stage 1 梅園
いきなり告白すると、僕は二日酔いだ。うどんとか食べたい。とてもあんこという気分ではない。早くもリタイアの言い訳を考えてる。
1軒目は浅草の超有名店、梅園。人気の店だけあって混んでいる。
店内は女性ばかり。楽しそうに甘いものを食べている。なんだか僕もいけそうな気がしてきた。選んだのは田舎しるこ。
……… おいしい。
実家のひんやりした居間でおしるこを食べたことを思い出す。スイミングスクールめんどくさかったなあ。逆上がりできなかったなあ。
が、四分の一ぐらいたべてはしが止まる。もうじゅうぶん甘いものを満喫しました。ごちそうさましたいが、がんばって食べる。なぜか歯が痛くなってきた。
まわりのおばさんたちは食べるのが早い。僕が1杯食べるあいだに、おばさんグループが2回転ぐらいしている。
いっしょについてきたシソの実がしょっぱくてオアシスのようだ。しかしシソの実を食べると甘さが増すことを発見。ワナか。
海を漂流している男がつい、のどが渇いて海水を飲んでしまうシーンをむかし映画で見た。それみたいだ。うおおおおお(のどをかきむしる)。
横を見るとおばさんがところてんを食べていた。超うまそう。ところてん。
そのカラシだけでもいいからちょっとください。
*
なんとかたいらげる。
次の店がある銀座に移動。街を歩いているとやたらとカレーとか牛丼屋が目に付く。しょっぱいものが食べたい。カレー、カレー、カレー、カレー。
ああ、シチューもいいなあ。
貧しい子どもみたいな気分で駅に向かいます。