温泉卵を焼こう
戯れに温泉卵を作り、ご飯やスパゲッティに乗せて食べている。一度にたくさん作って殻に「おんたま」と書き、冷蔵庫の卵のコーナーに並べている。
この卵コーナーを見ていて思った。もし、目玉焼きを作ろうという時にこの「おんたま」を間違えてフライパンに割り入れてしまったら、どんなものができるのだろうか。
焼き上がりがいつなのか分からない
やってみよう。フライパンを温めて温泉卵を入れる。
黄身がプルプル揺れながら細く蒸気を出している。「話が違うだろ!」と抗議しているみたいだった。そりゃあそうだろう。この温泉卵を作るのにもけっこう時間がかかっている。
生卵を常温に戻しながら熱湯に少し水を足したやつを用意して、そこに30分卵をつけて最後に冷水に入れてやっとできた温泉卵である。それを今、更に焼いているのだ。卵からしたら地獄の罰に連れ回されてるような気分なんだろうか。
いや、これは手間をかけた調理だ。丁寧な暮らしだ。きっとおいしいものができる。
このあと、黄身の上の方にも少し熱を加えたくて、水を入れてフタをして蒸し焼きにした。
食べてみよう
これが食べたことのない卵の加減でおもしろかった。
白身に半熟という状態があるとしたら、温泉卵を焼いたこれは「7割熟」ぐらいの固さであった。それがゆで卵みたいにしっかり塊として食べられるからすごく不思議な感じがする。なんだかすごく途中なのだ。たくさんの手間をかけて「もうすぐゆで卵」みたいな白身が現れた。
ポーチドエッグの白身に近いのかもしれない。
ちなみに味付けは、塩をかけて食べた。普通の温泉卵だったらつゆに漬けたりするかと思うが、この卵は目玉焼きと同じ考え方で好きなものを掛けていいと思う。
焼いた卵の香ばしさと、固ゆで手前の黄身のもったりした舌触りがあった。ラーメン屋さんのこだわった煮卵で、こういうもったりした食感のやつがあったかもしれない。そういう、味の濃いラーメンに負けない存在感のある黄身だ。そしてその下に、目玉焼きの周りの香ばしいやつが付いたやつだ。
色々な卵料理のキメラのようなものができた。好みは様々だと思うが、既存のものに物足りなさを感じていたら試してみると運命の出会いとなるかもしれない。
温泉卵を焼くと…
- 白身はポーチドエッグ
- 黄身はラーメンの煮卵のもったりさ
- 目玉焼きのパリッとしたところも付いている
- 温泉卵の見た目なのに暖かい