名前は知らなくても見たことはあると思います
これがアメリカ合衆国サウスダコタ州にある山。
左から、ワシントン、ジェファーソン、ルーズベルト、リンカーンだそうだ。これになってみたい。
たまたま4人で歩いていると、正面に食品用ラップが張られていて、気づかずそこに顔を突っ込んでしまい、結果としてラシュモア山のようになっている。
そういうのが理想だ。
無理があるが、ない話ではない。
アフリカ大陸と南米大陸に同じ種類の猿がいる。その理由のひとつに、アフリカで浮島にたまたま乗った猿が海を越えて南米にたどりついたから、という説があるらしい。
それぐらいの幸運があるのであれば、たまたまラシュモア山になることだって、ある。
顔の向きを確かめる
まずはラップを張って、どのような角度で顔を突っ込むべきかを決めていこう。
冬の代々木公園の午後は西日が強く、今回の記事の写真はどれも軽くセピア色になっているが先週の写真である。意味なく切なくしないでほしい。西日よ。
幅60cmのラップを用意した。こんな大きなものがあるのは知らなかった。たぶんラシュモア山になりたい人用。
まずは顔を突っ込んでみよう。
清水アキラのモノマネみたいになってしまうから目は開けた方がいい、というアドバイスがあった。確かにそれで4人だと大統領ではなくものまね四天王になってしまう。
ただ、これが近づいているのかどうかわからないので誰も良いも悪いも言わず、トルーがただ冬の公園でラップに顔を押し付けている無音の時間になった。
遠くでカラスが鳴いていた。
ただ、4人が揃えばラシュモア山になるだろう。顔の位置と方向を決めるためにくりかえし練習する。
人が顔を突っ込んだラップに顔を押し付けるのは避けたいので、もうポジションの交換はできない。おれはワシントン、きみはルーズベルトだ。
横にあるドッグランで犬が吠えている。撮影しているべつやくさんからは「まあまあラシュモア山なんじゃない?」というコメントがあった。
「まあまあラシュモア山」という言い方はシュレーディンガーのようだ。ラシュモアと非ラシュモアが重なり合っている状態、と考えると意外に納得がいく。あの話、今ようやくわかった。
よし、かなり岩に近づいてきているぞと現場がもりあがった。ただ、写真を見ると蛾かもしれない。
いよいよ偶然ラシュモア山になる
身体にラシュモア山の動きを染み込ませたところで偶然ラシュモア山になってみよう。
…………。
……。
共感されない達成感
終えての4人の表情である。
けっこうラシュモア山だったんじゃない?と互いに褒め合った。2024年は幸先いいね、年賀状にしようとか言ってたことをここで白状しよう。
というパターンもついでに撮った。すぐにラシュモア山になる4人だ。