バレーボール選手の喜びっぷり
得点したときのバレー選手たちの喜びっぷりはとてもいい。満面の笑み、掛け声、ハイタッチ。ポジティブなエネルギーが溢れている。
全力の笑顔で喜びを噛みしめる瞬間なんて、いまの自分の生活にほぼない。
そんな悦楽を選手たちは数十秒~数分の間に、寄せては返す波のように味わっているのである。正直そんな姿がとても羨ましい。ずるい!ずるい!いいな!いいな!いいな!(嫉妬と羨望のフルハウス)。
でもバレーは苦手なので、仲間たちと喜びあうところだけ抜き出して真似してみようじゃないか。
バレー選手のテンションで盛り上がろう
ちょうど学生時代の友人たちと旅行する予定があったので、女子バレー選手のテンションに付き合ってもらうことにした。
ちなみに、自分を含めて皆おとなしい人間の集まりなので平常は会っても大盛りあがりすることはない。企画の趣旨を説明しても懐疑的である。まあまあ、絶対に楽しいから!
しかし協力して喜ぶと言っても、盛り上がるきっかけがなかなか見つからない。慣れていないとテンションを上げるのも照れくさいのだ。
昼ごはんに食べた蕎麦が美味しかった。でも店内で大盛りあがりするのは迷惑だしな。
「柚子胡椒がいいね」「蕎麦につなぎ入ってないのかな」なんてことをぼそぼそ話して、のそっと退店。
う~ん……あっ!!!
お蕎麦屋さんでもらったレシートの印字が著しくズレている!
もう、これしかない!!みんな、いくぞ!!!
打ち合わせもせず勢いでやってみたら、ちゃんとバレーボールの選手みたいに喜べた。これ、とてもハッピーな気持ちになりますよ。
無理にでも笑顔を作ると楽しい気持ちになるという心理学の一説があるが、完全にその現象が起こった。
友人たちとはかれこれ十年来の付き合いになるけれど、この瞬間ほど相和したことはなかったのだ。
この調子で次に行こう!
今度は絶景があらわれたぞ。これは盛り上がりがいがありますな!
楽しい。
楽しい気持ちになりたいなら、楽しい気持ちになればよかったのだ。どうしてこんな単純なことを今まで知らなかったのだろう。
カップ焼きそばでもフィーバーできる
時は流れて夜になり、泊まった宿でカップ焼きそばを食べることになった。
そして、お湯を入れた段階で箸がないことに気づいた。
メンバーの一人が「外に出て小枝を拾って箸に加工しよう」と言い出す。いつもなら唾棄されかねない意見だが、なんといっても今のオレたちはバレー選手である。
バレー選手なのでアイデアは全会一致で承認された。(プレー中のバレー選手はすべてを肯定することで知られている)
正直なところなんでこんなに盛り上がれているのか今はサッパリ分からなくなっているが、画面の中の自分は楽しそうだ。
焼きそばの味はまったく記憶に残っていない。しかし、コンビニで買ったインスタント麺でここまでフィーバーできるのだから非常にコスパのいい取り組みである。
テンションをあげて盛り上がっただけでも、バレーボールのプレイを通して得られる喜びのうちのほとんどを体感できている気がする。
一切の努力研鑽を放棄して、ボールすら持たずに仲間とひたすら喜びを分かち合う。気持ちいいところだけラクに楽しむ。これが、令和のバレーボールなのだ。そうなのだ。
皆様も試してみては如何?