特集 2019年5月15日

うちのゴミ箱をブラックホールにした

薄目で見ればよりブラックホールなはずだ。

今年の4月、ものすごいものが撮影された。ブラックホールである。理論上とか観測上の話でなく、実際のそのお姿が人類初の直接撮影で捉えられたのである。

ほう、これがブラックホール…解像度もあってか、これが近づく全てを暗黒の世界に引きずり込む穴とは、とても見えない。ぼやっとした光の輪があるのみである。だが、立体化したらどうだろう。

ちょうどアレに転化できる気がしたので、今だとばかりにやってみた。すごくゴミを吸い込む「ブラックホールゴミ箱」の誕生の瞬間を捉えた。

1970年群馬県生まれ。工作をしがちなため、各種素材や工具や作品で家が手狭になってきた。一生手狭なんだろう。出したものを片付けないからでもある。性格も雑だ。もう一生こうなんだろう。(動画インタビュー)

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ブラックホール生成の手順

まずは大元となる、国際研究チーム「イベントホライズンテレスコープ」により撮影されたブラックホールを見ていただこう。

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これが、M87中心部の超大質量ブラックホールだという。(イベントホライズンテレスコープ - https://www.eso.org/public/images/eso1907a/)

「リングの直径は約1000億km、質量は太陽の約65億倍と推定されている」(Wikipediaより)、ってもうわかんねえなこれ。

多くの皆さんが「ほう、これが…」と見つめたおなじみのこの画像を、恐れ多くもゴミ箱にしてしまいますぞ。

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はい、うちでまさに今使っている、TUBELORのゴミ箱。

この開口部、いかにもブラックホールにぴったりである。

2重構造になっており、レジ袋などはめ込んでもそれが外に見えることなくオシャレにお部屋にマッチする。これもまた恐れ多くも、染めQで真っ黒に塗らせていただきますぞ。

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下処理として、つるつるの外面にまずは定着剤を吹き付ける。
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次に黒の染めQでとにかく暗黒に。

で、このままだと開口部が大きすぎるのと、内部が丸見えで暗黒感が出ないと思われるので、ほら、「箱の中身はなんだろな」みたいに、穴にゴム板を貼り付けることにする。

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薄いゴム板を丸く切って、中心に8等分で切り込みを入れる。
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それを外箱の口に、裏から貼り付ける。
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接着剤が乾くまで、浮かないようにお皿で重石をする、そんなブラックホール。
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改めて黒を吹き付け、より暗黒に一体化させる。

ベースができたので、この開口部に黄色、オレンジあたりでまたスプレーを…と思ったが、失敗すると面倒な気がする。なので、スプレーでなくアクリル絵具を、スポンジでポンポンと置いていくことにした。

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赤、オレンジ、黄色などでとにかくポンポンと。

どこまでやればブラックホールっぽいのか…ポンポンしていくほどによくわからなくなるが、まぁもとの写真もいい加減ボンヤリしているので(多方面に超失礼)これで出来上がりとした。

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シュヴァルツシルト半径(中央の黒い部分?)が多少大きくなってしまった。ブラックホールというより、イキった若者の部屋にありそうなグッズとなった。

ちなみにシュヴァルツシルト半径とは、脱出可能速度が光速を超えてしまうため光さえ出てこれない領域の半径をいう。

このゴミ箱も、ゴム板をつけることによって、ゴミが中から出てこれないわけである。よし、破綻してないな。

さあ、できあがったのはいいが、単に飾っておいてもアレなので、デイリーポータルZ編集部に自慢しに行くことにした。ブラックホールを大きい袋に入れて、ぶつけないように電車に乗る。

黒穴様信仰が生まれる

会議室に通されたので、床に置いてみる。

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お、このイキった学生の部屋にありそうなものは、なにかな?
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「ブラックホール!あーあれ!」(初見の瞬間を撮り忘れたので若干わざとらしくなっています)

ここでね。宇宙船とか放り込んでみる、ということもまずやるんですが、他にもね。

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宇宙船とUFOも作ってきた。そして手前のスーパーボールであるが。

このスーパーボールを主系列星、赤色巨星、白色矮星(まあつまり全部星ですな)に見立てて、これらが吸い込まれる様子を観測したいのである。

で、どうせならこのボールに「自分の要らないもの」など書いて放り込んで、厄を落とそうという魂胆である。

「天文つながりで『逆七夕』というわけですね。」

担当石川さん今いいこと言った。採用。では早速、要らないものを書いていきましょう。

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しかし意外とこれが、思いつかない。

欲しいものや達成したいことなら思いつくが、要らないものとなると意外と考えが止まってしまう。というより、「要らない」というマイナスのベクトルが作用し、そのものへのディスりにつながってしまい、これはよろしくない。

考えあぐねた挙句、それぞれが見出した「要らないもの」がコレだ!

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乙幡:「更年期障害はまだ襲ってきてないけど、予防ってことで」
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乙幡:「体重もどっか暗黒空間に転送したいですね」
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石川:「じゃ僕はこれで…」一斉に同意を得る、皆さんそんなお年頃。

ええい、願いとしては無病息災の裏返しとはいえ、体の衰えのことばっかりだ。他にはないか。

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石川:「夜更かし」…私はこれがないと生きていけない気がする。
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古賀:「ねたみ」お、正解ってこういうことじゃない?

「もっと『あるある』ネタで攻めるといいんですかね〜」と古賀さん。背後にブラックホールが迫っている最中のナイスな方向転換。

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古賀:長すぎて書ききれないが「多すぎる規格」ほら、SDカードとか◯◯ペイとか…
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石川:これも書ききれてないが「普通のコーラしかない自販機」。石川さんのプチ闇を垣間見たような見てないような。
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乙幡:「しかしあの『豆腐のフタ』ってのはまともに開かないもんかね」
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古賀:とうとう絵で「靴下がばらけないようにという金属のクリップ」あー、確かにー。

我々が視ることのできる宇宙は、直径約930億光年といわれる。よくぞ、その中の小さな星・地球からそこまで観測できるものだと感心する。

いっぽう、その小さな星ではこれまた小さな不満が渦巻いているのである。「最小と最大の単位は同じ」とかわけわからんことの一つも言いたくなる。

ではこれらの願いを叶えましょう、叶えましょうー。

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どうぞどうぞ、こちらが皆様の要らないものを吸い込んでくれるありがたい穴ですよ。
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直訳。
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まずは宇宙船などをほかしてみまひょ。
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何をこんなに興奮することがあろうか。
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宇宙船が事象の地平面に吸い込まれる様子を初めて捉えた!
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次はどっかのUFOが!
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UFO、詰まる。
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UFOの詰まりも、事象の地平面に手を突っ込んで解消!

次は善男善女の厄落とし(星落とし)の儀である。

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星が弾んじゃってなかなか入らない石川さんであったが。
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数個まとめて投げたらいっぺんに吸い込まれました、おめでとうございます!

「老眼」「夜更かし」「普通のコーラしかない自販機」は今年石川さんの前から消滅することと思います。

お次は古賀さん、「ねたみ」「靴下とめる金具」「多すぎる規格」など消し飛ばせるか?

 

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かわいいのでGIFも貼っとこう。

最後は私、「更年期障害」を避けて通ることはできるのか否か。

 

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黒穴様によると「開きづらい豆腐パックのフタ」だけには今後出遭わないようである!

いろいろなものを吸い込ませてみたがどうか。ブラックホールって、そういうもんじゃないってか。

逆七夕、これから定着させたいものである。まずは来年のWebメディアびっくりセールに展示して皆様の厄を払えればと存じます。


まとめと告知

今後うちのゴミ箱はずっとこのイキったファイヤーデザインみたいなブラックホール仕様である、と思うと天文ファンとしては胸熱である。今後も詳細なブラックホールの姿に関する報告を待ちたい。そしたらまた作るから。

【告知】

6月30日、私と同じく妄想的制作活動をしているあの「たいがー・りー」さんとの対バンイベントを阿佐ヶ谷ロフトでやることになりました。私も片思い系の工作を作るぞ!

妄想メイカーズ おつはたいがー
OPEN 11:30 / START 12:30
前売¥2,000 / 当日¥2,500(共に飲食代別/要1オーダー¥500必要)

 

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