寝転び方で他を圧倒しなくてはいけない
大晦日、なんとなく紅白歌合戦を流しながらおそばを食べて、風呂に入って子どもを寝かし、日付が変わる前に起きて布団から出てきた。布団が自分の体温で暖かくなっていて恨めしく思った。
暖かい家で寝転がってもいいんだよな、ジャンプする人も自宅でやってるもんな、と思ったのだが、夜に家で寝転ぶというのは「睡眠」という形でたくさんの人がやっているので「めちゃくちゃ地球にいる」と主張するためには寝転び方で他を圧倒しなくてはいけない。
大晦日の23時55分くらい。年が明ける直前に来た。
年越しのパーティーをやっている集団とかいたら寝っ転がりづらいなと思っていたのだが、誰もいなかった。誰もいないのも納得である。すごく寒いのだ。正月のキリッとした寒さがもうある。
地面の冷たさを警戒していたが、厚着して来たのでひんやりして気持ちいい、という程度でよかった。そして寝転んで見る夜の空がすごくきれいだった。
肉眼で見るともう少し星が見える。視界が全部空で、自分が地球にピタッと張り付いて宇宙を見ているというのがすごく実感できる。
年越しの瞬間
時間の区切りがなくあっさり年が明けた。「ため」とかないんだ。そして年越しの瞬間、僕はめちゃくちゃ地球にいた。
意識をするあまり、年越しの瞬間ジャンプをした人たちの跳躍の振動が地面を伝わって来た。なんか頭がグラッとしたのだ。本当に地球が少し揺れていたのかもしれない。
これで「めちゃくちゃいる」感じにはなっただろう。清々しい気持ちだ。家で寝ているのとは違う。瞬間と所作を決めて、準備してやる、というのは良い。ジャンプじゃなくたっていいのだ。
「あーあ」と思った。2022年が始まってすぐ「あーあ」というタイプの掃除をした。