ピンク玄米は伊良部島名物らしい
宮古島と伊良部島を結ぶ伊良部大橋のすぐ近く、いらぶ大橋海の駅という店で出会ったのが、「ピンクげんまい」と表記された超派手なトロピカルフルーツのドリンクらしきものだ。
ここで試さなければ一生ピンク色をした玄米の味を知ることはないだろうと思いつつも、ビビッてモリンガのお茶などを買ったのだが、次に入った島のスーパーでも売られていたので、これはもう飲む運命なのだろうと購入した。
ピンク玄米を飲んでみる、いや食べてみる
商品説明のシールに書かれた名称は「菓子」で、ストローではなく、スプーンが付いていた。これは飲み物ではなくゼリー的な食べ物なのだろうか。
そして気になる原材料は、砂糖、モチ粉、そして食紅各種。このモチ粉というのが玄米のもち米から作られているということか。
購入したピンク玄米のフタを開けて中身を確認すると、昔流行ったスライム(ドラクエのキャラではなく髪につけると怒られる玩具)のようにドロドロしていた。お粥のような粗さはなく、とても滑らかなドロドロだ。マンゴードリンクよりもドロンドロン。
おそらく粉状になったもち米を煮ているからこその滑らかさなのだろう。見た目だけなら芳香剤のようだが、実際の匂いは玄米っぽいというミスマッチ。
ぬるくならないうちにスプーンですくって食べてみると、なんと砂糖と玄米風味の餅の味がするではないか。原材料そのままだ。
甘いといっても見た目からイメージされる強烈な甘さではなく、とても優しい控えめな甘さ。だからこそ、より頭が混乱してしまう。
液体状の「すあま(餅菓子)」といえば伝わるだろうか。そう考えると謎のピンク色も不思議ではない。ちょっと派手過ぎるけど南国だもんねと納得できる。
消化が良い状態の玄米と砂糖からできているので、こう見えてとても滋養がありそうな食べ物っぽい。お粥のように病気の時にも食べるのだろうか。お年寄りが食べても喉に詰まらない安全な餅という存在理由もあるのかもしれない。
食感はドロンというかデロンというか、見た目通りで食べられるスライム。喉ごしはレントゲンの時に飲むバリウムが近いかもしれない。はじめてタピオカを食べたときのような驚きをありがとう。
同行していた宮古島の移住者は、舌切り雀に出てくる糊のようだと言っていた。そういわれてみると確かに澱粉糊に似ているかもしれない。
これはスプーンでチマチマ食べるよりも、オリオンビールでも飲むようにグイっといった方がいいのかなと試したが、垂れてくる速度が遅すぎて全然スムーズに飲み込めない。
ピンク玄米、とにかくおもしろかった。まだまだ日本にも知らないことはたくさんあるのだ。
これは後で知ったのだが、沖縄には宮古島のミキなど「玄米ドリンク」というジャンルがあり、甘い玄米のおかゆのようなドロッとした飲み物がいくつか売られているそうだ。ピンク玄米はピンク色をした玄米ドリンクだったのだ。
じゃあなんでピンクにしたんだよという話だが、それはいつかまたこの島に来たら製造者に聞いてみよう。本土から電話で聞くのは野暮ですよね。
ピンク玄米の粘度がわかる動画をどうぞ。