結局練習は記憶である
僕クラシックギターを習ってるんですけど、楽器って練習するじゃないですか。練習するとうまくなるじゃないですか。
なんで練習するとうまくなるのか、ちょっと考えてみたら意味わからない。
その仕組みを知るために、この本がいいって聞いたんで買いました。
結局あらゆるものが上達するっていうことには法則があって、その法則にのっとってやればなんでも上達すると書いてあります。
例えば一芸に秀でている人は上達する方法を知ってるから、他のことも割と上達しやすい。
その上達の方法が具体的に書いてある本です。
3つのトピックがあって。
初心者から中級者になるため、中級者から上級者になるため、スランプって何、という内容。
一番面白かったのは初心者が中級者に行くための方法なんですけど、この人は社会心理学者なので具体的に書いてあるんですよ。
僕が思ってた「練習って何なのか」っていうのは、結局練習は記憶である、と書いてあります。覚える作業。
だからギターのアルペジオをやるのも、アルペジオの指の動かし方とか使い方を覚えていく作業である、と。その覚えていく作業が上達するってことなんですよね
短期記憶(ワーキングメモリー)と長期記憶ってありますけど、ワーキングメモリーっていうのはごく数秒しか残らないらしいです。それを長期記憶に移すと記憶として定着するんですけど、その長期記憶が忘れるタイミングがあって、それが24時間後、72時間後、7日後なんです。
段階的にガクガクって忘れるらしくて、そのガクを迎えないために復習をしなきゃいけない。
復習を効率よくやるには週に2回練習するか、週に5回練習するとかがいらしいんですよ。毎日じゃなくて。
べつやく:落ちるタイミングのときに
そう。なので2回と3回って実はあんまり違いがなくて、2回か5回らしいです。
っていうようなことが書いてあって。
楽器の練習とかしてて今日できないなっていう日が週に2回くらいあっても、5回やってるからいいやとか、今週は4回しかできないなって思ったらちょっと頑張って5回やろうとか
そういう気持ちになって練習のメンタルがコントロールできる。
ただ今週2回やったから、3回目意味ないからいいかなっていう気持ちにもなる。笑
あとはなんで上手い人が上手いかっていうと、ワーキングメモリーに入る情報の量が決まってるらしくて。
その情報の単位を「チャンク」って表現をしてるんですけど、人は7から9チャンク入るらしいんですよ。上手い人も同じ7から9チャンク。
なんですけど、上手い人は1個のチャンクの中に入る情報量が増えるらしいんですよ。
簡単な例で言うと、ギターを押さえるときにこことここと…と指4本使うともうそれで4チャンクになっちゃうんですけど、コードで覚えてCのコードを押さえると捉えると1チャンクでいけるんですよね。もっと慣れてくると、ここからここまでのコード進行っていうので1チャンクに入れられる。
記憶が「コード化」されるっていう表現をしているんですけど、そのコード化することによってチャンクあたりの情報量が増えるから情報を処理しやすい。
…今たまたま音楽のコード進行の例を出しちゃったので紛らわしいですけどそのコードじゃなくて、脳の機能として「コード化」っていう機能があって、情報を圧縮して扱いやすくしてくれるということですね。
それを重ねていくとうまくなるんだっていうのが上達であると書いてある。
スランプの話も細かくて、こういう状況のときはこういうことが起きてるからこんな対応をするといいみたいなのが、ケースバイケースで4つぐらいのケースに分けて書いてある。
何かを練習している人がこの本を読むと勇気が出るというか、自分が何をしているのか理解できる。
自分の体に何が起きているのか分かっていろんなことに適用できますよという本です。
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