敏腕っぽさがある
リラックスしながら大事な電話、こんなイメージである。
相手や内容にもよるが、重要な判断をすることが日常に染み付いている感じがしてかっこいい。敏腕である。
大事な話がない
「こうありたい」と担当編集の橋田さんに説明をし、電話相手になってもらうことにした。
日時を決めたところで、何を話せばいいか分からなくなり頭を抱えた。
大事な話などないのだ。この機会のためにでっち上げてしまったらそれは大事な話ではない。話す必要があるから大事な話なのだ。大事な話っていうのはいつだってあっちからやってくるもので、こちらからたぐり寄せた途端に大事ではなくなってしまう。
困ったな、昔はあったのにな、と思ったところで気がついた。
昔の大事な話をすればいいのだ。2年前に引っ越しをしたので、その報告をすることにした。
やってみよう
準備ができた。今から大事な報告をする、という気持ちを作って橋田さんに電話を掛ける。
トルー(筆者):お疲れ様です。すみません、突然のお願いで
橋田:いえいえ
トルー:2年前のことになるんですけども、引っ越すことになりまして、そのご報告のお電話なんです。
橋田:おお、おお…。2年前
トルー:今まで****に住んでいたんですけれども
橋田:ええ、そうですよね
トルー:****っていうところに引っ越すことになりました
橋田:なるほど。ちょっと遠くになりますか?
トルー:そこまで離れてはいないです。家賃の問題とか、子どもが過ごしやすいところとか、その辺の事情で****になりました
橋田:遅れた…?
トルー:あの、2年。
橋田:しゃべり方がゆっくりですね? なんか間が空くような
トルー:申し訳ありません。
橋田:いえ、大丈夫ですよ
トルー:それで、その、引越しはしたんですけれども、記事の撮影などは今まで通りご協力いただけたらと思いますので、
橋田:あ、よろしくお願いします。ガサガサ音がするような気がするんですけど
トルー:あの、めちゃくちゃうまくいかなくて
橋田:めちゃくちゃうまくいかなくて?
トルー:いや、本当にあの、よろしくお願いします。
橋田:はい! じゃあとりあえず今まで通りで大丈夫ってことですよね
トルー:はい、よろしくお願いいたします!
橋田:はいー!
変な弱音が出ました
5分ほどのやりとりだった。色んな姿勢でだらけてみたが、どれも出したい声を出す姿勢じゃないので居心地が悪い。
あと僕がゴロゴロし出したらネコも一緒にやり出した。本筋じゃないところで変なグルーヴが生まれてしまった。
スマートに出せず「めちゃくちゃうまくいかなくて」という変な弱音を吐いた。
通話を終えた後、橋田さんに僕のだらけている画像を送って感想をもらった。
予想をはるかに上回った格好をしていました。足をあげているなんてまったく気づきませんでした。
猫が喜んで同じ格好をしているのはかわいいですね。トルーさんもちょっと笑ってますよね。
意外と相手は気づかなそうなので、今後もやっていいのかもしれませんね。
これ以上ないぐらいだらけたが、気づかれなかった。声色から姿勢を想像するのは難しいみたいだ。
せっかくなのでもう一歩踏み込んでみよう。企画の内容も伝えていない人に同じことをやってみる。

