特集 2023年4月15日

「その服どこで買ったの?」「道端で拾ったの」~ベルリンの暮らしとドイツのごはん

ジャーマンポテトって本当にジャーマン?

石川:ジャーマンポテトってドイツにもあるんですか?

ほりべ:どんなものでしたっけ?

石川:皮付きの芋をくし切りにして、ベーコンと炒めたやつです。

ほりべ:それなら、Bratkartoffelっていう残り物で作る料理があります。茹でた芋が余ったときに、次の日に芋をスライスして、フライパンでこんがりするまで焼く。ベーコンは普通は入れないけど、入れてる人もいるんじゃないでしょうか。おいしそうだし。

石川:スタンダードな形としては芋だけ?

ほりべ:芋だけですね。レストランで肉料理の付け合わせに出てきたりもします。
シュニッツェルっていう、ハンマーで薄くした肉に衣をつけて揚げるカツみたいな料理があって、以前注文したら、付け合せはポテトサラダとBratkartoffelをどっちにしますかって聞かれました。

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「Bratkartoffel」のGoogle検索結果。確かにジャーマンポテトだ!

石川:北海道のいももち的なポジションかっていうコメント(※)がきてますよ。北海道では余ったいもをいももちにするんですって。
※この対談はYoutube配信の文字起こしです

ほりべ:あ、ドイツにもそういうのあります。芋団子みたいな。

石川:ドイツ版いももちが。

ほりべ:あります。もちみたいに平たくはしなくて、球状にして茹でます。
あと似たのでパン団子っていうのもあって、古いパンをたくさん集めて、小さく切って牛乳に浸すんです。パンがぐちょぐちょの状態になったところで、成形して茹でる。あまりおいしそうに聞こえないけどけっこうおいしいです。

石川:おかゆみたいな感じ?

ほりべ:いえ、茹でるとちゃんと硬い団子になります。

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これがパン団子。「Bayerische Semmelknödel」のGoogle検索結果より

石川:残り物を有効活用する意識が高いですね。

ほりべ:ドイツ人の夫がパン団子が好きで、クリスマスシーズンにパン団子を作って、シチューに付けながら食べるのが恒例なんです。

石川:素敵ですね。

ほりべ:でもパン団子シーズンが近づくと彼らの頭の中がパン団子一色になってくるんです。パン団子用の古いパンを集める袋を買ってきて、その中にどんどん余ったパンを入れていって。あまり素敵じゃないんです。

石川:あはは、そのために余らせてる感じですよね。

ほりべ:ありますね。あとはパン屋さんでちょっと古いのくださいって言ったら安くもらえる。いろんな方向で古いパンを集めて。

石川:たのしそう。クリスマスのお楽しみって感じがしますよ。

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ウィンナーを割れるまで焼いてはいけない!

石川:ドイツといえばソーセージのイメージがやっぱりあるじゃないですか。実際よく食べます?

ほりべ:私はすごく好きです。毎日でも食べれるぐらい。

石川:どうやって食べるんですか?

ほりべ:ウインナーソーセージの場合、皮が破裂するのは良くないらしくて、温かいお湯で温めるだけなんですって。

石川:えっ、そうなんだ!グラグラ茹でたりはしないんですね。

ほりべ:そうですね。肉汁が出るからかな。お湯で温めて、保温みたいな感じで。

石川:僕はウインナーを焼いて、パキって割れて脂が出てるぐらいが美味しそうだと思うんですけど、あれダメなんですね。

ほりべ:私もけっこうびっくりしました。でもウィンナー以外のソーセージは焼くためのものも多いですね。南の方に行くとまた、白いソーセージとかまた全然私の知らない文化があるんです。
種類が多くて、イベントごとでもとりあえずソーセージ出しとけみたいな感じですね。どこに行ってなにか催し物があると、必ず誰かがどこかでソーセージを焼いている。

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ベルリン名物「カリーヴルスト」 (ソーセージにケチャップとカレー粉をかけたもの)の行列。(「「温かい食べ物」に執着がない? ベルリンのふつうのくらし・ごはん編」より)

⏩ ベルリンは湖の街

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