2024年版を読みたい
セーター特集では編み図を載せていたし、スポーツの項目では力士・朝潮(当時は長岡)を取り上げていた。国技から編み物、サトウキビの食べ方まで興味が自由だ。サブカルだとかメジャーだという壁がなく興味本位だ。
ボクたちのシティライフを熱くするにはこんな情報が欠かせないってことに気づいたんだ。伝説の雑誌に大いに刺激を受けたのでデイリーにも期待してくれ!バグース!(最後だけ当時のポパイ文体にしました)
最近、メルカリやヤフオクで古いポパイを買い集めている。
今と違うとか、懐かしいとかそういう懐古主義的な興味ではなく、いま読んで素直に面白いのだ。
なんとなく古本屋で80年代のデート本を買った。読んでみるとそれがいわゆるおじさん構文で書かれていたのだ。
・軽くイッパイ、というライト・ドリンカーにはピッタンコ
そうか、おじさん構文とは40年前に流行った文体だったのかもしれない。
だったらポパイやホットドッグプレスなどの当時のカルチャー誌もこの文体がいっぱい載ってるんじゃないか。そんなちょっとした意地悪からいくつか買ってみたのだった。
ではおじさん構文を満喫しますかな、と思って読んでみると………おや、へえ、ほほう。
すごくおもしろいのだ。すごいなこの雑誌。
そのおもしろさに惹かれて、45年前の若者のように古いポパイを買い集めている。
特に集めているのが1976年~1979年ごろのだ。
この頃のポパイはなにが意外って、字が多いのだ。特に多いのが冒頭のpop*eyeという細かいニュースを集めたコーナー。
ポパイってこんなに文字が多かったっけ?と思う文字数の多さ。
載っているのも、大英海洋博物館で新しいロープの結び方が追加された、グレナダの首相が国連でUFOについて論じた、食用ミミズの養殖の話題などいちいち引っかかる(ミミズの養殖のエピソードは前の持ち主が熱心に線を引いてあった。確かにミミズ気になるよね!)
雑誌って写真が主で文字は隅っこに800文字ぐらいのイメージだったが、まるで逆だ。ゴシップ誌や奇談集のようでずっと読んでいられる。
これを隔週で読めた当時の若者がうらやましい。
pop*eyeは毎号18本ぐらい載っているのだが、たまに出るpop*eye特集号だと200本以上に増える。
そのあとも定期的に pop*eye特集号が出ていて、
22号pop*eye特集 209本
36号pop*eye特集 170本
48号pop*eye特集 218本
と単行本にしてほしい情報量だ。
インターネットがない時代、これだけのニュースを集める労力を考えるとぞっとする。
pop*eyeは本数が多いだけではなく、ひとつひとつのニュースが奇妙で際立っている。
「アメリカではステーキで年間4000人も死ぬ」はこの号の一番最初のニュースだった。雑誌のオープニングとしては最高のつかみだだろう。
はっきり言って真偽不明でちょっと盛ってると思われる話もある。
でもアイスクリームの形のプールがあって、その上を飛ぶ飛行機から人がそれを眺めているなんて(それが数回だったとしても)ファンタジックな奇妙さだと思う。人に言いたい話だ。現にこうして人に伝えている。
(アイスクリーム型のプールはインスタにあげている人がいた。)
ポパイにアメリカの話題が多いのは、アメリカの国の機関から航空券などの支援を受けていたからという話もあるのだが、その話題がステーキで4000人死ぬで良かったのだろうか。
そしてこの時代のポパイは興味の対象が広い。ファッションや西海岸だけではなく、レース鳩や気球、おいしいパンだって取り上げている。
これは商品レビューの企画で気になったものを特に短くたくさん紹介するページにあった。
「パン」という堂々としたタイトルに驚くが、周囲の「中国の薬」「小学生用の辞書」など興味の方向が全方位だ。(サワーブレッドはいまもあった。)
いま、特にメジャーな媒体は有名人ありきでその人が推しているもの、という軸で商品が取り上げられることが多い。だがこの時代のポパイは出来事・もののインパクト優先で有名人がほとんど登場しない。というところも僭越ながらデイリーの魂に通じるものがあって嬉しい。(ポパイも80年代に入ると有名人が登場し始める)
文字ばかりのポパイに入っている広告もまた文字が多い。雑誌の雰囲気にあわせた広告がきれいに入っている。
これでカメラの大きさが分かるけど、本当に作ったらふにゃふにゃだろう。でもアイディアがかわいい。
セーター特集では編み図を載せていたし、スポーツの項目では力士・朝潮(当時は長岡)を取り上げていた。国技から編み物、サトウキビの食べ方まで興味が自由だ。サブカルだとかメジャーだという壁がなく興味本位だ。
ボクたちのシティライフを熱くするにはこんな情報が欠かせないってことに気づいたんだ。伝説の雑誌に大いに刺激を受けたのでデイリーにも期待してくれ!バグース!(最後だけ当時のポパイ文体にしました)
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