チラ見せはげます会 2023年5月17日

業務用押出式製麺機で冷麺を作らせてくれる岩手県盛岡市(行ってかよかった市区町村)

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はじめに

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業務用押出式製麺機で冷麺を作らせてくれる岩手県盛岡市
(玉置標本)

街に関わる情報を伝えるサイト「SUUMOタウン」で連載をしている。SUUMOなので不動産や住宅に関わる内容を書くべきなのだろうが、伊勢うどん食べ歩き、妖怪研究家と奈良散歩、昆虫食研究家に聞くうまい虫、エミューを室内で飼う楽しさ、インド人に間違えられている南インド料理人など、何を提案してもだいたい通るので、大変懐の深いサイトだなと感心しつつ、ありがたく書かせていただいている。

その取材で昨年の晩秋に訪れた、岩手県盛岡市がすごく良かった。取材先は基本的に私が考えるのだが、ここだけは担当編集者からの推薦だった。私はこれまで岩手に一度も訪れたことがなく、まったくピンと来ていなかったのだが、盛岡駅からの徒歩圏内におもしろい場所やおいしい店がギュッと詰まっていて、すごく観光しやすいのである。おそらく暮らしていても楽しいのだろう。盛岡在住の人はみんなこの地に住んでいることを誇っているように思えた。冬は寒いらしいけど。

ということで、良い場所だらけの盛岡で私が一番興奮したのが、なんといっても業務用押出式製麺機で冷麺を作らせてくれる体験コーナーだった。これは「盛岡手づくり村」という施設の製作体験の一つで、陶芸、藍染め、藁細工などと並んで、「ぴょんぴょん舎」という有名冷麺屋さんの工房で冷麺を作らせてくれるのである。しかも粉からだ。この村は盛岡駅から少し離れているので路線バスに乗る必要があるのだが、その価値は十分にあった。

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本場である朝鮮半島の冷麺は、緑豆やドングリから精製した澱粉に蕎麦粉を混ぜた生地を使うようだが、独自の進化を遂げた盛岡冷麺は馬鈴薯澱粉(片栗粉)に小麦粉(強力粉)の組み合わせが定番。用意された粉に熱湯を加えてよく捏ねて生地を作り、それを円柱状の押出式製麺機に挿入してもらう。油圧シリンダーでギューと細長く押しだされた生地は、そのまま下にセットされた鍋の熱湯に投入されて、瞬時に固まって麺となるのである。茹であがったら盛岡のおいしい冷水でよく洗い、盛岡冷麺らしく盛り付けていく。いいですか、修行もせずにこんな楽しいことをさせていただいて。

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その様子はこちら


冷麺なら以前に手回し式の押出式製麺機を使って何度か作ったことがあるのだが、やっぱり業務用はパワーが違う。ママチャリとハーレーくらい違う。私がテスラの社長くらい資産を持っていたならば、Twitterよりもぴょんぴょん舎を買っていただろう。そして電気自動車よりも押出式製麺機の開発に注力だ。目指せ、世界一の低加水。 

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冷麺を押し出すためだけにでも盛岡は行く価値がある街だが、押し出さなくても魅力的な街なので安心してほしい。さっき検索したら、2018年に小堺さんが「老舗わんこそば屋さんが薦めてきたのはカツ丼でした~地元の人頼りの旅 in 岩手県盛岡市~」という記事で、私が訪れたところの大多数をすでに紹介していた。恐るべし、小堺丸子。


終わってふたたび解説です

製麺機で冷麺を作らせてくれる体験ができるなんて、玉置さんのためにあるような場所ですね。 製麺機のパワーの違いについて、ママチャリとハーレーで表現し、 イーロンマスクの買収に例えるとか 玉置さんの技が光ったコラムでした。

今から入会しても、過去に掲載したコラムのバックナンバーは、はげます会専用ページで全部読めます。(はげます会担当 橋田)

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