理想の横丁
ナオ:
最近、友達と「理想の横丁」という話題になったことがあったんです。
パリ:
横丁ですか。
ナオ:
横丁というと、自分のイメージではそれほど広くない幅の道があって、両側に店が並んでいるような。
トルー:
僕もそんなイメージです。
ナオ:
ですよね。温泉町に泊まりにいって、ふと宿の近くにそんな道があったら嬉しいような。そういう横丁をもし自分で完全に自由に作っていいとしたらどうするだろうかと、そんな話になったんです。自分の「ドリーム横丁」を考えるとしたらっていう。
パリ:
ドリーム横丁か。いいすね。そういえば以前、北向さんが理想のまちをつくる企画ありましたよね。あれの横丁版ですね。
ナオ:
考えていくとけっこうこだわりたくなってきたりして。今回はそれについて三人で話してみたいんですけど、どうでしょうか。
トルー:
はい!
パリ:
やりましょう!
ナオ:
ルールというほどのものでもないのですが、道の両側に5個ずつ店を置いてよくて、実際にあるお店でもいいし、「こんな店があったらな」というイメージでもいいと。
パリ:
30秒で通りすぎることもできるくらいの、小さな横丁。
ナオ:
そうそう。この条件で、おふたりならどうしますかという。たとえば私だったら、この前、京都にある「高木商店」っていう角打ちに行ったんですね。
パリ:
ほうほう。
ナオ:
「高木与三右衛門商店」が正式な店名みたいですが、みんなには「高木商店」と呼ばれていて、そこがすごくいい、自分の理想の角打ちだったんです。お刺身とか焼き魚とか、そういうのもあったり、ポテサラ、漬け物、飲み物も色々あって、緑茶割りがうまかったりして、そして一見客でも入りやすい気さくさがあって。
パリ:
へー、行ってみたい。

ナオ:
入りやすくて、居心地もいいという。そういう角打ちが横丁の入り口にまずあって欲しいなと。
パリ:
それはもう決まりでしょう!
ナオ:
いいですか! よかった。これあれだな、3人それぞれのドリーム横丁を発表し合うみたいなのをイメージしていたんですけど、3人で力を合わせて一つの横丁を作った方がおもしろそうですね。
パリ:
そうしましょう。
テーブルにいるのも店員だよね
パリ:
個人的になんですが、たばこ吸わないんですけど、なんか、自販機に囲まれた喫煙スペースってあるじゃないすか。あれもひとつほしい。
トルー:
ありますね。突然滞在してもいい場所。
ナオ:
ああ、立ち止まっていい場所。
パリ:
あれ見ると、あぁ、きっとタバコを吸う人々にとって、落ち着ける場所なんだろうなって思うんです。
ナオ:
たしかにそういう休憩スポットが横丁にあったらいいな。なんとなく、川が流れてるといいですよね。
トルー:
川!
パリ:
ははは。どこに!
ナオ:
この□が横丁に並ぶ店だとして、黒いところがさっきの私の角打ちがある場所です。で、真ん中に、こう、川。
トルー:
温泉街? とかにありそうですね。
パリ:
じゃあ、この地図をもとに埋めていきましょうよ。喫煙所はどこにしますか?
パリ:
じゃあ、川の上の右側のマスを東屋にさせてもらって、自販機があったり、灰皿があったりする、自由に過ごせるスポットというのでどうでしょう。
ナオ:
いいっすね!
パリ:
あざす!
ナオ:
トルーさん、どこかここにこれというマスありますか?
トルー:
雰囲気を壊してしまうかもしれないのですが、ヒマそうにしてるインドカレー屋さんがなんか好きなんです。
パリ:
わはは。
ナオ:
お店の方がぼーっと外を見ているような。
トルー:
たまに人に言ってあんまり共感されないのですが。店のなかを覗いてみると、テーブルにいるのも店員だよね、っていうような。
ナオ:
でも、入って食べてみると、絶対美味しいっていう。
パリ:
「いまいちだったね」っていうインドカレー屋、ない説ね。欲しいなこの横丁に。
トルー:
いいですか!?
ナオ:
もちろんです! 横丁に美味しそうなスパイスの香りが漂う。
トルー:
あるとなんか安心するんです。僕が。
パリ:
場所的には、喫煙所の対岸っていうんでしょうか。川を渡った向かいくらい。そのあたりどうでしょう。なんとなく、川沿いにあるとほっこりするというか。
トルー:
そうですね! 店員さんに川を見てほしい。
ナオ:
いい場所ですね!
パリ:
ね!
ナオ:
店名のイメージありますか?
トルー:
「ムンバイ」ですかね。
パリ:
ははは!
ナオ:
いい! 美味しそうです。
トルー:
なんか良いなと思ったインドカレー屋、だいたい「ムンバイ」なんです。
ナオ:
ははは。そうなんだ!

「キッチン」だ!
パリ:
よし、こりゃどんどん埋めていかねばだな。いわゆる町中華もあってよくないですか?
トルー:
欲しいですね!
ナオ:
うんうん。あって欲しい。
ナオ:
あっさりしたラーメン。ラーメンというか中華そばが美味しい店。
パリ:
ここはもう、専門家のナオさんが、店名と、看板料理の特徴決めちゃってください。
ナオ:
大役だな! じゃあ、「大洋軒」で。
パリ:
はは。ありそう。
ナオ:
和食の経験も長い店主の、ダシの取りかたが絶妙な、どこか和っぽい中華の店。
トルー:
店主の経歴まで!
ナオ:
カウンター席とテーブル席4つぐらいのね。
パリ:
隠れた人気メニューとかありますか? そこは。
ナオ:
ああ、裏メニューみたいなの。毎日ではないけどたまに蒸し豚があって、わさび醤油で食べさせてくれます。

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