見るからにスイーツ作り用のキットだが、封を開けた中身を見て、呆気に取られてしまった。
ここからどうやって、プルプルつるつるのゼリーを作れというのだろう。無論説明書などというものは入っておらず、手がかりは何一つとしてない。
「愛玉子 とは」「愛玉子 作り方」「愛玉子 なに」など、五里霧中の検索ワードを入力しまくったところ、得られた情報は以下のようなものだった。
オーギョーチとは台湾語での呼び名で、この種子には多量のペクチンが含まれている。
ペクチンといえば、ジャムをトロトロにするときなどに使う、天然のゲル化剤だ。柑橘の種などにも含まれるが、アイギョクシはとにかくペクチン含有量が多く、水に入れて揉むだけでゼリー状に固まるという。
ただし、wikipediaによると水にはカルシウムが含まれている必要があり(おそらくペクチンの性質による条件)、軟水では凝固しないらしい。
その情報を信じるならば、日本の水道水で固まるのか甚だ怪しいが、とにかく作ってみないことにはわからない。
今回はdanchuのこちらのページと、Youtubeで見つけた「成功率100%的洗愛玉作法」をうたうこの動画を参考に、オーギョーチ作りに挑戦してみた。
手探りオーギョーチ レシピ
愛玉子の種:15g
水:750cc
■シロップ
水:375cc
きび糖:90g
レモン果汁: 1個ぶん
……が、10分以上経っても一向に固まり出す気配がない。これはやはり水のカルシウムが足りないせいだろうかと思い、急遽こちらの材料を追加した。
ワイルドに種子ごと食べることになってしまったが、まあこの量でお腹を壊すようなことはないだろう。万が一壊れたら追って報告します。
オーギョーチは冷蔵庫に入れると分離してしまうらしく、常温で30分ほど放置することにした。その間に、粗熱をとっていたシロップの仕上げをしよう。
そんなわけで、手探りオーギョーチの完成だ。
いかがだろうか。園芸コーナーから買ってきたみたいな、ぎっしり入った種のパックが、こんなにも涼やかなスイーツに変貌した。
酸っぱいもの好きの筆者は追加でレモンスライスを入れてみたが、クコの実なども入れてみたらより綺麗だろう。
筆者がばら撒いた種子の部分も、食感として大して気にならない。
シロップのレモンの酸味がよく合っているため、甘さを控えめにした、レモン果汁を目一杯いれたシロップを、たっぷりとかけるのが美味しい食べ方であるように思う。
食べている時の感覚としてはトコロテンに近い。夏場のスイーツとしては完璧な味だ。
のちに調べ直したところ、愛玉子のペクチン抽出については、pH4(トマトくらい)かつ室温が最適とのことだった。
途中で追加したきび糖のミネラルは、ペクチンの凝固に役立ったはずなので、ご自宅で試される際はきび糖も併せてご用意いただき、必要に応じてレモン汁でpHを下げていただくといいだろう。シロップ作りにも使えて一石二鳥だ。
愛玉子のキットは、アメ横まで足を運ばずともネットストアで気軽に入手できる。
「揉むだけ」でほとんど完成してしまうので、お子様をお持ちの方やお菓子作りが苦手な方にも、ぜひ挑戦してみていただきたい。
オンラインでも謎の種が買えます
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