町は裏で溢れている
これまでそういう目で見たことがなかったのだが、いざ歩いてみると町は裏で溢れていた。裏通り、裏山、体育館裏。どれも裏が付くだけでずいぶんとイメージが変わる。
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ここは家具屋の裏。いらなくなった家具が無造作に積まれている。さながら家具の墓場といった感じだ。
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高級感漂う店舗を構えるブランドショップも、一歩裏へまわると洗濯物が干してあったりする。洗濯物はブランド物のタオルと店員さんがバッグとか触るときにうやうやしくはめるあの白手袋。裏は全てを語る。
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裏の基準は洗濯機
大手のスーパーや映画館、焼肉屋さんや病院など、手当たり次第に裏口を探してうろついた。どこもかしこも表玄関の華やかさから比べ、その裏の地味さには目を見張るものがある。そしていくつもの裏を見ていくうちに、どこにもだいたい洗濯機が設置されているという共通点も明らかになってきた。洗濯機が置けるか否か、これが裏を裏たらしめる一つの基準と言えるのかもしれない。
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怪しいものではありません
それにしても建物の裏にまわって写真を撮り歩くというのは、かなりなんというか危険な感じがする。泥棒が入る家を下調べしているみたいなのだ。周りに人がいる時には野良猫を追うふりをしながら写真を撮っていた。だけど通報されたらかなりまじめにやばかったと思う。だってデジカメのメモリはひとんちの裏でいっぱいなのだから。いやダジャレのための撮影なんです、なんていう言い訳は通用しないだろう。
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裏に魅せられた筆者がさらなる裏を求め続けるこの企画。次は少し例外的なケースを紹介します。