地獄の配線チェック
断線部分はすぐに特定できる。つながっているべきAとA’にテスターを当てるだけだから。
問題は、はんだづけが混み合いすぎて意図せず繋がってしまっているところ。Aと、その付近にあるB’、C’、D’、E’、F’…を順番に調べ、加えて逆方向、A’とB、C、D、E、F…も調べていき、意図せぬ接続箇所を探していく必要がある。
…このへんあんまり細かく説明してもなにも愉快な話ではないのだが、どうか数行程度の大変アピールは許してほしい。完成までに20日かかったから!!
というわけで、ひととおりのチェック&修理が終わり……
な、直った!!!!!!!! !!!!!!
最後の仕上げ
あまりの達成感につい打ち上げまで行ってしまったが、まだ配線が終わっただけである。仕上げの作業が残っていた。
できた。
長かった……。
ここまでの作業の様子が走馬灯のようによみがえるが、脳裏に映る光景はどれも全部ハンダづけをしている。スライドショーになってなくてほぼ静止画だ。
いや本当に長かった。できたキーボードを実際に使ってみよう。
いやー、いいですね!パソコンで作業しているのに背筋がスッと伸びる感じがする。フィジカルには本当に快適。
……なのだが、同時に「配線が繊細すぎてちょっとでも力がかかったら断線する」「しかもその修理には多大な時間がかかる」「またあの配線チェックに逆戻り」という、圧倒的心理的ストレスがある。普段づかいには重すぎる…!
というわけで、憧れの自作キーボードを自作することには成功したが、断線しないように恐る恐る箱に入れ、部屋の押し入れにしまう結末となった。
結果的に労働環境の改善につながらなかったのは残念。しかし、完成した瞬間の達成感は何ごとにも代えがたい、年に1回あるかないかレベルの高揚感であった。
毎日同じことの繰り返しで生活に張り合いがないという方は、キーボードを切って配線し直してみてはいかがだろうか。単純に分割キーボードが欲しい人にはお勧めしません。
おまけ:なぜキーボードを真っ二つにしても「あ」だけ打てるのか
おまけコーナー。最初にキーボードを真っ二つにしたとき、「あ」しか打てなくなった。
これ、ちょっと不思議じゃないだろうか。
PCにつながっているのは左半分だけだから、右半分のキーが押せないというならわかる。あるいは、壊れて全部押せないというのもわかる。でも「あ」だけ押せるのはなんか変じゃない?という話。
これにはもちろん理由がある。
キーボードってどういう仕組みかというと、中にマイコンがあって、そこから全部のキーに線がつながっている。
それによって、押されたキーをマイコンが認識して、PCに伝えることができるのだ。
あくまで今回使ったキーボードの例だけど、ざっくり上のような感じで基板上に配線されていた。で、これを真ん中で真っ二つにするとどうなるか。
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マイコンのすぐ右側で切られているために、右方向に伸びてる線は全部切られてしまった!
かろうじて生き残った左向きの線だけは動作しているので、Aは押せて「あ」が出たというわけ。
Z、Qあたりはたまたまそのとき打たなかっただけで使えていたのだろうし、Aに近くてもSやZは打てなかったわけだ。
わかってみれば、わりとシンプルな話だと思う。
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「あ」しか打てなかった件のより詳しい解説記事もあります。あわせてどうぞ。

