初めての白和え作り
和食の世界に、「白和え」っていう料理があるじゃないですか。ほうれん草の白和えとか。
その白和えを、ふだんから頻繁に作っているという方っています? そりゃまぁ、いるはいるでしょう。けど、そんなに多くはないんじゃないかな?
どちらかと言うと、ちょっと小粋な和食屋とか、旅館の料理のなかの1品として、小鉢で出てくるものっていうイメージがありません?
ところが先日、わけあって白和えを、生まれて初めて作ってみたんですよ。そうしたら、簡単でものすごく美味しいんですよね! それもそのはずで、よく考えると白和えの「白」要素って、ずばり「豆腐」。豆腐大好きっ子の僕が嫌いなわけがない。
調べてみるともちろん、いろいろなレシピが見つかるんですが、その最大公約数的な部分を抽出し、超ざっくりと作りかたを説明すると、こうなります。
「水切りして潰した豆腐に、練りごま、塩、醤油などを加えて味を整え、好きな食材とあえるだけ」
というわけで今回は、今まで自分の人生における密度が極端に薄めだった“白和え要素”を一気に取り戻すべく、お昼ごはん1食丸々白和えの「オール白和え定食」を作って食べてみたいと思います。
どこまでも白い世界
それじゃあいきますよ、せーの……
せっかくなので、より白和え感を強調するため、すべて白い食材で作ってみました。どうです? いい白さでしょう。
ひとつひとつ解説しますね。
軽く塩をふった薄切りの豚ばら肉を焼いて白和えにいたしました。焦げ目がついてしまうとせっかくの白さが弱まりますので、メイラード手前で調理を止めてございます。
角切りの豆腐を白和えにいたしました。一度は別れたふたりが数分後に再会した、ドラマチックな1皿でございます。
市販の甘酢ピリ辛らっきょうを白和えにいたしました。私の好みは塩らっきょうですが、シンプルな調理法ゆえ、味にメリハリをつけるべく。
別名「崩し豆腐のみそ汁」でございます。
せっかくなので、炊きたてのごはんも白和えでどうぞ。
という感じ。ほんじゃあ、
……と、実際にオール白和え定食を食べてみた感想ですが、大前提としてどれもちゃんと美味しかったです! その上で、各感想としては、
・豚ばら焼肉の白和え
これはいい! 肉の表面をコーティングした豆腐が、肉のクセを上品にマスキングし、さらに、肉自体がとろっと柔らかく感じる。もっと攻めた味つけ(スパイス系など)と合わせて、掘ってみてもいい世界かもしれない。肉の白和え。
・豆腐の白和え
冷奴でもないし、けど味は完全に豆腐だし、新しい豆腐料理という感じがする。もう少し味を濃くするなり、なんらかの薬味か珍味などを加えると、ものすごい日本酒のつまみに化けそう。
・らっきょうの白和え
らっきょうの味が強く、あまり融合感はない。そのぶん、とろりとした豆腐のなかかららっきょうが登場する瞬間に、いつもよりくっきりとしたらっきょうの味、香りを感じる。ぜんぜんあり。
・みそ汁の白和え
もう一歩物足りないか。もちろんうまいけど、豆腐をみそ汁に入れるならば、素直に角切りがいいかも。ただ、二日酔いの朝とかにはめちゃくちゃ沁みそう。
・ごはんの白和え
そもそも豆腐をおかずにごはんを食べるのが好きなので、味は大好き。なので、単体ではうまいんだけど、その他のおかずの受け皿として考えるならば、やっぱりふつうのご飯に軍配が上がる。
といった感じでした~。
肉の白和え、豆腐の白和えあたりに、まだまだ鉱脈が眠っている気がします。