特集 2025年1月9日

江戸時代の謎解き「大小暦」に挑戦する

理不尽さに打ちひしがれる

冒頭に紹介した問題のように、多少理不尽なこともある。特に、漢数字を絵に隠すタイプの大小暦。

漢数字が隠れているパターンだ。

ほり:臼の上側に二、八、十一、臼の手前に四。右袖のところに九がありませんか?

能登:左袖は七っぽいですね

まあこんなところでしょう……。

正解はこちら。 

一から十二まで全部書かれていた。臼の印に「大臼小兎」とあるので、臼に隠された漢数字が大の月、兎に隠された漢数字が小の月ということだったのだ。

能登:むずかしぃ~!「五」はちょっと崩しすぎじゃないですか?

ほり:昔の人は読めたのかなぁ。「六」は「大」に見えますね。大の月を表しているのかと思ってた。現代人にはきびしい!十、十一、十二は、「言われてみればそうか」という感じ

崩し字については教養の足りない自分が悪いとあきらめがつくのだが、十、十一、十二の強引さには「うぅ…」となる。慣れていくしかない。

 

上部の句「月代も そり立てしかも 大あたま」は、図に大の月が書かれていることを示す。

ほり:福助だ。かわいい

能登:袖の四が見事ですね

ほり:頭が十。左肩が十一。目を二と捉えるのかどうか

能登:微妙~。これ当時の人も本当に読めてたんですかね?

ほり:たしかに

能登:さっきの傾向からして、右肩は十二じゃないですか?

ほり:あとは耳のところの「 J 」みたいな文字

能登:これは例の「正」じゃないですか?そうは読めないけど

けっこう自信あります

我々も短時間で成長している。いつまでも「理不尽だ!」と文句を垂れるのではなく、歩み寄ろうと努力している。

正解はこちら。

十一だと思ったものが十二で、十二だと思ったものが十一だった。あとふつうに足元にがあった。耳はただ太いだけで、何も表していない。

ほり:もぉ~!!!

能登:半分も当たってなかった

能登さんも私も、ふだんから謎解きを解いたり作ったりしていて、そこそこ自信もあるしプライドもあるのだが、まるで歯が立たない。

 

次こそ当てたい。

ほり:この野球ボールみたいなやつは「小」だと思います。

こういうこと。

ほり:つまり、下半分の黒いところにある漢字は小の月で、逆に上半分の黄色いところにある漢字は大の月だ

能登:「正」が2個あるんですよね

ほり:片方が閏月じゃないですか

能登:今回はすべての月が書かれているってことですね。上半分は六、八、四、九、十、正、二。下半分は五、正、十一、十二、三

ほり:完璧だと思います!我々これの全国大会出れますよ!いや~気持ちいい!

手ごたえ抜群!果たして…!

 正解はこちら。

ちょっと違うなぁ…。

ほり: 二、八、十、十一の解釈が違いますね

能登:八は我々のほうがしっくりくるじゃないですか。いや、でも正解の八には明朝体のうろこがついているのか……。

むずかしすぎる。でも楽しい!

⏩ 解けたら気持ちよさそうな問題

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