イタリアのコーヒーは小さい
イタリアのコーヒーはすごく小さい。「少ない」というよりも「小さい」という形容詞が似合うサイズ感。
あれはカッフェっていうんですかね。あるいはエスプレッソか。ドリップではなく、蒸気で一気に押し出すスタイル。
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噂には聞いていたけど、本当に小さくて、そして超濃い。大さじ二杯くらいの液量に、普通に一杯分の豆成分が入っているイメージ。
それに砂糖を1~2袋溶かして、クイっと飲むのがイタリア流なんですかね。濃いだけじゃなくて甘いのがポイント。無糖で飲む人もいるんでしょうけど。
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値段は1.2ユーロくらいと安く、これを一日に二杯とか三杯とか、イタリア人は何倍も飲むのだとか。仕事中の警察官とかも当然のようにクイっとやっていた。
持ち運べるエスプレッソがあるらしい
ここからが本題。コーヒー好きのイタリア人なので、カフェ(バール)以外でも飲みたいと思うのは当然のこと。そこで持ち運べるエスプレッソこと、ポケットコーヒー(Pocket Coffee espresso To GO)という独自商品が存在するのだと、イタリアの食文化に詳しい人から教わった。
ポケットコーヒーはコーヒー屋さんのレジ横とかに、あったりなかったりするそうで、夏版と冬版が存在するのだとか。
今回のイタリア旅行は九月だったので、残念ながら狭間の時期。お土産にしようとかなり探したのだが、カフェに夏版が二個あるだけだった。
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ポケットコーヒーはストローで飲む
さっそくホテルのロビーで飲んでみることにした。
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これは三個入りで、ホテルの朝食でパンに塗るジャムとかマーガリンくらいのサイズの容器。
フタを開けて飲もうとしたら、ストローを刺して飲むんだよと制止された。
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これは持ち運べるエスプレッソだ
我が人生で明らかに一番短いストローを取り出し、パッケージの薄くなっている丸い部分へと慎重に突き刺す。
このままストローで吸うそうだが、別に違法性はまったくないのに、なんだかちょっと悪いことをしている気分になった。
なんだか小学生がココアシガレットを粋がって咥えているみたいだ。これがなにに似ているという訳ではないのだが。
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周りの目をちょっと気にしつつ、チューっと吸う。
変な緊張をするドリンクだ。
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甘っ濃い!
これは確かにエスプレッソの濃さと甘さだ。さすがイタリア生まれのポケットコーヒー。砂糖を二袋を入れたときの糖度。そのまま飲むことに背徳感があるくらいの濃厚さが素晴らしい。
一つ違うのは、チョコレートの味がしっかりするところ。パッケージにも書いてあるけど、ポケットコーヒーは溶けたチョコレートとコーヒーのミックスなのである。
冷静に味わうと、コーヒー味のチョコクリームという感じ。いやでもコーヒーもしっかり主張している。これはものすごく好きな味だ。そして経験としてすごくおもしろい。合法だし。
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このサマーエディションはストローで飲むタイプだが、寒い時期に発売されるウインターエディションだと、チョコレートボンボンのようにエスプレッソがチョコで包まれているのだとか。ものすごく気になる。
おそらくそっちがオリジナルのポケットコーヒーで、夏はチョコが溶けちゃうから、いっそ最初から溶かしてしまえとなったのかもしれない。
ちなみにイタリアのスーパーなどで、缶とかペットボトルのコーヒーはまったく見かけなかった。