ナオ:これ、卓上に同じものを用意しておいて遠隔飲みするのにもうってつけの企画でしたね。
パリ:ほんとだわ。
ナオ:コロナが落ち着いたらスパイスサワーの店出すかなー!
パリ:はは。コロナが落ち着いたらすべてうまくいくと思ってる。
ナオ:そうそう。今、なんでも先送りして「コロナ終わったらがんばるから!」って言ってます。
パリ:わかる。「コロナ終わりで飲みましょ〜!」って、すっごい軽く言うようになっちゃって、いつなんだよっていう。
ナオ:はは! いいんですよ! 今はそれで!
最近、ちょっと凝ったメニューなんかを出す居酒屋で、お店で独自にスパイスを漬け込んだお酒を使った「スパイスサワー」を見かける機会が増えました。あれ、なんだか健康に良さそうなのと物珍しいので、あると必ず頼んじゃうんですよね。
ところで近年、スーパーや100均にも小瓶のスパイスが驚くほど種類豊富に揃っていたりします。
あれ? もしかして、我々酒の穴が家でも外でも好んで飲んでいる、甲類焼酎を炭酸水で割っただけの、味のない「プレーンチューハイ」に、それらの小瓶スパイスを加えるだけで、お手軽オリジナルスパイスサワーってできるんじゃないの?
はい。あれこれ試してみましょう。
パリ:つーか、なんでこんなことやろうとしてるんでしたっけ?
ナオ:スパイスサワーにはお互い興味があったんですよね。
パリ:はいはい。たまにちょっととんがった居酒屋で、オリジナルのスパイスサワーを出してたりしますよね。
ナオ:飲んだことありますか? 私はほとんどなくて。
パリ:何度かあります。好きですね〜。
ナオ:へー! 東京の「山谷酒場」というところで出すと聞いたことがあります。
パリ:そうそう。「山谷酒場」で飲みました。スパイスを独自に調合して漬け込んだ「山谷酒」とか。最近だと、西荻窪に新しくできた「えるえふるんぐ」でもスパイスサワーを飲んだな。
ナオ:へー! じゃあもしかして、ちょっと先端をゆくお酒の楽しみかたなんですかね。それは乗っかっておきたい。
パリ:そうそう。ただ、100均のスパイスふりかけただけでうまくいくのかは未知数ですよね。
ナオ:確かに。でも私は、家にある調味料をちょっとチューハイに入れてみたりするのが好きなので、やっとがっつりと試せる機会がきた! という感じです。今回はすべて100円+税で買えるスパイスを選びましたが、普段そんなにいろいろなスパイスを使うことがなくて、こんなに種類があるんだなって思いました。
パリ:本当、100均でも驚くほどいろいろ手に入りますよね。それこそ、スパイスカレーが普通に作れちゃうくらい。
【今回試してみるスパイス】
・オレガノ
・ガラムマサラ
・クミン
・コリアンダー
・シナモン
・しょうが
・ターメリック
・ナツメグ
・バジル
・わさび
※50音順
ナオ:さて、どれから試していきましょうね。
パリ:このなかではガラムマサラだけ、そもそもいろんなスパイスを混ぜたものなので、最後でもいいかなって思いました。
ナオ:なるほど。確かにガラムマサラの成分表示見たら、買ってきたスパイスの名前が全部書いてある。もう、これでいいじゃん。
パリ:はは。
ナオ:じゃあガラムマサラ以外を、将棋をさすみたいに1個ずつ選んでいきましょうか。
パリ:なるほど。お互い興味ある順にね。
ナオ:では私からいいでしょうか。先手、ターメリック。
パリ:スパイス将棋だ。
ナオ:まずはこの手で様子をうかがいます。ターメリックってウコンですよね? 先に飲んでおいたら体に良さそうじゃないですか。
パリ:ターメリックがウコンっていうの、たまに思い出しては忘れてをくり返してる気がする。
ナオ:私はコリアンダーがパクチーだというのもよく忘れます。
パリ:それもわかる。……あ、ウコンの匂いですよ完全に!
ナオ:おお。本当だ。居酒屋のメニューで「ウコンハイ」はけっこう定番だし、かぎなれてる感じ。
パリ:まず焼酎を注いでみましたが、きれいですね。
パリ:ただ、ウコンハイって普通ウコン茶割りとかですよね。炭酸ってない気がする。
ナオ:そうか。炭酸とウコンの組み合わせってあんまりないか。うわ、炭酸入れるとすごいシュワシュワするな。
パリ:飲んでみましょう……あれ? うまいかも。
ナオ:色味は強烈ですが味は爽やかで。
パリ:甘みがほんのりあるように感じる。
ナオ:そんなに主張しない味。決して嫌じゃない。
パリ:うん、普通にいいんじゃないすかこれ!
ナオ:体に良さそうでいい! 炭酸と合わせてもいけますね。
パリ:しかも毎日1杯目に飲んでおけば二日酔い防止になりそうだし。しかしこれ、ちょっと多かった……ターメリックじゃなくて、酒が。
ナオ:はは! 確かに。このペースで10杯も飲んでいったらどうなることか。正月じゃないんだから。さて、先手ターメリック、どうでしたか? いきなり王手なんじゃないの?
パリ:いきなり王手があるのがスパイス将棋のおそろしいところ。
ナオ:普通の将棋とぜんぜんルール違う。
パリ:では僕ですが、初手はもう決まってます。クミン!
ナオ:おお! クミンいきますか!
パリ:単純にスパイスでいちばん好きなので。極論、これで食材を炒めたらカレーだと思ってるくらい信奉してます。
ナオ:確かに。クミンを入れたらいきなりカレーになりますよね。
パリ:フタをあけたらもう最高の香り。
ナオ:この時点でカレー!
パリ:うん、見た目が独特だ……。
ナオ:ね。ちょっと言いかたは悪いですが水たまりの水すくったような。
パリ:わはは。これ、ちょっとインパクトありすぎますね、香りも。飲めるかな……。あれ、でも異国の薬草酒と言われれば。
ナオ:なるほど、これはこれで飲めますね。ただ、どうしても脳が一瞬「これはカレーです!」と判断するんだよな。
パリ:少なくとも、量はひとふりでいい感じですね。
ナオ:少し塩っけを感じますね。さっきのターメリックは甘く感じたのに
パリ:クミンを使った酒、確か代々木上原の「ウエトミ」という店で飲んだ記憶があるんですが、すごく飲みやすかったのでバランスがぜんぜん違うんだろうな。
ナオ:なるほどなー。しかしそれぞれに個性がありそうで、おもしろいですね。
パリ:いいですね!
ナオ:次はそうだな。ちょっと味の想像ができないのですが、オレガノいってみていいですか。
パリ:いいですね! ピザーラのイメージ。
ナオ:あとは「オレガノチキン」みたいなので聞くぐらい? おわ! 匂いはなんかブワッときますね。花椒みたいな感じ? また違うか。
パリ:草を干しましたっていう、心地いい田舎臭さというか。
ナオ:ひとふりするだけでけっこう中身がダダッと出てきますね。これまでと違って粒が大きいというか、草のかけらっぽい。
パリ:ハーブティーの袋が破けたみたいな。
ナオ:美味しそうな説明が1個もない!
ナオ:これ、友達の家に行って出てきたらイヤですね。
パリ:「お前、いいかげんちゃんとした急須買えよ」
ナオ:はは。ソルティドッグの塩みたいにグラスのふちにつけた方が綺麗なのかも。
パリ:それはありかも。あ、意外とふんわり香る仕上がりだ。良いアクセントというか。
ナオ:色々なスパイスを混ぜてオリジナルブレンドのスパイスサワーを作るとしたらメンバーに加えておきたいやつですね。頼りになりそうな。
パリ:わかる。いい味ですね、オレガノ。ただやっぱ、葉っぱが邪魔なんだよな、飲むのに。
ナオ:溶けてはくれませんもんね。
パリ:ティーバッグに入れて焼酎に漬け込んでおくと良さそうじゃないですか?
ナオ:本当そうですね! この香りだけが欲しいっていう。
パリ:うん。でも、うまい!
ナオ:ちょっと漢方っぽくもあって好きな香りです。肉に合うというのもうなずける。
パリ:名脇役っぽい。つーか、なんかつまみほしいな。
ナオ:「肉に合う」とか言ってるのに目の前に肉がないのがつらい。
パリ:はは。合うはずなのに。こんなストイックにチューハイだけを飲み続けることないですよ。僕は今仕事場でなんにもないので、唯一ある塩気、うめこぶ茶を入れてこようかな。それをつまみにしよう。
ナオ:あ。かっぱえびせんの残りがあったはずなので持ってこよう。
パリ:かっぱえびせんを残してるって大人ですね! やめられない止まらないはずの。
ナオ:はは。やめられる大人になりました。いや、昨日の夜中に猛然と食べはじめちゃって、途中でなんとか我にかえったっていう。夜中に食べること自体はやめられてない。これは大人と言えるのでしょうか。
パリ:難しい問題だ。
パリ:はは。だろうなー!スパイス×スナック菓子の検証のほうが記事として有益だった。
ナオ:そっちでよかったかな。そして、まだ3つめですよ。
パリ:どんどんいかないと!
パリ:僕の次の一手ですが、オレガノと似た感じでいまいち概要がつかめていない、ナツメグでお願いします。
ナオ:きた! ナツメグもわからないです。普段あまり縁がなくて。
パリ:ハンバーグに入れるとうまくなるという知識はあってたまに漫然と入れてるんだけど、何味かわかってない。なんだこの香り、ほんのりとアジア雑貨屋のようでもあり。
ナオ:おもしろい香り! けっこう個性的に感じます。ハーブっぽくもあるような。色味が赤系ですね。
ナオ:どんどん酔っていくからだんだん酒を入れすぎるようになってきた。
パリ:わはは。ずっと酒飲んでるだけですからね。つーか今、うめこぶ茶ができたんですが、飲み物として圧倒的にうまい!
ナオ:ははは! まさかのうめ昆布茶で王手ですか。
パリ:ナツメグ、意外にも力強い香りですね!
ナオ:サッファーっときますね! かっぱえびせんにオレガノとナツメグをかけたらもうどこの何かわからん味ですよ。
パリ:はは。でもこれ、スパイスサワーらしさは強いですね。ちょっとショウガっぽくもある? 酸味も感じるような。
ナオ:そうそう。酸味に近い風味がする。華やかな、鮮やかな感じですね。オレガノとナツメグを混ぜてサワーにしたら、それだけでもうかなり複雑なスパイス感になりそうです。
パリ:そうそう! なんかだんだん、あれとあれを組み合わせてみたい、みたいなアイデアが浮かんできますよね。ど素人のくせに。
ナオ:生意気に。
ナオ:次いきましょう。5手目か。
パリ:まだ半分いってないのか。
ナオ:折り返し地点ということで1回、間違いないやつ挟みたいな。ショウガでどうでしょう!
パリ:おー、興味あります! チューブのショウガがチューハイに合うのか。
ナオ:これは美味しいと思うんですよ。よく、すりおろしたショウガをチューハイに入れて飲んでいて。とはいえ、量の正解からしてわからないですが。
パリ:けっこう思い切った量入れちゃいました。見た目は、こないだ八街でおみやげに買ってきた濃い〜ジンジャーエールと遜色ないな。
ナオ:あ! うまい!
パリ:どれ。うわ、最高じゃないですか!
ナオ:はは! ね! ちゃんとした美味しさ。
パリ:これでよかったんだ。もう毎日やりたい
ナオ:「これでいいんだー これがいいんだー」みたいな玉置浩二の歌がありましたよね。
パリ:うん。「生きているんだー みんな死ぬんだー」みたいな。
ナオ:はは。そんな感じのうまさですね!
パリ:いや〜ちょっと衝撃ですこれ。なんで今までやらなかったのか。
ナオ:ショウガ最高! チューハイにお寿司のガリが入った「ガリチュー」ってたまにありますよね。あれは甘みもあるけど、こっちはもっと削ぎ落とした感じ。
パリ:甘みのないすっきりとした、かつ刺激強めのジンジャーハイ。プレーンな感じ。あ、底のほうにたまった生姜のピリ辛感もいい。悪いところがない。
パリ:じゃあちょっと毛色を変えて、シナモンお願いします。これは味は知ってるし、シナモンティーとかもありますもんね。
ナオ:シナモンっていうとお菓子のイメージ。
パリ:ただ、チューハイに合うかな……。
ナオ:今、焼酎と炭酸とシナモンを混ぜたら神が怒ったかのように泡立ちました
パリ:ね! 泡立ちすげー。でもすぐおさまった。
ナオ:ホントだ。怒ってなかった
パリ:自らの間違いをすぐ認められる神。
ナオ:少し甘みを感じますね。お菓子のイメージがあるからかな。
パリ:うーむ……これは……我々がプレーンチューハイに求めているものと正反対の方向性というか。スッキリとは真逆の味と香りですね。
ナオ:不思議な感覚。飲めるといえば飲めるが。
パリ:あったかくしてノンアルで飲みたいような。
ナオ:うんうん。ホットに合いそうですね。
パリ:シナモンティーってもしかして、これにお湯注いだらできる?
ナオ:はは。そういう仕組みですっけ?
パリ:そんな単純なもんじゃないか。あ、今調べてみたら「紅茶にシナモンスティックを添える」というようなものらしいです。ぜんぜん違った。そりゃそうだ。
ナオ:それにしても今回買ったスパイス、せっかくだしこれから料理に使っていこうと思うんですが、シナモンだけはどう使っていいかわからない。
パリ:難しい子だよ。
ナオ:じゃあバジルで! これは私、大好きなんです。
パリ:バジルね! 好きだけど、酒と合うか。
ナオ:あ、でもこうやって順番に嗅いでいくとバジルもけっこう主張の強いスパイスなんだなー。
パリ:バジル感すごいね。
ナオ:一気にそれ色に染まるというか。
パリ:ドラゴンボールの映画の敵くらいのインパクトあります。
ナオ:うん。バジル、いたかも。
パリ:なんらかの理由で惑星ベジータを追放されていたベジータの双子の弟ね。
ナオ:しかしこれも、いくらかき混ぜても混ざるようなものではないですね。葉っぱだもんね。
パリ:うわ、すげー香りだ。
ナオ:確かに、バジルだ! っていう存在感はさすがです。思いっきりバジッてくる。
パリ:余韻が料理ですね。
ナオ:どこか紫蘇っぽくも感じる。しそサワーがあるんだからチューハイとの相性が悪いってこともないのか。これはしかし、やっぱりポテチにふりかけたいですね。
パリ:はは。さっきからスナック菓子にばっかりかけたがってる。
パリ:しかし、これまでのところ飲めないのってないな。
ナオ:ガラムマサラを最後にとっておくとしたら、あとはワサビかコリアンダーしかないですね。
パリ:なんとなく、ワサビを挟みたい気分です。
ナオ:いいですね!
パリ:これはでも、静岡のご当地サワーでもあるし。
ナオ:ワサビサワーってあるんですか! 飲んだことないです。あ、私のワサビ、賞味期限が2018年6月でした。あの頃に戻りたい。
パリ:はは。ワサビ、そんなに使わないですか?
ナオ:チューブワサビってそうなりません? もっと使いますか?
パリ:刺身で晩酌するのが好きなんで常に切れがち。
ナオ:むしろよく買いなおすんだ。
パリ:めっちゃでっかいの買いますもん。マヨネーズみたいな形の。
ナオ:えー! そんなのあるんだ。回転寿司の持ち帰りで大量についてきた袋入りのやつが冷蔵庫にあったので、そっちでやってみますね!
ナオ:ワサビ、グラスの底でダマになりますね。ちょっと溶けにくい。
パリ:箸でほぐしました。あれ? ぜんぜんツンとこないっすね。
ナオ:不思議! わさびのあのパンチが和らいで。
パリ:うまい!
ナオ:うまいうまい! 単に焼酎を炭酸で割ったものよりもこっちの方が好きかもしれん。
パリ:それこそ、刺身とかに合いそうじゃないですか?
ナオ:うんうん。魚介に合うチューハイ。あ、でも最後にツーンときますね。
パリ:濃くなっていくから、最後のほうは少しツーンとくる。でもうまい。
ナオ:ショウガサワーの美味しさは予想していたんですが、ワサビもこんなにいいんだ。
パリ:ワサビサワーは静岡で飲んだ記憶があったんですが、あれはやっぱ本ワサビだったと思うんですよ。でも、チューブでもうまいんだな〜。いや、ありでした!
ナオ:では、コリアンダーいきましょう。
パリ:ハイサワーにもパクチー味があるくらいだし。もうこれくらいじゃ驚かなくなってる自分がいるな〜。
ナオ:本当だ。この香り、さっきまでのなかにもうすでにあった気がする。
パリ:あったあった。驚きがないくらいですねこれは。順序が違ったらまた別だったのかもしれないから、コリアンダーには悪いけど。あとそもそも、もうとっくに酔っぱらってるし!
ナオ:ははは。確かに。でも驚きはないけど、まあ入門編にはいいかなっていう。
パリ:どこから目線なんだ。
ナオ:スパサワ部に新人さんが入ってきたら「まあ初日はコリアンダーでも飲んでゆっくりしてて」みたいな。
パリ:自信満々の顔で「意外とクセないでしょ?」って。
ナオ:それにほら、葉っぱ感がなくて混ざりやすい
パリ:ちゃんと溶けてくれる。この業界では重要ですからね。
パリ:よし次で最後だ!ガラムマサラ、僕は、100均で買ったエスビーのやつですね。
ナオ:僕のはハウスのやつなんですけどパッケージに「焼きそばにも」って書いてある。そんな風にも使えるんですね
パリ:今までに出会ったいろんなスパイスも入っていつつ、ペッパーとか唐辛子の辛味も入ってるので、そこがどう出るか。
ナオ:だってシナモンも入ってますよ。あ、ほら、今までの全部の匂いがする。
パリ:ははは。そしてなんか完成された香りしません?
ナオ:そうですね。これはスパイス将棋界の王将ですよ。
パリ:プロがバランス研究して混ぜてくれてるんだもんな。
ナオ:最近、クラフトコーラっていうのが好きで、見かけたら飲むようにしてるんです。飲み屋さんや喫茶店とかにたまにあって。スパイスを調合して作る手作りのコーラですね。
パリ:へー、飲んだことないっす。
ナオ:ガラムマサラは、スパイスコーラの匂いにも近い気がして、だからこれ、チューハイに入れたらコーラ味になるんじゃないでしょうか?
パリ:はいはい。クラフトコーラ飲んだことないけど、確かに想像するクラフトコーラの香り。見た目も、混ざってるやつと混ざってないやつといるっていう、今までの総括的な。
パリ:あー。
ナオ:あー。
パリ:入れすぎた感はあるけど。
ナオ:美味しいです。これに甘みが足されたらクラフトコーラになるような、そんな予兆はある。あ、サイダーに振りかけたらいいのかも! 今度やってみよう。でもチューハイに入れてもじゅうぶんいい感じですよ。
パリ:あと、やっぱ辛味がありますね。いや、これなんかハマる味。
ナオ:「ガラムマサワー」メニューにあってもいい。
パリ:はは。五度見くらいしちゃいそう。あ〜、いろんな味するわ。今シナモンがふっときた。
ナオ:今まで戦ってきた奴らとの思い出が走馬灯のようにね。
ナオ:でも、ガラムマサラにはショウガとわさびの要素はないでしょ? あのふたりすごく健闘したと思うんです。
パリ:確かに。日本勢。
ナオ:だから、ガラムマサラ+ショウガ+わさび、を最後に試してみたいなとか。
パリ:それで言うと僕が今思ってたのは、ターメリックの健闘なんですよ。
ナオ:あー個性的だった。確かに、こっちのガラムマサラにはターメリックは入ってないし。
パリ:僕のもなんです。ガラムマサラ+ターメリック、これも試してみませんか?
ナオ:いいですね! そうしましょう!
パリ:ニュアンスとしては、ターメリック5ふりに、ガラムマサラひとふりくらいでいいんじゃないかと。
ナオ:そのとおりにしてみました。あ、うまい!
パリ:うまい! お店で飲むようなスパイスサワーと……いや、酔っぱらってるからというのもあるかもしれませんが、同じですよ。
ナオ:はは! でもいいバランスですね。
パリ:今日は味を見るために氷は入れてないですけど氷が入ったらまたよさそう。つーか入れてこよう。あ、文句ないわこれ。冷やすことでちょっとフルーティーにもなり。
ナオ:スパイスの香りに清涼感もあるから夏場にもよさそう!
パリ:もう「自家製スパイスサワー専門店」出せる気がする。
ナオ:うん!
パリ:裏で100均のスパイス混ぜてるだけなんですけどね。
ナオ:ははは。いや、でもこれはいいです。
パリ:よし、では最後。
ナオ:ガラムマサラにチューブのショウガ。香りづけにわさびちょっと。
パリ:生姜はたっぷり?
ナオ:いや、赤ちゃんの指ぐらいでいいでしょう。ガラムマサラは5ふりぐらいですかね。
パリ:なんかそそる見た目。
ナオ:飲んでみましょう。あ!
パリ:うわ!
ナオ:いいですね!
パリ:これはいい! ショウガとガラムマサラ優秀!
ナオ:最初にガラムマサラの香りがきて、後味にショウガの風味と辛みが残る。
パリ:わさびは本気でほんのりっていうか、ほぼ良さ消えてる? なくていいかも。
ナオ:でもかすかに香るわさびもいいな。入れてもほんの少しでいいですね。
パリ:ショウガ×ガラムマサラがベース作ってますね。つーか、ショウガもさっきのターメリックも、ベースとして優秀だったじゃないですか。そこに、ガラムマサラをほんのり足すとスパイスサワー感がワンランク上のものになるというか。
ナオ:ね。だんだんわかってくる! でもまだまだ研究の余地があるわー。
パリ:ある! つーかスパイスカレーにハマる人とかはそうやって、日々研究してるんでしょうね。その真似事の楽しさが味わえるというか。家飲みの鉱脈を発見してしまった気分。
ナオ:甘みを足すとかも広がりそうだし、可能性を感じました!
ナオ:これ、卓上に同じものを用意しておいて遠隔飲みするのにもうってつけの企画でしたね。
パリ:ほんとだわ。
ナオ:コロナが落ち着いたらスパイスサワーの店出すかなー!
パリ:はは。コロナが落ち着いたらすべてうまくいくと思ってる。
ナオ:そうそう。今、なんでも先送りして「コロナ終わったらがんばるから!」って言ってます。
パリ:わかる。「コロナ終わりで飲みましょ〜!」って、すっごい軽く言うようになっちゃって、いつなんだよっていう。
ナオ:はは! いいんですよ! 今はそれで!
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