特集 2023年12月28日

イタリアに一か月間、芸能一座のバイトで行ってきた土産話

イタリアは食事がおいしい

今回のバイトは朝夕の食事つき。ナポリでの朝食は、ホテル一階のバール(カフェ)で好きなパンを一つとドリンク一杯。たくさんあるクロワッサンの中身がよくわからず、クロワッサンガチャだと思って適当に選ぶのが楽しかった。だいたい甘いクリーム入り。

夕食はイベントの日だと会場で売られている屋台飯だが、平日はホテルのレストランで、好きなピザ一枚か日替わりパスタセットの二択となる。

これがどちらもおいしくて、イタリアはピザとパスタがおいしいという当たり前すぎる事実を体感することができた。材料となるトマトやチーズの味が、日本とは根本的に違うのだと思う。

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イタリアのバールでチンドン屋さんと朝食を食べることになるとは。
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よく見ればただのトマトソースではなく、エビなどの魚介が混ぜ込まれていて、その旨味がパスタの溝に染みこんでいる。
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薪釜で焼かれたピザの香ばしさが最高なんですよ。
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トマトもチーズも味が濃い。

平日のランチは、観光の日ならトラットリアと呼ばれる食堂へ出掛けた。イタリア語が話せる方と一緒だったので、自分だけだったら辿り着けないであろう地元の方向けのお店を楽しむことができた。

ナポリでジェノベーゼを探した話はこちらの記事をどうぞ。

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ナポリは魚介類がおいしかった。
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ものすごい盛り方をしてくれたジェラート。
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ちょっとだけ奮発してトリュフも食べた。ムワっと漂う揮発性の香りがものすごく、例えは悪いがガソリンのようなのに、食べ進めるほどによりうまくなる。
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ペルージャで食べたティラミスは、物理的に目を見開くおいしさだった。
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スーパーに売っている生ハムやチーズがすごい

ホテルで体を休める日は、スーパーで買った食材をみんなで食べたりしたのだが、生ハムとチーズの売り場がとんでもなかった。普通の中規模スーパーでも日本の高級デパ地下よりもずっと豊富な品揃えなのである。さすがイタリア。

何本もぶら下がった生ハムの原木、太鼓や瓢箪みたいな巨大チーズに心がときめきまくる。青果売り場には色も形も様々なトマト、知らない野菜や果物の数々。

飲み物もお菓子もお惣菜もすべてが輝いて見えて、スーパーをうろうろしているだけ一日が終わってしまいそうになる。

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店員さんからお勧めの生ハムを聞き、その場で原木をスライスしてもらうという贅沢。日本なら魚屋で刺し盛りをお願いするみたいなことかな。
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トマト、オリーブ、アーティーチョークなど、なにを食べてもうまかった。
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薄切りの生ハムでメロンを巻いて食べるという、美味しんぼで読んだ料理を試した。そりゃ海原雄山も絶賛するって。
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日本でいえば豆腐くらい身近な存在である、水牛のモッツァレラで作るカプレーゼ。
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イカスミリゾットを作ってパルミジャーノレジャーノを削ったりもした。
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持ち運べるエスプレッソ、ポケットコーヒーの話はこちらから
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しっかり観光もしました

今回の旅は自由時間がたっぷりあったので、ナポリでもペルージャでも誰かについていって、普段はあまりしない観光らしい観光を楽しんだ。

石造りの四角い建物、石畳の道路、その上を闊歩するサングラスの人、かっこいい犬、マラドーナのユニフォーム屋、茶色い迷彩服を着た軍人さん、面積の狭いタンクトップ、二人乗りで走るドゥカティのバイク、路上にテーブルを並べるカフェ。 街を歩いているだけでもおもしろい。

どうにかイタリアに慣れてきたペルージャの後半は、一人でバスに乗って旧市街というところまで掛けてみたが、切符売り場がわからなかったり、昼食が決められなくてジェラートだけ食べたり。それもまたおもしろかった。

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吉原さん引率のツアーで行った、サンテルモ城から見下ろすナポリ市街。
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ナポリのサッカーチームに全盛期のマラドーナがいたそうで、マラドーナグッズがたくさん売られていた。
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1737年に開場された、ヨーロッパで現役最古のサン・カルロ劇場を見学。
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ガッレリアウンベルト一世という百年以上前に建てられたショッピングセンター。お台場にあったヴィーナスフォートとはちょっと違う。
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ナポリもペルージャも大きな教会がたくさんある。私は無宗教だが、それでも精神の拠り所としてのパワーを感じる。
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電車が落書きだらけで驚いた。
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参加しているイベントの巨大ポスターを発見。
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西暦79年にヴェスヴィオ山が大噴火したことで埋もれた街、ポンペイ遺跡。広すぎてまったく回り切れなかった。
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同じ噴火によるエルコラーノ遺跡。ポンペイに比べると規模は小さいが、建物の状態がとても良い。遺跡のすぐ横に現代の生活が続いている。
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ペルージャからアッシジという聖フランチェスコの出身地を訪問。外国の方が奈良や京都の神社仏閣を訪ねるように、敬意をもちつつ観光として楽しませていただく。街の土産物屋に『進撃の巨人』Tシャツが飾られていた。
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ペルージャ旧市街。表現としてベタ過ぎるが「ジブリの映画みたい!」と言わざるを得ない景観がずっと続いている。もっと具体的に言えば『魔女の宅急便』でトンボが路地から自転車に乗って飛び出してきそうな街並み。
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ペルージャの駅が鉄道模型みたいだった。
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宗教画の歴史が学べるウンブリア国立絵画館。キリストがだんだんマッチョになっていく流れがよくわかる。
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路地裏のコインランドリーに行くだけでも冒険気分が味わえた。
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イベントも食事も観光も楽しかったです

ペルージャ公演の最終日、送迎車の関係でバイトの私は最後までいることができず、撤収に立ち会うことなく会場を後にした。

何もない状態に戻ったイベント会場で、みんなと存分に寂しがりたかったので、なんとも言えない物足りなさが残った。

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ホテルに戻って、いただいたスパークリングワインを一人で飲んだ。

翌朝にホテルを立ち、またミラノ・マルペンサ空港まで移動して、飛行機を乗り継いで、帰宅手段のない夜中に羽田空港へと到着。

もしこのバイトが学生時代の体験だったら、私の人生観も少しは変わっていたかもしれない。語学力の大切さを実感し、少しは外国語の勉強をしただろうか。

ということで、とっても盛りだくさんな一か月でした。


ここでは語り切れないので本にしました

イタリア旅行の顛末はかなりのボリュームなので、「芸能一座と行くイタリア25泊29日の旅日記」という同人誌にまとめました。ご興味ある方はコミケ(東5ホール プ03b「私的標本」)へどうぞ。通販も予定しています。詳しい情報はこちらから

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