特集 2024年12月9日

一般には公開されていない「マクセル」の史料館へ行ってみる

昔使われていた機械も展示されている

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次のエリアへやってきた

こちらが「Analog Core Technologies」というエリアです。マクセルでは、乾電池や磁気テープの製造で培ってきた主な技術を「アナログコア技術」と呼んでいて、今の製品にも生かしています。これは昔の機械なのですが、このようなアナログの時代に使っていた技術を時代に合わせて発展させ、今も磨き続けています。

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1950年から実際に10年ほど使われていた機械だそう

――なるほど、これは1950年頃の機械なんですね。創業前のものですね。

そうです。前身となる日東電気工業のマクセル部門で使用されていたもので、電池用の二酸化マンガン、黒鉛などを混ぜるための機械です。

――擂潰機(らいかいき)というんですね。ゴツい機械ですね。なんというか、石臼みたいな。

そうですね。お餅とか入っていてもおかしくないような(笑)

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なんでも混ぜ合わせてくれそうな雰囲気だ

そしてこちらは、カセットテープの製造に使っていたものです。カセットテープのベースフィルムに磁性体を練った塗料を塗っていくためのものです。

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こちらは1965年頃に使用されていた機械だそう

――テープってこうやって作るものなんですね。まず帯状のものがあって、そこに磁性体の粒子を塗ると。製麵機にも似ているな。

薄く均一に塗っていくためには重要な機械です。次のものは、電池用の正極をタブレット化して、それを缶に入れていく作業があるのですが、そのタブレットを押し固めるための機械ですね。

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1951年頃に使われていた、電池用の正極をタブレット化するための機械

――ここで固めたものが電池の中に入っているわけですね?

そうです。これも古い機械で、よく保管されていたなと思います。

――このミントブルーみたいな色合い自体が今の機械にはないですもんね。迫力があります。

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最後のエリアには懐かしいものがたくさんあった

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3つ目のエリアへ

この「Product History」のエリアが一番みなさんに楽しんでいただけるかと思います。創業前の1950年から2017年までの製品を時系列に展示しています。ここにいるのは「マクセル君」というロボットで、電池の販促キャラクターです。当時のCMに出たりですとか、右手が握力計になっていて、左手はボールを当てる的になっていたり、子どもたちと触れ合えるようになっていたんです。

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こんな風に手を握って握力が計れたそう

――おお、これ、握力が計れるんですね!ボールを当てたら点数が表示されたりしたんですかねー!なんか、音も出そうですね。

気になりますよね。しっかりメンテナンスをしたら動くかもしれないですよね。

――動くところを見てみたいです!

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取材を手伝ってくれたおだ犬さん逢根あまみさんも
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家の狭い玄関にドーンと置きたいなと思った
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こちらの電池、1950年から60年までの間は日東電気工業さんの製品なのですが、マクセルブランドとして製造されていたものです。

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マクセルブランドとして作られた最初期の電池

――これはすごい。旧ロゴはこんな感じだったんですね。

味わいがありますよね。

――今更ですけど、「マクセル」って語源みたいなものがあるんですか?

「Maximum Capacity Dry Cell」(マキシマム・キャパシティ・ドライセル)が由来です。最高の性能を持った乾電池という意味です。

――なるほど、ドライセルっていうのが乾電池という意味なんですね。

そうです。この名前もあってか、「マクセルって外資系じゃないんですか?」とよく言われるのですが、最初から日本の企業なんです。

――1952年に磁気テープの開発に着手したとありますね。「ポータブル録音機 ジェムフォン」、かっこいいですね。このマイクで音声を録音できるわけですね。

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1958年に発売された「ポータブル録音機 ジェムフォン」

こちらは1958年の製品ですが、ずっと持っていた方がいらして、今でも再生できるそうです。

――えー!すごい!カセットテープってそんなに長くもつんですね。

一概には言えないのですが、保存状態がよければ30年ですとか……でも、これが今も再生できるということはそれどころじゃないですよね(笑)湿気とか、紫外線に弱かったりもするので、それが無い条件でなら長持ちするかと思います。

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発売当時のカタログの画像

――「ジェムフォン」が47,000円か。当時として、かなり高級品だったでしょうね。

1958年当時の物価にすると、そうですね。今、復刻したらちょっと人気が出そうですよね(笑)

※(後で調べてみたところ、当時の大卒初任給が13,500円だったそう)

――欲しい!今で47,000円だったら、分割払いで買いたいです。

そしてこちらが国産初のアルカリ乾電池です。

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国産初のアルカリ乾電池、かっこいいデザイン

――1963年ですか!めちゃくちゃいいデザインですね。

かわいいですよね。こちらは乾電池式のシェーバーですね。

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1964年に販売されていた乾電池式のシェーバー

――これもまた素敵なデザインですね。

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そしてこのC-60というのが、最初のカセットテープですね。

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「C-60」というモデルがマクセルの最初のカセットテープ

――いいなー!続々素敵なものが。これがもう1966年にはあったんですね。120分用のテープも1968年に発売されていたのですか。

ただ、この頃のものは音楽用のカセットテープではなく、会議の録音などに向けたものでした。

――なるほど!企業で会議を録音するような。

そうですね。それが1970年のものになると、ロゴも今のものになりまして、「UD」というシリーズですね。こちらは音楽用のものです。

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中央のパッケージなんて今あってもよさそうなデザインだ

――UD、ウルトラダイナミックの頭文字なんですね

こちらは人気シリーズで、2016年に当時のデザインを再現した復刻版も出ています。

――そうなんですか!知らなかった。ちなみにマクセルでは今もカセットテープは作っているんですか?

製造は協力会社の方で行っているのですが、マクセルブランドのカセットテープは今も販売されています。

――そうなんですね。

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