アップル初のゴーグル型デバイスが50万
AppleVisionProはゴーグル型で、現実世界にアプリや映像を重ねることができるそうだ。
今はまだアメリカでしか発売されておらず、アメリカでの価格は3,499ドル。1ドル150円として、524,850円。
高え。
新卒の初任給換算だと約2.4倍だ*。東京ドームだと3351分の1だった(1円玉で50万を積んだら)。東京ドームって広いんですね。
日本での価格はまだ決まってないが、日本でだけ2万円で売ることはたぶんないだろう。
ってことは2ヶ月の給料を頭に巻いて歩く日が来る。大衆演劇のおひねりのようだ。
* 令和元年・企業規模別新規学卒者の初任給の推移によると212,800円なので
似たゴーグルはとりあえず買った
昨年6月に発表されたとき、これは世界的な大喜利だと思い、Amazonで似たゴーグルを探して買った。そのまましまい込んでいたが、発売されて話題になりはじめたので使ってみた。
Twitter(現X)に投稿して少し受けた。世界中でこういうことをしている人がたくさんいると思ったらいなかった。もうSNSはそういう世界ではないのかもしれない。
50万を貼り付けてみるか
iPhone20万の記事も受けてることだし、やっぱりAppleVisionProでもやってみるべきだろうか。かっこつけてないで二匹目のドジョウを堂々と取りに行こう。
そう思って銀行ATMで50万をおろしてみた。
でも、出てきた瞬間、あ、これはだめだ、と思った。
現金が生々しすぎるのだ。20万ならちょっとしたノートぐらいの厚さだが、50万になるとざわっとして「肉体」といった雰囲気すらある。記事がポップにならない。
ATMでお金が出てきたときは写真を撮る余裕がなかったので(まわりをキョロキョロしてポケットに入れた)帰ってきてからの再現写真だ。
PayPay銀行というオンライン取引しかしてなかった銀行口座からこんなに匂うような"現ナマ"が出てきたのにも驚いた。
50万をポケットに入れたまま、帰りにほっともっとで中華あんかけ麺弁当を買って帰った。その間も片手はずっとポケットに入れて現金が消えてないかを確かめていた。
ゴーグルに固定する
翌日、とある撮影があったので、その終わりにちょっとだけ時間をもらって僕のAppleVisionProを自慢することにした。
海外旅行と同じ準備である。
背筋が伸びてない。窓から外を見ている写真を撮ろうとしたのだが、風が吹いてお金が飛んでいったら怖いので網戸がある窓にした。
その怯えた態度とは裏腹に写真が下品。
損しかない。
クリップで挟んだうえにゴムで留めてある。
iPhone20万のときよりもふざけきれてない。
金額が大きいのもあるし、1年半のあいだに環境が変わりお金の問題に直面していることも大きい。そもそもこの撮影の前、区役所に国保の保険料がなんだかすごく高いんですけど計算間違ってませんかと電話をしていた。
これをだ、街に出てかけるのか。
そしてこのレンタルスタジオは新宿御苑である。御苑から新宿駅までこれをつけて歩く……
やめよう!
やめます。怖いからやめます。
原稿もですます調になる。
「へー、こういう景色が見えるのか」
「思ったよりも前が見えますね」
「こんなふうにして指さしたりするんですよ」
など、不憫100%のコメントだった。みんな、これはAppleVisionProではなく、現金を固定したゴーグルなんですよ。
目を覚ましてほしい。
せめてアップルストアの前で記念撮影するか
せめてアップルストアの前で撮って終わりにしよう。あのフレンドリーな店員が「50万もってきたんだね。買っていきなよ!」って言われたら走って逃げる。
悪人のような顔ですぐにかばんにしまった。帰り道、リュックを前にして周囲に泥棒がいないか前傾姿勢でキョロキョロしている僕がいちばん泥棒っぽかった。
AppleVisionPro企画が泥棒になった。
日本でだけAppleVisionProが3万円で売られますように
まさかAppleVisionProが日本でだけ3万で売られるなんて思わなかったね。あの記事はなんだったんだろうね~って話している未来を想像して終わりにしたい。
AppleVisionProに似てるゴーグル
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