広告企画 2019年3月27日

身の回りの物でかたまりを作ると楽しい ~新しい遊びを考える会~

あたらしい遊び、考案中。

サッカーや野球には明確なルールがあって、それにしたがってプレイすることで世界中の人と楽しむことができる。

遊びはどうだろう。

遊びだってスポーツと同じように、ルールさえ決めてしまえば誰とでも楽しめるんじゃないか。

自由な発想で、あたらしい遊びを作ってみました。

1975年愛知県生まれ。行く先々で「うちの会社にはいないタイプだよね」と言われるが、本人はそんなこともないと思っている。(動画インタビュー)

前の記事:入社してはじめてのプレゼンテーション!自信を持って乗り切るために必要なこと

> 個人サイト むかない安藤 Twitter

遊びは自由だ

子どもの頃、その場でルールを決めて自分なりの遊びを作り出していなかっただろうか。

たとえば「道路の白い線しか踏んじゃダメ」とか、「次の電柱まで息止めて行かなきゃダメ」とか、「決めた石を学校までなくさないように蹴って行く」とか。そのくらいの小さくて簡単なルールを決めることで日常はとつぜん遊びになった。

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影しか踏まずに駅まで歩く遊びは今でもたまにやっています。

いまASOBIZAというサイトで新しい「遊び」を募集している。

ASOBIZAはゲームの老舗バンダイナムコとTRINUSが運営するサイトで、投稿した遊びがみんなから評価されると、その遊びが実現に向けて動き出すかもしれないという仕組みを提供している。未来が来たことで、僕たちが子どもの頃にやっていたことに続きが生まれたのだ。

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といってもちょっと何をしたらいいのかわからないと思うので、まずは僕たちでやってみますね。

今回、新しい遊びを考えるためにグループを作った。その名も「アイデアマン」。名前に恥じないメンバーを招集した。

全員大人だが、あの頃の遊び方を今でも覚えていて、たまに思い出してやっていそうな人たちである。

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アイデアマン!

そしたらさすがアイデアマンである。グループ設立から数日のうちに、実にたくさんの遊びのアイデアが生まれた。

たとえばこんな感じだ。

「最強の動物(インディアン)ポーカー」という遊び。ライターのトルー(北村真一)からの提案。

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ここまで完璧に考えておいて「こういうことなんでしょうか」もない。そういうことです。

いろいろな動物を強さ順に並べて自分の持ち札がわからないようにして競う「最強の動物ポーカー」。強さ順が話し合いで決まるところがスポーツとは一線を画すところである。この柔軟性こそ「遊び」の良さといえる。

ルールを考える前にタイトルだけが思いついちゃったパターンもいくつかあった。

たとえばこちら

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虎になったら負け、山月記ゲーム。ただし内容は未定。

そういえば僕も子供の頃「シャガール展」という名前が気に入って自分で考案したプロレス技に「シャガール展」と命名したことがある。いいタイトルには単体でも引力がある。

というわけで「山月記ゲーム」オッケーである。ルールはあとから考えればいい。虎になったら負け、をルールに落とし込むのが難しそうではあるけれど。

さっき持ち札の強弱を話し合いで決めようと言っていたトルーからはまた平和な遊び案が提案された。

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腕相撲ならぬ腕話し合い。それは腕関係あるのだろうか。

あまり準備がいらず、身近にある物を使って始められるのも遊びの条件だと思う。

たとえばこちら、よく見るものの穴埋めクイズ。

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すぐに大喜利になるのもわれわれの特徴である。

これは面白そうだと思っていくつか家でもやってみたのだけれど、よく見るものでも穴埋めとなると意外と難しかった。僕たちが普段いかにぼんやりと生活しているかがわかる。こういう日常にぽっかり空いた「すき間」みたいな空間を、うまく見つけると遊びになるのだと思う。

この後も次々と新しい遊びが生まれていった。

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誰もとくに人の発言に反応しないのも居心地の良さ。

しばらくオンラインでたのしんだあと、みんなで都合を合わせて実際に会って思いついた遊びをやってみることにした。いわゆるオフ会というやつである。アイデアマンオフ会だ。

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アイデアマンたちが集まった。

こうしてあたらしい遊びを考えるアイデアマンオフ会がはじまった。

 

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ここであらためてアイデアマンたちを紹介しよう。

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奥から能登さん(ひざかけチャーハン)、與座さん(DPZ)、北向ハナウタさん(DPZ
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トルー(DPZ)、江ノ島茂道(DPZ)。そして編集部安藤が参加します。

それぞれアイデアを武器にいろいろな場所で活躍しているメンバーである。

とはいえ、いきなり何もないところから発想するのは難しいので、まずはASOBIZAの規定部門であるゲームのコンセプトをイメージした遊びを考えてみることにした。

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使えるゲームはこちら。パックマン、マッピー、塊魂などなど。タイトル見ただけで涙が出そうなほど往年の名作ぞろいである。

しかし集まってもらったアイデアマンたちの中にはパックマンを知らない世代もいておどろいた。

実を食べながらお化けに捕まらないよう進むゲームです、と説明したところ「どうしてですか」と言われた。今こういう実社会とリンクしていないゲームってないのかもしれないですね。

いっぽう、考えやすかったのが「塊魂」である。

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「塊魂をリアルにやってみるのはどうでしょう。」
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いいアイデアには江ノ島くんからお菓子がもらえるルールに。人生ゲームにおける「銀行家」の役だ。

「塊魂」について、能登さんとハナウタさんから具体的な遊びのアイデアが提案された。ASOBIZAにも投稿しておいたのでみなさんもやってみてほしい。

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ハナウタさん提案の「机上塊魂」。ルールのビジュアル制作もハナウタさん。器用さが出た。
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こちらは能登さん提案の「みんなもおうちで塊魂」。これはあとで実際にやってみたのだけれど、シンプルながら奥の深いゲームだった。

トルーからは「太鼓で身の回りのものを音として表現する達人」という遊びが発案された。タイトルでほぼルール言い切っちゃっている。

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「たとえばバーコードなんかを太鼓で表現して人に伝えます。トントントン、カッ!、トントトン。」

提案した遊びが面白そうだとみんなが動いてやってくれて、やる過程でルールが生まれる。そんないい循環が出来上がっている。

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與座「ペットボトル、という単語自体を太鼓で表せないですかね。「カッカトトン」みたいに。」
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「太鼓叩かなくても口で言ってもいいと思います。カッカトトン!(ペットボトル)」

人類が言葉を手に入れた瞬間に立ち会っているような気分である。

考えているのは遊びだけれど、遊びはつまりコミュニケーションの手段なので、これは社会とか文化の切れ端を作っているということなのだ。

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いい案を出したと自分で判断し、銀行家無視してお菓子を盗みに走るトルー。

太鼓の達人から派生して、與座さんからはこんな動きゲー(そんなジャンルあるのか知らないけど)のアイデアも。

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肩たたきの達人」Tシャツがかわいい。

さすがアイデアマンたちである。いったん頭が遊び開発モードに入ると、一つの遊びから次々と新しい遊びが派生していく。

粘菌が増え育ってていく様をカルチャー(culture)と呼ぶらしいが、次々と生まれるアイデアの畑はまさにカルチャーが生まれて育っていく過程を見ているみたいだった。

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トルー考案の「一瞬借りるねゲーム」。ちょっとした日常の動きをゲーム化している。
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江ノ島くん考案の「パックマン風鬼ごっこ」。食べながら逃げる、というパックマンのコンセプトが現実のものに。

ここで生まれたアイデアはASOBIZAにも投稿しておいたので見てもらいたい。どれも実際にやってみると面白いんじゃないかと思う遊びばかりである。

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1時間くらいでたくさんの遊びが生まれた。

思いついたらやってみよう

面白そうなやつは実際にやってみたくなるのは、かつて子どもだった頃の名残だろう。

今回考えた中から、能登さんの考えた「みんなもおうちで塊魂」を実際にプレイしてみることにした。

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材料を調達しに行ってきます。

 

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もう一度紹介すると、能登さんの考えた遊び「みんなもおうちで塊魂」のルールはこちら。

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身の回りのものを使って塊を作るという遊びですね。

遊びにおいてはルールはできるだけ簡単な方がいいと思う。その方が自由度が高くなるし、制約や覚えることが多いとそもそもやってみようという気にならない。

その点、この遊びは一瞬で全員が理解できたので、すぐに始めることができた。

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まずはみんなで買い物に行きます。

今回は外で集まっているので買い出しに出かけたが、家なら家の中にあるものでやってもいいと思う。

ただ、みんなで買い物に行くと、そこからすでに「遊び」がはじまっているような気がして面白かった。

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丸くないものを組み合わせて丸くするのって、やってみると難しいのだ。
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一緒に買い物に行くと相手の選ぶものを見て先読みしたり、けん制し合ったりして面白い。すでに勝負は始まっているのだ。
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ぜったい優勝できます、と言っていた人。
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人が買うものをこっそり見て作戦を変更する人。

楽しい買い出しが終わったら部屋に戻って調達してきたものを実際に組み合わせて塊にしていく。ルールによると、このときテープや接着剤は使ってはダメなことになっている。

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これだけ見るとまったく丸くなりそうな気がしない。

作業中、おにぎりで接着するのはルール違反ですか?という質問が上がったが、ご飯つぶも接着剤の一種とみなされNGということになった。やってみると思いもよらない質問が出てきたりするのも面白い。

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途中まで「いちばん塊魂っぽい!」と評判だったトルーの作る塊。このあと崩壊します。
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塊という意味をよく理解していないんじゃないかと思われる人。
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江ノ島くんはこの後ずっと袋を膨らませていました。

身の回りの物で塊を作る、たったこれだけのルールなのに、やってみるとすごく個性が出るのだ。完成図から考えて材料を買ってくる人、ただでかいものを買ってくる人、予想が甘くて組みあがらない人、などなど。

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最も計画的に事を進めていたのは北向ハナウタさんだった。

普段の記事でも器用さがにじみ出ているハナウタさんだが、なんといっても彼のすごいところは予算の中でハサミも買ってきたことだろう。ハサミはみんな使いたいが、みんな買い忘れるので、気前よく貸すことで気持ち的に優位に立てるのだ。

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ハサミを貸すことで現場を掌握したハナウタさん。

30分ほどでそれぞれの塊が完成した。あまり凝るときりがないので、ルールに制限時間を設けてもいいのかもしれない。

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なんだろうなこの写真は。

 

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作った塊をみんなで比べてみる

作った塊の評価はみんなで行う。まずは大きさの順番に並べてみた。

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誰かが言った「新しいゴミ」という言葉が言いえて妙すぎて頭から離れない。

みんなで評価する、と言ってもまずはこの遊びを作った能登さんに見てもらうのがいいだろう。

能登さん、どうですかこれ。

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「ちょっと待ってください、これは反則ですよ。」

トルーが作った、というか合わせただけの洗面器二つは能登さんの判断で反則ということになった。このジャッジにはトルー以外の全員が「まあそうだろうな」と賛同した。

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作った塊は4つの基準で評価される。ちなみにこの4つの基準もみんなの塊が出来上がってから決まった。
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丸さは見ればわかるし、大きさは並べた順なのでこれも明らかなのだけれど、重さに関しては持ち上げてみないとわからない。なにせ中に何が入っているのかまったくわからないのだから。

そして最後の評価基準である「転がり」の判定である。これは作者がそれぞれ転がしてみてアピールすることに。

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えいや!
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とう!
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いよ!「おおー(みんなからの歓声が)」

それぞれにポイントが加算され、総合得点で勝者を決める。

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ゴミ袋を膨らませただけの江ノ島くんが大きさ部門で1位となり、総合で3位という納得のいかない結果に。

審査の結果、「転がり」と「丸さ」で他を圧倒したハナウタさんが優勝となった。

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納得の優勝でした。

ほどよいルール化が楽しさの秘訣

遊びを考えるとき、まったくルールがないと無秩序になってしまって面白くないし、かといってきっちりルール化しすぎてしまうのも窮屈である。みんなで考えながら楽しみ方を作り出していく過程もまた「遊び」の醍醐味だなと思いました。

遊びを考えるとき、まったくルールがないと無秩序になってしまって面白くないし、かといってきっちりルール化しすぎてしまうのも窮屈である。みんなで考えながら楽しみ方を作り出していく過程もまた「遊び」の醍醐味だなと思いました。

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勝つとこのくらいのドヤ顔できます。

 


好きに遊ぼうぜ!

ここで紹介したくらいのぼんやりとした遊びが、もしかしたら世界に通用する「ASOBI」になるかもしれないのだ。思い付いたらどんどん投稿してほしい。そして投稿されたものは、時間のある時にどんどんやってみてもらいたい。新しい遊びが生まれる瞬間に立ち会えるかもしれないですよ。

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