特集 2022年12月7日

アメリカ発祥のスポーツ「コーンホール」の魅力に迫る

アメリカでコーンホールというスポーツが流行っているという。コーンの入った袋を投げて穴に入れるスポーツだそうだ。日本コーンホール協会の会長に話を聞いたところ、シンプルだが奥が深くて面白かった。

1992年三重生まれ、会社員。ゆるくまじめに過ごしています。ものすごく暇なときにへんな曲とへんなゲームを作ります。

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こんなプロスポーツがあるのか

FacebookのWatchというタブを開くと、世の中のいろんな動画がランダムで流れてくる。ある日、コーンホールというスポーツの動画が目に止まった。


選手が真剣な表情で袋を投げ、観客が大盛り上がりしている。張り詰める緊張感や映像の洗練度合いのわりに、やっていることは袋を投げるというシンプルなものだ。こんなプロスポーツがあるのかというのが正直な感想である。

そしてそのコーンホールの普及活動を日本でしている方がいると知り、さっそく取材を申し込んだ。

取材に応じてくれたのは日本コーンホール協会会長の日澤 準弥 (ひざわ じゅんや)さん。この日は横浜のバーベキューイベントにコーンホールを出展。

コーンホールとは

まずはコーンホールの説明をしておく。コーンホールはビーンバッグを投げて板の穴に入れるスポーツだ。

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ビーンバッグという小袋。中に粒が入っていてやわらかい。
これを投げる。ただそれだけ。とてもシンプルなスポーツだ。

 ルールも簡単である。

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穴に入れば3点。入らなくても板に乗れば1点。

ーーとてもシンプルなスポーツですね 

日澤:はい。小さいお子さんからお年寄りまでできます。アメリカだとバーベキューやホームパーティやバーなどで遊ばれるポピュラーなスポーツです。アメリカ人のほとんどが知っていると思います。

ーーアメリカにはプロリーグもあるんですね

日澤:はい。プロリーグの大きい大会の優勝賞金は5万ドル (約700万円)です。スポンサーがつくこともあります。大会が年に何回もあるので、勝ち抜けばサラリーマンぐらいの年収にはなります。

ーーコーンホールだけで飯を食えるわけですね。さっそくですが、遊んでみたいのですが…。

日澤:はい、もちろん!

では、投げさせていただきます!
それっ!
ぼとっ。連続で4回投げてみたが、ぜんぶ届かず。

ーー思ったよりバッグが重くて飛ばないですね。

日澤: 重さが1ポンド、約450gです。

ーー中には本当にコーンが入っているんですか?

日澤: 昔は本当にコーンが入ってたんですけど湿気や腐食の影響を受けるので、現在の競技用バッグはプラスチックペレットというプラスチックの粒が入ってます。

ーー実際に投げてみると想像以上に距離が遠く穴も小さく感じます。

日澤: 穴の直径はバッグの1辺と同じで6インチ、約15cmです。距離は27フィート、約8.23mですね。

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想像以上に遠い。

ーーいや~。穴に入れるにはかなり精確なスローが要求されますね。動画で見たプロの試合は簡単に入るように見えたのですが、あれはとてつもない技術だったのか…。

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今回のイベントでは子供でも遊べるよう年齢に合わせてテープが貼られている。こうやって距離を調整すれば幅広い世代で楽しめる。
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日澤さんとコーンホール

ーー日澤さんは日本コーンホール協会の会長で、日本でコーンホールの普及活動をされているんですよね。コーンホールに出会ったきっかけを教えてください。

日澤:バーベキューが好きで、2010年にメンフィス・イン・メイというアメリカのバーベキューコンテストに参加したんですよ。そこでコンテスト出場チームがコーンホールをやっているのを見て、帰国後調べているうちに面白そうだと思うようになりました。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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実は日澤さんは横浜バーベキュー協会にも所属しておりバーベキューもガチなのだ。

ーーなるほど~!たしかにバーベキューとコーンホールは相性よさそうですね。その後の普及活動はいかがでしょうか。

日澤:最近は日本のテレビで紹介してもらえるようになりました。民放各局に出ましたね。シューイチ、めざましテレビ、ニノさんなど。

ーーげっ。先を越されてしまいましたか。メディア出まくりなんですね。

ーー日本でコーンホールの大会はあるんですか?

日澤:今年(2022年)の6月に日本コーンホール協会主催の第一回大会を開催しました。20人の個人戦トーナメントで、初心者から実力者まで幅広く参加していただきました。

大会の決勝の様子。白熱の様子が伝わってくる。

日澤:アメリカ発祥なので日本在住のアメリカ人にも人気があって、米軍基地のある横須賀でイベントをすることもあります。

ーー本場のアメリカ人との対決、盛り上がりそうですね。

日澤:アメリカ人は飲みながら夜通しやるんですよ。

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日本コーンホール協会会長とたたかう

ーー今日のイベントでは1回500円で遊べるんですね。

日澤:子供は短い距離から8回投げて穴に入った数だけくじ引きができます。大人は友人同士で対戦です。私と対戦することもできます。

縁日のようなワクワク感。

ーーせっかくなので会長と戦いたいです!500円払います。

日澤:ありがとうございます!通常の試合形式でやってみましょう。

ーーボコボコにされる未来が見える…。

日澤:まずは先攻・後攻を決めます。バッグを回転させ、バッグの上向きの方向に立っている人が先攻です。

別の競技が始まったのかと思った。
バッグの上向きの方向に立っているのは筆者。

 日澤:ほりさんが先攻です。 

 ーーありがとうございます。では行きます!

それっ!(下半身しか映ってなくてすみません)

 ここでもう一度ルールを確認しておく。

1ラウンド4投で、穴に入れば3点、板に乗れば1点。
第1ラウンドの終了結果。日澤さんは2個入ったこともあり7点、筆者は1点。差の6点が日澤さんに記録される。

ーーいや~いきなり実力の差を見せつけられました。

第1ラウンドでいきなり6-0。日澤さん自作のスコアボードでカウントする。

 第2ラウンドは日澤さんに1点が入り7-0。続いて第3ラウンド。

日澤さんのスーパープレイが飛び出す。
なんと、4つすべて穴に入った。(ちなみに筆者は全外し)

ーーええ~!まじですか。いっきに12点。これで19-0ですね。

日澤:4投とも入るのをフォーバガーと言います。プロだとフォーバガーが当たり前の世界なので、わざと穴の前にバッグを置いて相手のじゃまをすることがあります。

ーー穴の前に置かれたら直接入れるしかなくなりますね。

日澤:そうなんです。滑らせて入れるのが得意な人は不利になります。滑らずに直接入れるのをエアーメールショットと言います。

ーーでも自分の点数も下がりますよね。

日澤:最後の1投で、じゃまをしていたバッグも穴に入れて回収するんですよ。

ーー1度に2つ入れるわけですね。(そんな器用なことができるのだろうか…)

4ラウンド目。ちなみに前のラウンドの勝者が先攻となるので、2ラウンド目以降はずっと日澤さんが先攻でした。
穴の前でバッグが止まった。これはまさか、さっき言ってたわざと穴の前にバッグを置いて相手のじゃまをする作戦か?

 ーー手前のバッグがじゃまだからエアーメールショットを狙わねば…

当然、筆者のバッグは入らない。(そもそもじゃまとか関係なく入りませんが…)
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日澤さんの4投目。自身の1投目のバッグも同時に入れた。得点は最終状態で決まるのでこれで6点。さっき教えてくれた作戦を見事実行にうつした形だ。

ーーはははははは。すごすぎる。負けました。

第4ラウンドのようすを動画でもお楽しみください。

25-0というオーバーキル。ラウンドで勝たないと点が入らないため、実力差があるとスコアがえぐい感じになる。
会長、おそれいりました。
勝った人はコーン缶が1つもらえる(コーンホールだけに)。今回は完全敗北だが敢闘賞ということでプレゼントしていただきました。

練習したい

ーー今回は実力差がありすぎて1試合3分半で終わってしまいましたが、プロだと拮抗して試合時間が長くなりそうですね。

日澤:プロだと1試合15~20分ぐらいですかね。過去には両者が全部入れ合うラウンドが10ラウンドぐらい続いたのを見たことがあります。持久力と忍耐力が必要です。

ーーすごい境地!今回ボロ負けだったんですけどめちゃくちゃ楽しかったです。でも結局1回も穴に入らなくて悔しさもあります。ふつう、初心者でも何回か投げればさすがに1回は穴に入りますよね?

日澤:そうですね…(苦笑) とくに野球部出身の人だと初心者でも入ります。

日澤さんは優しくフォローしてくれたが、たぶん今回は筆者が下手すぎただけで、ふつうの初心者でももう少しうまくできそうだ。

セットを買って練習したくなってきた。

ーー コーンホールの台ってどこで買えるんですか?

日澤:今年の9月にCORNHOLE TOKYOという日本初のコーンホールメーカーが始まったんですよ。

CORNHOLE TOKYOで発売しているJCA-Black モデル。1台49,500円。いいお値段。

ーー練習していつか大会に出てみたいです。


オリンピック競技になってもいいんじゃないか

袋を投げるだけなのに、実際に投げてみると爽快で、でも入らないと悔しい。初心者でも十分楽しめるスポーツだ。そして実力のステージが上がるとそこにも戦略やテクニックの応酬がある。まさしく、誰もが楽しめるスポーツだと思う。

いっそオリンピック競技になってもいいんじゃないか。そんな日が来た時のために、日本代表に入れるよう練習しておきます。

会長のスローは美しい。
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