特集 2024年7月9日

その真ん中には何があるのか 東京近郊ラウンドアバウトめぐり

鉄塔

神奈川県横須賀市の南部に「ハイランド」という世にも珍しいカタカナの地名がある。その名が示すように小高い丘陵地を開発した住宅地で、その1丁目でラウンドアバウトがシンボルのようにそそりたつ鉄塔を掲げて鎮座している。

ただただ壮観。2016年に信号が撤去され、ラウンドアバウト化された。
車通りはかなり多い。

 先に紹介した千葉の有秋台団地のように環道にバス停がある。バスに乗ってみたが、でかくて長い車に乗って遠心力を感じながら鉄塔周りのカーブをぐるっと走る体験は格別だった。

環道のすぐ外側にも鉄塔があり、鉄塔の間をランスルーしていくのがまた良き。
話は変わるが標識を避けて路側帯がウェービーになっているのがよかった。

 鉄塔&ラウンドアバウトが丘陵の住宅地と織りなす独特な景観の秘密については大山さんが以前、鉄塔を御神木になぞらえて論考しているのでぜひ読んでいただきたい。面白すぎるのでたぶん見に行ったら戻ってこれないと思うが、よかったら戻ってきて続きを見てほしい。

横浜アリーナの近くにも鉄塔ラウンドアバウトがありますので。
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電柱

電気つながりで紹介したいのが埼玉県毛呂山町のラウンドアバウトさんで、真ん中には電柱が立っている。

パンジー花壇を囲む虎テープ柵が映える。そしてデリカショップの名が「ロータリー」買い物したかった。
電柱には駐車禁止看板が掲げられている。

鉄塔ほど存在感はなく、すっきりとしているが電柱を見上げると、上部にはスピーカーがめちゃめちゃ付けられていた。

全方位に向けられておる。

町内の催し物のお知らせや、小さい頃、公園で遊んでいる時に聞こえてくるともれなく憂鬱になった光化学スモック注意報みたいなのだったり、ここからさまざまなメッセージが発せられるの だろう。
細身で町に溶け込みながらもしっかりと影響力を発揮している。

写真スタジオの文字の勢いの良さも見逃せない。
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同じく埼玉県の日高市の東部、武州高萩駅から北東に、途中で文字の動きがやたら高速な電光掲示板なんかを見てうおおとか言いながら歩いていくと日高団地とよばれるのどかな住宅地に着く。中央通りっぽいストリートをずんずん進むと商店街の向こうになかなかの規模感があるラウンドアバウトが見えてくる。

中島でかい!

 掲示板や電話ボックスに無数のベンチが据えられており、人を寄せ付けない雰囲気を醸し出している他の中島と違って出入り自由なウェルカム感に溢れている。

いろいろ情報量が多い中島の中央にあったのは池だった。

池!

昭和40年ごろから分譲が開始されたと言われており、国土地理院の航空写真アーカイブでは1964年の時点では更地に近い状態で、1967年の写真でははっきりとロータリーが確認できたが池になっていたかどうかはわからない。

夏にはこの周辺で夏祭りが催されていて、池の中心に盆踊りのやぐらが組まれているような年もあった。古の踊り念仏にルーツを持つ盆踊りの輪の中心がラウンドアバウトとなっている。日頃ここを回る車も、踊り祈っているように見えてきそうだ。

ベンチの動物レリーフがかわいい。
千葉の舞鶴団地もベンチが置かれた「座れるランドアバウト」である。

⏩ 母子像

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