ちょっと聞いてよ 2023年5月27日

2種のチリトマトヌードルと真剣に向き合う(なぜなら、チリトマトヌードルが好きだから)

カップラーメンは月に1度と決めていた。うますぎてそればかり食べてしまうから。

限られた機会にどの製品を食べるかを、毎月選択することになるのだが、結局幼少期から一番好きな「カップヌードル チリトマトヌードル」に落ち着く。

そんなとき、彗星の如く現れたのが「カップヌードル PROシリーズ」だ。
高タンパク&低糖質をうたうプロのチリトマトヌードルを見て、これなら月に2度、いや3度くらいは食べてもいいのではないか? と考えた。問題はその味である。

単体で食べると「普通のチリトマトヌードルと変わらんな」と感じるが、じっくり食べ比べたら、実際どのくらい違うのだろうか。

日本ソムリエ協会認定ワインエキスパートの花屋。花を売った金で酒を買っている。

前の記事:謎の種子を揉むだけでできる、台湾スイーツ「オーギョーチ」を作ってみた

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そんなわけで、いま筆者のマイブームとなりつつあるのがこちら。「カップヌードルPRO 高たんぱく&低糖質 チリトマトヌードル」。

一食でタンパク質が15g摂れて、いつものチリトマトヌードルと比べて糖質は50%オフだそうだ。そんなに違うのであれば、もはや違う食べ物ではなかろうか。

運動不足に陥りがちなwebライター業の免罪符として、筆者はささやかな筋トレを慣行しているのだが、このチリトマトヌードルはもはや食べる免罪符と言ってもよい。筋トレと組み合わせたら、楽天のお買い物マラソンよろしく免罪ポイント+1倍でお得になるのでは? ルターが草葉の影から走って来るレベル……なんて呆れたことを考えながら、おいしく食べていた。

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そう、実際おいしいのである。健康志向のジャンクフードは往々にして「これじゃない」と思わされるものだが、いつものチリトマトヌードル(左)と比べても、遜色ないような感じがする。だったら毎回PROを食べたらいいではないか。アマチュアのカップヌードルとはおさらばだ。
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通常のチリトマトヌードルが原材料表示をしている欄でも、PROにおいては「おいしさ そのまま」の文字が躍る。

しかし疑念は残る。それぞれ単品で食べるから「同じ味だ」と感じているだけで、同時に食べ比べたらある程度の差異に気が付くはずだ。

ちょっと贅沢なことだが、2種のチリトマトヌードルを同時に開封し、じっくり食べ比べてみることにした。

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お湯を注ぐ前に成分表示を読んでみる。PROの方はたんぱく質15.7g。市販のサラダチキン1つあたりのたんぱく質が25gほどと考えると、なかなか高い数値のように思う。炭水化物も45.5g→38.8gと減量されているが、食塩相当量はほぼ変わらず、脂質はなんならPROの方が多い。

厚生労働省によれば、女性が1日に摂る塩分の目安は6.5g未満、男性は7.5g未満だそうなので、カップヌードル2つを食べ尽くしたらやや塩分過多ということになる。これは筆者がただ塩分過多になるだけの記事ともいえる。

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開封してみたところ。いつものチリトマトヌードル(左)の方が、明らかに具材が多いように見える……が、公式サイトによると、チリトマトヌードルは内容量76g、PROは79g。麺の量は同じとあるので、実際はPROの方が具材や調味料が多いらしい。
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「謎肉」も取り出してみた。左がいつものチリトマトヌードル、右がPROの「ハイプロテイン白謎肉」。なんのこっちゃという感じだが、ハイプロテイン白謎肉の方が若干大きく、色も淡いように見える。
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さっそくお湯を注ぎ、3分後。やや具材が多いように見えるぶん、いつものチリトマトヌードルの方がおいしそうな印象だ。

この時点でPROの方は、「なんだか、ぎっしりしてるな」と思う。

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まずはスープから比較してみよう。いつものチリトマトヌードルは透明感のある朱色で、トマトの酸味が際立ち、後から甘味とチリの辛さが追いかけてくる。こうやって味わってみると思いのほか辛い。いい意味で駄菓子のようなキャッチーさがあり、チリトマトヌードルが長年愛されてきたわけが、なんとなくわかる。
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こちらはPROのスープ。いつものチリトマトヌードルよりもやや色が暗く、透明度が低い。一口目は、初めて減塩醤油を舐めてみたときのような、「なんだか違うな」という印象があるが、二口目からはその複雑さに気が付く。 ​​​​​​

原材料表示を読むと、いつものチリトマトヌードルにはポークエキス、魚介エキスが使われているのに対し、PROではしょうゆ、チキン調味料、あさり調味料が使われているらしい。

PROの方がスープにコクがあり、複雑なように感じる理由はそれだろう。いつものチリトマトヌードルが、SAのフードコートのラーメンだとしたら、PROは材料にこだわったラーメン屋(店主がHPの写真で腕組みしている)という雰囲気がある。どちらがよりおいしいということはなく、それぞれ違った良さがある。

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麺を比べてみると、いつものチリトマトヌードル(左)の方が平べったい。PROの麺は幅が狭く、食感もやや硬め。

写真を撮りながら食べていて気づいたことだが、PROの麺の方が伸びるのが遅い。熱い食べ物が苦手で、ゆっくり食べたい方はきっとPROの方がおいしく感じるだろう。

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謎肉も食べ比べてみたが、いつものチリトマトヌードルの謎肉の方が甘さとしょっぱさが際立っていて、子ども向けの魚肉ソーセージのような印象だ。

対してPROのハイプロテイン白謎肉はやや上品で、ちょっとだけ高い魚肉ソーセージという感じ。チリトマトの謎肉は鶏肉ベースでできているはずなのに、どちらも魚肉ソーセージに近づくのはなぜなのだろう。

 

それぞれの全体印象として、いつものチリトマトヌードルは「ども〜! トマトです〜!」という明るさ、PROは「ッス……自分、トマトなんで……」という堅実さ(?)がある。結局どちらのがよりおいしいということはなかった。
その日の気分で、どちらのチリトマト君と遊びたいのかを選ぶのだ。

 

「筆者がチリトマトヌードルが好き」という理由だけでチリトマト2種の食べ比べをしてみたが、カップヌードルPROはもちろんチリトマト味だけではない。
高たんぱく&低糖質のシーフードヌードルや、塩分控えめ(1食あたり2.8g)のカレー味も販売されている。

健康志向のカップラーメンが販売され、しかも味もおいしいなんて、いい時代になったものだ。
まだ食べたことがない方はぜひ、それぞれ食べ比べてみていただきたい。

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