ダイヤサラダを知っているか
ダイヤサラダとはこのような食べ物である。
魚卵を四角く成形したもので、ワサビマヨネーズがツンときいている。魚卵はカラフトシシャモのものだそう。
高千穂に越してきて初めて食べたのだが、東北あたりで製造されている食べ物らしい。いままで住んだ関西や九州では馴染みがなく、ダイヤサラダという名前も調べて初めて知ったくらいだ。
もちろん店頭販売もされていないので、わたしは葬式の奉仕をしたときに頂く特注弁当に入っているときだけ食べられる。
数の子で自作を試みた
調べた今でこそダイヤサラダがどういうものか知っているが、それまでは全く謎の食べ物だった。なんせ緑色の魚卵が四角くてわさびマヨで和えてあるのだ。なぞなぞの問題みたいだ。
原料の魚卵は数の子に違いないと思い込み、何度か試してみたがまったくうまくいかなかった。そもそも味の記憶もおぼろげだ。
これが何をやってもうまくいかない。数の子がどうやってもしょっぱくて理想の味にならない。
そこでヒントはないかと検索したところ、例の惣菜はダイヤサラダという名であり、カラフトシシャモの卵を四角く固めたものであることを知ったのである。自作無理すぎるだろう!
数の子は、ししゃもっこにはならない。
この事実は締切が差し迫る状況で発覚したので、どうしようもなさに笑うしかなかった。これが初笑いだったかもしれない。
スーパーで取り寄せてもらう
どうしてもダイヤサラダを諦められない。ダメ元で近所のスーパーに電話することにした。
「あのー、オードブルとかに入ってる、緑色の、わさびマヨネーズの、四角い、あるじゃないですか、はい、あれダイヤサラダっていうらしいんですけど……あれだけが食べたくて……」
交渉の結果、2日後に取り寄せてもらえることになった。
そうして手に入ったのがこのダイヤサラダである。
お値段なんと、100gあたり680円。相場がわからなかったが2,000円分買った。牛肉と同じくらいの単価だ。すごいことになってきた。
レジに持っていくと店員さんが驚いてくれた。すかさず、これだけ食べたくてですね、取り寄せたんですよ!と自慢する。優越感。ブランドバッグの価値がいま分かった気がする。
ダイヤサラダはうまい
それでは久しぶりのダイヤサラダをいただくとしよう。
容器にぎっしり詰まったダイス状で緑色の魚卵がマヨネーズを身にまとい、ぬらぬらと光っている。これこそホンマの海の宝石箱や!
魚卵の粒は数の子より小さく見えるし、成形したと言われれば納得の四角さである。また、凝視すると黄色いクラゲのようなものが混じっていることが分かった。食感の面白さはそこにもあったのか。
それじゃあ、いただきます。
やっぱり、ダイヤサラダはうまい。
まず気づくのは食感のよさ。「プチプチ」を超えた「ブチブチブチブチブチッ!」といった最高の歯ごたえ。固めてあるので小さな粒も逃さずに噛み砕けるのだろう。これが気持ちいい。
味付けも記憶していたより遥かにジャンクで頼もしい。
これでもかと効いているワサビの刺激と、すこし甘さのあるマヨネーズソース。酒のつまみにも飯のおかずにもなるやつだ。うますぎる。
思うに、ダイヤサラダはマヨネーズをもっとも美味しく食べる方法のひとつである。わたしはマヨネーズを中心に世の中を捉えている。
マヨネーズのために緑色になってくれてありがとう、ししゃもっこ。

