分割キーボードは左右の手のキーが物理的に別れたキーボードだ。
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こういう普通のキーボードを2つに分けた感じのものから、
こういう尖ったデザインのものまで、いろいろある。
両腕を開いたままタイピングできるので、背中が丸まらないことで肩こり予防になるらしい。
正直、もともと肩は凝らない方なのだが……欲しい。なぜなら、かっこいいから。
しかしこの分割キーボードというもの、ちょっと値が張るのだ。自作して安く済ませられないだろうか。
幸い、この界隈は自作が盛んなようだ。あらかじめ2枚に別れた基板を自分好みに設計、自分好みのキースイッチを使い、自分好みのキーボードを作る人も多い。
ヨッシャ俺もいっちょやってやろうかという話である。
分割とは真っ二つにすること
中国の通販で、安いキーボードを買った。
くわえてもう一つ、重要な部品を用意した。
ここでみなさん「分割キーボード」という名称に立ち返ってほしい。
分割とは何だろうか。2つに割ることである。
ということは、自作するとか言ってあらかじめ2枚に別れた基板を設計するのは邪道ではないだろうか。
本当の自作分割キーボードとは、こうあるべきなのである。
使っているのはピラニアソーという多用途のこぎり。
包丁みたいな形だが、さすがに包丁でキーボードを切るのは無理だろう。その点、このノコギリは包丁サイズなのにいろいろ切れるのでおすすめの逸品だ。
切りやすさのために、真ん中のキーはいったん外してある。
いろんな素材が組み合わさった電子基板をのこぎりで切ると、木を切る時とは違う、独特のカリカリとした感触があって面白い。
かくして、拙宅に「分割」キーボードがやってきたのである。
さっそくパソコンにつないでみよう。
左手半分はド派手なゲーミング、右半分はシックなビジネスキーボードというあまり見たことのない仕様になった。果たして分割キーボードとして実用できるのか、さっそく打ってみよう!
いろいろ打ってみたものの、他の入力はすべて無視され、画面にはひたすら「あ」だけが表示されていくのであった……。
蘇生術
辛抱強く読んでくれたみなさん、ありがとう。ここまでは茶番だ。
キーボードを半分に切っても、動くはずがないのである。なぜなら、基板が断線しているから……。
だったら、
切れて動かないならまた繋げばいいのだ。
というわけで、ただ真っ二つにしただけのキーボードを本当の分割キーボードにするための、長い長い旅が始まります。
やってみてわかったのだが、基板の配線はあまりに細かい。ハンダづけすると隣の配線まで一緒にくっついてしまうし、そもそも配線箇所が細すぎてはんだがぜんぜん乗らない。
おまけに作業が進めば進むほど、周囲に別の配線が増えて入り組んできて、より配線が難しくなる始末。
こんな繊細な作業を何本やればいいかというと、その数…
50本である。
50本といっても、1本あたり3回くらいのやり直しを余儀なくされるので実質200本である。
当然一日で終わる作業ではない。来る日も来る日も目をショボショボにしながら可処分時間の全てをはんだ付けにつぎ込む日々が続いた。
圧倒的毛量のキーボードが完成した。
普通の分割キーボードは左から、①左キーボード、②右キーボードの2ピース構成だが、これは①左キーボード、②毛玉、③右キーボードの3ピース構成である。
電子機器に毛玉パーツがあるの、見ようによってはかわいい気もする。(生産者ならではの圧倒的ポジティブ解釈)
とはいえ見た目など些細な問題であって、大事なのはちゃんと文字が打てるかどうかだ。
ふたたびタイピングしてみよう。
緊張の瞬間…
えっと、なんか、ダメでした…
打てはする。「あ」しか出ない初期バージョンに比べると圧倒的に打てるのだが、それでも一部の文字が出なかったり、ひとつのキーで2つの文字が出てしまったりする。きっと線がちゃんと繋がっていなかったり、よけいなところに繋がったりして、細かいところで誤動作が起きているのだろう。
まあね、ちゃんと動かないなら、どこがおかしいか調べたらいいんですよ。
……50本、調べるのか~!!!!




