しぼりだす、ゆでる
なんだかくすぐったいような、こわいような。破れてしまいそうで。と書くと恋愛の始まりのようだが、腸詰め作業である。
もっとペースト状になるまでまぜないと、具がかたまりに分かれてしまうので、空気が入って入って困るのだった。次は気をつけねば。
すべてしぼり出したら、適当な長さでひねってゆでる。市販のものととりあえず同じ長さに設定。
中火で6~7分ゆでたところ・・・。
完成である。魚肉と塩だけで作った、My魚肉ソーセージだ。
ふつうに食べるのもあれなので、東海林さだおさんのエッセイで読んで気になっていた「魚肉ソーセージ定食」風にしていただこう。
その昔、切っただけのギョニソーにマヨネーズをそえ、ご飯と味噌汁のみという、安価な安価なギョニソー定食というものがあったらしい。
そしてこれが、本当の魚肉ソーセージ定食となるのか?いただきます。
味は・・・つみれそのものだった。日本人のDNAに刻まれた、非常に食べ覚えのある、練り物そのものの味だ。
ぷっつりと皮を噛み破り、ほおばるその中身は、つまり「つみれ」。そりゃそうなるよなーという気がしないでもない。
市販の魚肉ソーセージは昔からのその味覚に訴えつつも、「豚脂肪」や「赤色106号」でハイカラ気分を出していた食べ物なのだと気づいた。
今回の本格ギョニソーは、これはこれでタタキ台として、次はハーブとか入れちゃったり、もっとハイソなイメージを盛り込んでもいいかもしれない。あのころの日本人のように・・・(完)