ピーナッツ揚げをキャラメル味にしようとは
これがその、ピーナッツ揚げ キャラメルコーン味だ。
秋田いなふく米菓というせんべいメーカーが作っている。キャラメルコーンの東ハトは監修、という立ち位置のようだ。
そもそもピーナッツ揚げってなんだっけ? という方、一般的なピーナッツ揚げはこれ。
がんがんにしょっぱい、塩サイドのお菓子だから、まさかキャラメル味になる日が来るとは思ってもみなかった。
ざらざらお皿に出してみると、ピーナッツ揚げにキャラメルがじゅっとしみ込んでさらさらに乾いたような様子をしている。
口に入れるとキャラメルにしっかりコーティングされていて、思ったよりも歯ごたえがあった。
キャラメルポップコーンと完全に同じロジックだ
ああ、これは、あれだ。キャラメルポップコーンの味とかおりだ。
油とキャラメルがまざったとき独特の味、映画館とかアミューズメントパークの味がする。
ピーナッツ揚げならではのしょっぱさは無く、味の方向性としては完全に「甘」に振ってある。
塩味の旧来型ポップコーンに対し、キャラメルポップコーンが甘さに特化することによって立身したのと同じふるまいだ。
なるほど……。ポップコーンがあって、キャラメルポップコーンがあるように、ピーナッツ揚げがあって、キャラメルコーン味のピーナッツ揚げもある、というわけか……。
謎は……すべて解けた!
そもそも謎があったわけでもないのだけど、なんとなく味わいながら、口内に納得が広がって後味として「理解」が残り謎を解いた気持ちになってしまった。こういう初めて食べるものには理屈の味を感じるものだよな。
キャラメルコーンとピーナッツ揚げをせーので食べたら
さて、冒頭で「キャラメルコーンとピーナッツ揚げをせーので口に入れたみたいな味なんだろうか」と書いた。
買ったときはそう思ったが、ピーナッツ揚げ キャラメルコーン味を食べた今では、ちょっと違うだろうなとわかる。
実際やってみた。
うん、やっぱりだ。
ピーナッツ揚げのしっかりしたしょっぱさが、キャラメルコーンよりもぐいぐい前に出てくる。印象がぜんぜん違う。
ピーナッツ揚げ キャラメルコーン味は、塩味のゲージをかなり下げて甘いピーナッツ揚げを追求た独自の食べ物であって、再現できる感じではないのだ。
大朗報としては、ピーナッツ揚げとキャラメルポップコーンを一緒に食べるのも、これはこれで、あまじょっぱくてとてもおいしかった。偶然両方持っている方にはむしろおすすめできる。
思えば、キャラメルコーンにはそもそもピーナッツが入っている。ピーナッツ揚げと合わないわけがない。
事情を知らない人に食べさせるコーナー
さて、このたび私は最初からこれがキャラメルコーン味のピーナッツ揚げだとわかって食べた。
もし、なんだか分からない状態で食べたらどう思うんだろう。
橋田さんは、見ただけですぐにこれがピーナッツ揚げをベースにしたお菓子ということは理解していた。食べて、最初はメープルシロップ味のピーナツ揚げだと思ったとのこと。
樹液を濃縮するメープルシロップと、砂糖や牛乳を煮詰めたキャラメルシロップは違う食べ物だけど、言われてみれば味も風味もちょっと似ている。
どうも、シロップとして煮詰めて作る過程で起こるメイラード反応で同じような香りになるらしい。
いっぽうの安藤さんは、食べてもいっさいピンと来ず「そういう味のお菓子」としか思わなかったようだ。
聞けば、普段からピーナッツ揚げもキャラメルコーンもそんなになじみがないという。そりゃ仕方がない。
私はピーナッツ揚げもキャラメルコーンも大好きだから「ピーナッツ揚げのキャラメルコーン味……!?!? なにそれ、すごいお菓子があるじゃん!」と興奮したわけだけど、どっちも知らなければポカンだろう。
つまりこれは、私が嬉しいお菓子だったのだ。
販売に対し感謝の気持ちで食べ終えることができた。思いもよらず、圧倒的ハッピーエンドの気持ちで帰って寝たのだった
ちなみに橋田さんはピーナッツ揚げが好きで、でも最近スーパーで見かけなくなったからもう世界から消えてしまったのかと思っていたらしい。久しぶりに見たと、再会を喜んでいた。橋田さん、大丈夫。イオンにあるよ。