私がカタカナにしたので、正しいかなぞ。綴は「CHIOSTRO DI SARONNO」らしい。
このパネトーネにはドライフルーツは入っておらず、チョコが入っているだけなので、トーストすることでチョコが溶けて香ばしく美味しくなる。また厚めに切ることで、表面はカリッと、中はモチッとした夢の食感を実現。アイスは何にでも合うから乗せました。
心からメリークリスマスと言いたい。そのような影の落ちていない清々しい心を作ってくれる。それがこのトーストアイス添えチョコパネトーネなのだ。トナカイがこれ目当てに突進してくるのではないかと思う。
ドライフルーツに熱を通すとより南国的な甘さになり、フレンチトーストにすることでしっとりとした美味しさになる。バウドゥッコのパネトーネは、他と比べれば甘さが控えめだったので、このような料理に合う。
カロリーが気になるかもしれない。でもいいのだ。クリスマスだから。メリークリスマスだから。自分へのクリスマスプレゼントはカロリーなのだ。結局一番のプレゼントはカロリー。クリスマスと誕生日と結婚記念日だけはカロリーが許されるのだ。私は結婚していないけど。
ペルーっ子の私はウィンターズのパネトーネが一番好みで、これはこのままいただきたいと思い、付け合わせに生ハムとクリームチーズ、飲み物にウェルチを準備した。ワインではない、ウェルチだ。
フワフワとドライフルーツの食感、甘みが本当によい。その辺でも気軽にパネトーネが買えるようになればと思う。ペルーでこれを食べてからは、クリスマスの味はパネトーネということになっている。量も1キロ弱なことが多いので、満足感がすごいのだ。食べている時は夢のような時間とすら言える。メリークリスマス!
クリスマスはパネトーネを貪り食べたい。それを私は幸せと呼びたい。ペルーで初めて食べた時に運命の食べ物に出会えたような喜びだった。その後もクリスマス時期に南米に行くと必ず食べていた。日本でも買えると知ったので、ガンガンに買った。日持ちもするし、Amazonで買える。アマゾンでの辛い思い出をAmazonでいいクリスマスにするのだ。
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