特集 2025年1月9日

江戸時代の謎解き「大小暦」に挑戦する

解けたら気持ちよさそうな問題

他にも面白い問題はいっぱいあるのだが、その中でも特に「解けたら気持ちいだろうなぁ」という問題を最後に1つ紹介する。先に申告しておくと、我々には解けなかった。

見ざる、聞かざる、言わざるだ。

この問題は上部に書かれた文章が読めないと解けない。我々は読めなかったので解けなかった。みなさんには特別に文章の内容をお伝えしよう。

大小をゆきつ
もどりつ
かそふへし
中の子ざるで
おどる六七

「大小を行きつ戻りつ数うべし。中の子猿で踊る六七。」
果たして、この歌に隠された、月の大小とは……。

答えはこう。

右から反復横跳びのように数えていき、中の子猿は小の月、両側の親猿は大の月とする。「中の子猿で踊る六七」とあるので、六と七は連続で子猿である。​​​​​

ほり:この年は大小が交互だったんですね

能登:それを生かして、問題を作ったんだ

この問題、シンプルだし無理筋でもなくていい問題だなぁ。なにより「歌の内容を解釈すると答えにたどり着く」というのがわくわくする。我々は崩し字を読めず、そこまで至れなかったのが残念。

帰宅後、妻 (大学時代に国文学専攻のため崩し字が読め、謎解き好きでもある) にノーヒントで解いてもらったら、サクッと解けていた。そしてかなり気持ちよさそうだった。いいなぁ。


時代を越える謎解き

暦の自由売買禁止を逆手に取った形で、大小暦が普及したのが面白い。江戸時代の日常エンジョイ精神を見習わねば。

そして、当時作られた謎解きをこうして体験できることのうれしさよ。当時も「さすがにこれは十に見えないな~!ガハハ」と笑ったりしたのだろうか。そうだといいなぁ。

国立国会図書館のWebサイトには今回紹介した以外にも多くの大小暦が掲載されている。ぜひチャレンジしてみてほしい。

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きっかけとなった記事

もともと私が「大小暦」を知ったのは、「藤井聡太王位が解いた「200年前の詰将棋」…実は込められた意味があった(東京新聞) 」という記事を読んだのがきっかけである。今は有料記事になっているが、とても面白いので興味のある方はぜひ読んでみてください。

おまけ:撮影後に江ノ島さんと海底撈で火鍋を食べたよ 

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