目を細めればそこは京都
わざわざ遠くの山まで出かけなくても、メガネを外せばもみじ狩りができるなんて、視力の悪い人だけが得られる贅沢である。
すでにレーシックしちゃった人は度の強い老眼鏡とかをかけてみると仲間に入れるかもしれません。
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紅葉の時期を迎えて、町があざやかに色づいている。
しかし僕は目が悪いので、結構何を見ても紅葉に見えるのだ。
※2010年11月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。
今年も紅葉の季節がやってきた。もみじやイチョウが町を鮮やかに彩る。
しかし僕は目が悪いので(だいたい両目合わせて0.2とか)裸眼で見るとせっかくの紅葉もこんな具合なのだ。
ぼんやりした黄色。なんかきれいな色があるなー、程度。
赤だってご覧の通り。
メガネを忘れた僕の前にはこのくらいぼんやりした世界が広がっている。ガラスのドアとか平気で顔から突っ込んでいくぜ。
最近はレーシックという手術で見えるようになるらしいのだけれど、僕にはそんな勇気がない。
近視の目で見る紅葉はそれはそれで幻想的なのだが、ならば別に木でなくてもいいんじゃないかとも思うんだ。
例えばこちら。目の良い人はまずポストと思うだろう。しかし僕は裸眼だとこれも紅葉に見える。
どうだろう。写真ではニュアンスまで再現できているのかわからないのが悔しいのだけれど、本人には本当に紅葉に見えているのだ。
下の写真はイチョウの木が動いているぞ、と思ったらおじいさんだった。
というわけで今日はメガネを外して町を歩いて、より紅葉っぽく見えるものを探したいと思う。完全に紅葉に見える場所が身近に見つかれば、もうその人生は勝じゃないかとすら思う。
ほんとにそうなのか、いろいろ考えながらやってきたのはおなじみのこちら。
紅葉というからには赤がいいだろう。しかも大きい方が迫力があってうれしい。赤くてでかいもの、というキーワードで、まず初めに思い当たったのがここ。おなじみ元祖東京タワーだ。
最近でこそスカイツリーに人気をうばわれてしまったが、赤いという特徴を生かしてこれからは僕の心の紅葉になってもらいたい。
目が悪くてもわかるくらいにかっこいい。だけど紅葉としては微妙だ。形が特徴的すぎてまったく木に見えないのだ。
むしろ帰りに寄った増上寺の門の方がもみじの紅葉に見えた。
メガネを外して歩いてみると、意外と街中には赤と黄色の紅葉色を使った看板やビルが多いことがわかる。
こちらは完全にイチョウともみじがそろい踏みしているように見えたのだが、実際は餃子屋さんだった。
ドーナツ屋さんも良い色をしている。落ち着いた赤は目にもやさしい。
飲食店、特に居酒屋に関しては赤を使ったお店が圧倒的に多かった。やはり暖色系の色は気持ちを落ち着かせるのだろうか。見ていても優しい気分になる。
そもそももみじ狩りって実際にもみじを狩るわけじゃないじゃなく目で見て楽しむだけだろう。だったら僕がいまやっているのだって十分に紅葉狩りといえるんじゃないかと思うんだ。
ファーストフードチェーンで最も紅葉狩りっぽかったのはモスだった。
素人は赤と黄色のサインが目印のマクドナルドを推すところだと思うが、実際はそうではない。マクドナルドは東京タワーと同じで、目が悪くてもマクドナルドとわかってしまうのだ。それほどにあの看板は認知度が高い。
そのてんモスの緑と赤はこれから盛りを迎えようとしている若い野山のような趣がある。
携帯ショップに関しては予想通りauに分があった。
コンビニでいうとちょっと数は少ないが、NEWDAYSというJR東日本の駅に併設されているコンビニが圧倒的に紅葉っぽいのでおススメ。
あとセブンイレブンも良い線いっていたが、やはりぼやけていてもセブンだとわかってしまうのがいただけない。
最後に、東京近郊で近眼の方に限るが、僕の一押しの紅葉スポットをお教えしよう。それがこちら
有楽町駅を降りてすぐのビックカメラ。ここは屋根が見事な赤色をしており、しかもなだらかなスロープになっているのでまったくもって山なのだ。
特に夕暮れ時の視力が一番ついていかない時間帯に見ると熱燗が飲みたくなるくらいいい眺めである。
わざわざ遠くの山まで出かけなくても、メガネを外せばもみじ狩りができるなんて、視力の悪い人だけが得られる贅沢である。
すでにレーシックしちゃった人は度の強い老眼鏡とかをかけてみると仲間に入れるかもしれません。
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