効果を校歌にしたいメンバーが集まった
「ドップラー校歌」もいいけど「つり橋校歌」もいい。
そんなことを夢想していたが、ライターの北向ハナウタさんもツイッターで「サブリミナル校歌」と書いていて運命を感じた。おれたち、校歌やろうぜ。
すぐ集まって歌おうとしたがコロナのせいでできず、3年の時を経てようやく集まる日がやってきた。
広島から来たハナウタさんに学ランを着せて、ピアノコンクールで全国3位になったことがある(すごい)ライター谷頭さんに伴奏してもらった。トルーは気さくないいやつとして呼んだ。
この撮影の前日、ドップラー高校の歌詞を参加メンバーに送った。
するとハナウタさんがメロディをつけてアカペラで歌った音声が返ってきた。
そう、これこれ。
ばかみたいなことに無駄な才能を使ってスピーディに決まっていくときの醍醐味だ。
前日にアカペラだがメロディまでできているのであとは大丈夫だろう。
だが当日、谷頭さんから
「楽譜にするのに手間取って少し遅れます」
との連絡があった。そうか、アカペラと伴奏のあいだに楽譜というものがあるのか。
このあいだもハナウタさんと谷頭さんのあいだで
「ここで転調するんじゃないですか」
「シャープ4個だ」
「黒鍵ばっかり!」
「セブンスをいれましょう」「セブンス笑!」
「シンコペーションだ、あはははは」
などと盛り上がっている。
僕は他の人が笑ったら笑う、という海外のカンファレンスに参加している状態になった。
すると、仲間だと思っていたトルーが
トルーはピアノが弾けた!全国3位と対等に話をしている。
なんだよトルー!
悲しみジョニーみたいなリズムで文句を言ってしまった。
僕はNHK-BSの駅ピアノのまわりで勝手に踊るおじさんとして生きていこう。
プライドを守ることに必死になっているあいだにドップラー高校の校歌ができあがった。
最後、高校を高橋と書いて「ドップラー高橋って誰だ」と全員につっこまれた。年長者を敬え。
ドップラー高校校歌
9秒でハナウタさんが手を挙げているのは隣の僕に歌い出しのタイミングを教えるため
おしゃれなメロディな校歌になった。ニュータウンの新設校で運動部と学業のクラスが分かれている。そんな私立学校だ。
途中で音程が不安になるのはドップラー効果の不安定さの表現だと思ってください。
ドップラー効果を校歌だと思っていたみなさん、これがドップラー高校の校歌、つまりドップラー校歌です。
どんどん効果を校歌にしていこう。