特集 2023年11月30日

暗器!弾が発射できるホウキを作った

唐突で恐縮だが、弾が発射できる仕込み箒を作った。

ホウキとしての機能もちゃんと残しているので、町のゴミを掃除しながら悪人の始末もできちゃう優れものだ。

父さん母さん、ぼくはこの竹ぼうき砲を手に暗殺者になるよ。コードネームはもちろん「掃除屋」だぜ?
 

1993年生まれ。京都市伏見区出身、宮崎県在住。天性の分からず屋で分かられず屋。ボードゲームと坂口安吾をこよなく愛している。

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まずは映像をご覧ください

その竹ぼうき砲がいかなるものか、まずは動画を見てほしい。画面左下のスプレー缶が哀れな子羊(ターゲット)である。

掃除から一転!スムーズな暗殺への移行

早業!何が起きたのか解説しよう。

普通に掃除をしている様子だが
ホウキを振った勢いで、突如として射撃体勢をとる
発射!次の瞬間には標的をかすめる弾
任務完了。"掃除"のご依頼は当サイト編集部まで。

周囲に悟られず悪に天誅を下すことのできる夢のアイテムである。もう天誅で一生メシが食えちゃうかもしれない。これは決まりだ。脱サラだ。いろんな意味でFIREだ。

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祖父が作ってくれた「竹鉄砲」

竹ぼうき砲には元ネタとなる玩具があり、その名を竹鉄砲という。祖父は「弾き鉄砲」と呼んでいたが、竹鉄砲という名称が一般的なようだ。

これが竹鉄砲

竹鉄砲は竹のバネを活かして石や木の実などの弾を発射できる昔ながらのおもちゃである。 

バラすとこう。2つのパーツからなる簡単なつくり
筒の先端から弾を入れて
バネを引いて手を離すと、竹が元に戻るときの力で弾が発射される仕組み

実際に動かすと次の動画のようになる。 

弾は筒に入ればなんでもいい

はえ~~~、すごい。

竹鉄砲って有名なものなのだろうか。少なくとも僕は実物を目にするまで存在を知らなかった。というのも、祖父が手作りしたものを唐突に渡してくれたのだ。

そういえば少し前、おじいちゃんに「なんかネタになるようなものないかなあ」とぽつり相談したのだった。

そんな孫のために忙しい合間を縫ってこしらえてくれたのである。じ、じいちゃん……涙。

静かにうれしい
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竹鉄砲にはめっぽう心を掴まれた。

そこらに落ちているどんぐりを拾い集めてパンパン飛ばして遊んでいたら(1時間とかやってた)、その様子を傍から見ていたおじいちゃんが本格的な弾を作ってくれた。

本格的な弾だ!夢中で遊んでいるのでなにしろ手が汚い
もう植物の種を飛ばさなくていいんだね(これはオジギソウの種)

これまではそれぞれ形が違う木の実や石を飛ばしていたので、弾道が安定しなかったのだ。この弾ならやればやるほど射撃の技術が向上するぞ。

ありがとう…

そんなこんなでおニューの弾をパンパン飛ばして遊んでいたところ、天から啓示が降りてきた。

『この竹鉄砲、竹ぼうきでも作れるんじゃない?』

「掃除屋」誕生の瞬間である。 

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竹ぼうきを改造しよう

近所のホームセンターで竹ぼうきを買ってきた。筒が太いほうが加工しやすいだろうと思って選んだものがなんと1,200円。回転寿司なら腹いっぱい食える(おれは)。

いちばんいい箒だぞ
並べてみた。いけそうな気がしてきた。

ノコギリ、ノミ、インパクトドライバー。ふだん馴染みのない道具で工作に奮闘する予定だったが、そうは問屋が卸さなかった。

自分で工具を手に取る暇もなく、じいちゃんが「カズくん(筆者)は危ないから」と言ってすべての作業をテキパキと終わらせてしまったのだ。

筆者30歳、祖父80歳。これでいいのか、日本。

まずは木槌と杭のようなもので先端に穴を開ける
このとおり!

祖父はもともと左官職人だったこともあり、すべての仕事が正確かつ速い。写真を撮る間もなくて困る。 

ノコギリで切り込みをいれて
ノミでポコンと叩けば
なんでか、きれいにくり抜ける

じいちゃんすごいな。 

別の青竹をナタで小さく切り落とし
それぞれを組み合わせたら完成!

以上が竹ぼうき砲の作成方法である。

しれっと別の竹が必要だったりするのがネックだが、田舎に住めばご近所さんが竹林くらい持ってるからどうにでもなるぞ。

ノコギリを持ったまま山の中に消えていった

労力ゼロで目当ての道具が手に入ってとても嬉しい。もうじいちゃんが記事を書けばいいのかもしれない。

⏩ この竹ぼうき砲で「仕事」をしよう

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