時を経て進化し、変化していくメディア
その後、コンピュータのデータ用のデータカセットが出たりですとか、音楽用でも「XL I」「XL II」といった製品も出まして、ポジションがノーマルだけじゃなく、ハイポジションとか、メタルといったバリエーションも作られるようになりました。
――そうでしたよね!ハイポジとかメタルとか、あったなー!何がすごいのかわからないけど憧れていました(笑)
磁性体の違いで、ノーマル、ハイポジション、メタルとあって、ハイグレードになるほど素材の扱いが難しいんです。その分、音質的な性能はよくなります。次の、こちらはマクセルが国産初で発売したフロッピーディスクですね。最初のは8インチで大きかったです。
――でっかいなー!これがパソコンの中に入っていたんですもんね。
そうですね。お使いになったことはありますか?
――いや、この大きさは使ったことがないんですが、もう少し小さなものは使っていました。これかも!5.25インチのものです。
こちらは一般向けに販売していたVHSのビデオテープです。
――VHSって1978年にはもうあるんですね。思ったより昔からあるんだな。こうしてみると短い期間にメディアがどんどん進化していくのがわかりますね。
こちらは「UD II」というカセットで、ハイポジションのカセットテープを手に取りやすい価格で1984年に出したものです。Wham!が出演したCMで知られていて、かなりヒットした製品です。
――その頃のカセットテープ業界って競合他社も多かったと思うのですが、その中でもヒットしたということですね。
当時のシェアは高かったですね。
――これは……ビデオテープなんですね。
そうです。8ミリのタイプですね。こちらはVHSのS-VHSという規格です。
――なるほど、VHSにもこういう上位のものがあったんですね。S-VHSか、聞いたことがある気がします。これも磁性体の質が変わっているわけですね。
そうです。磁性体を均一に薄く塗布しないと録画時間は長くできませんので、そういったところでも技術を高めていました。そしてこれは「Metal Vertex」という、当社の製品の中でも最高峰のカセットテープです。ひとつずつにシリアルナンバーが入っていて。
――すごい。高価なものだったんですね
当時、1,500~2,000円ほどで販売していました。外側のハーフと呼ばれるプラスチック部分もすごく重厚感のある作りになっています。カセットテープは振動を拾ったりすると音質に影響があるので、それが出にくいようにしています。
――そして、MDだ。MDも早くからマクセルさんでも作っていたんですね。
はい。MDはソニーさんがはじめて製造していますが、マクセルでも製造していました。
――このパッケージのカラフルな感じ、印象にあります。MDって今やカセットテープよりも貴重になりつつあるかもしれないですね。
そうですね。最近では、カプセルトイでマクセルのMDのミニチュアが販売されて、それもすごく好評をいただきました。このあたりの電池は、量販店などで見かけられたかもしれませんね。
――たしかに!これはよく見た気がします!