最もパンにしやすいブラックレターの文字は「L」

もう一回やろう

味がおいしくて満足しそうになったが、造形をもう少しどうにかしたい。

翌日、もう一度やってみることにした。簡単にできる粉だから転んでもすぐに立ち上がれる。良かった。

今回は事前に原寸大のブラックレターを用意した。 

作るのはDEATH NOTEでよく見た「L」に決めた。馴染みがあるし、よく見ると全アルファベットの中で一番作りやすそうだ。律儀にAから作る必要なんてないのだ。

そして、今回は用意したパン生地全てを使って一文字を作る。前回の大きさだと細かい造形が全部丸になってしまうので。

そしてこねた生地を伸ばして並べて20分ほど。Lができた。 

予想通り、ニョロっとした形が多くてパン生地で作りやすかった。ブラックレターのLって、すごくパンにしやすい。他のどの文字を見てもこうはいかないだろうなと思う。

そう、最もパンにしやすいブラックレターの文字はL、最もパンにしやすいブラックレターの文字はLだったのだ。

 世界の真理にまた一つ近づき、踊る足取りでオーブンを余熱。そわそわしながら待って15分焼いた。

オーブンから取り出し、また声を出して笑った。焼きたての変な形のパンには力がある。

ところどころ想定以上に膨らんでしまったが、これこそがパンにしたことによるかわいげである。 

ミリ単位で威厳を残しつつ全体はふかふかのパン、というとても良いものができた。