短い記事
2021年6月23日

人間は「とんかつ」の2大構成要素を「とん」と「かつ」、つまり、「豚肉」と「衣」であると考えがちです。
が、とんかつ屋さんのテーブルの上を思い出してください。そこには、衣に包まれた豚肉の他に、千切りキャベツ、ソース、白米などなどがある。それらが束になってかかったとき、たとえ「衣」の1要素が抜け落ちたとて、まだまだけっこうとんかつであることに気がつきました。
1978年東京生まれ。酒場ライター。著書に『酒場っ子』『つつまし酒』『天国酒場』など。ライター・スズキナオとのユニット「酒の穴」としても活動中。
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つまりこういうことです

僕の大好きな、脂身多めのこま切れ肉。
ここにふだん、どんな味つけをしますか? 僕は最後にめんつゆかだし醤油をさっと絡めるのが好き。もちろん、しょうが焼きにしたり、中華風炒めにしたり、ポン酢であっさりが好きなんて方もいるでしょう。
けれどもこの豚肉に、そのままソースをかけて食べるのが好きという人は、そんなに多くないんじゃないでしょうか? 多かったらすみません。
つまり、




ソースの注ぎ口が大きかったのでちょっと勢いがつきすぎましたが、下のキャベツにも絡めて食べるのでちょうどいいでしょう。
さぁ、だまされたと思ってこれを食べてみてください!
豚肉とキャベツを口いっぱいにほおばり、肉とソースの味をたっぷりと感じたところで、白米をもぐもぐ。続いて熱いみそ汁をズズズ。

……ほら、けっこうとんかつでしょ?
ってまぁ、写真だけでは伝わりきらないと思うんですが、この食べかた、本当に想像以上にとんかつ気分に浸れるんです。なにしろ、味が純粋に美味しい!
構成要素が衣を抜いたとんかつ定食であるからなのはもちろん、ふだんあまり豚肉にソースをかけて食べる習慣がないからこそ、「この組み合わせ、知っている! とんかつだ!」と脳が錯覚しやすいんだと思います。
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