自由ポータルZ 2023年3月24日

閉館する地元の水族館・ファストパス発券機という遺跡~自由ポータルZ

こんにちは、編集部 石川です。

コロナ禍を経て、ガーゼマスクって急激に懐かしアイテムになってきていませんか。一回「懐かし」のラベルがついてしまうと急にすごい昔の話のように思えてきますよね。いまや「あー昭和のころはガーゼのマスクってあったね」くらいの気持ちになっています。つい3年前なのに!

では今週の自由ポータルです。

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【入選】地元の水族館が閉館するので久々に行ってみたら、想像よりガチだった話

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[投稿者]虚妄虚妄さん (note
[コメント]地元の水族館がひっそりと閉館するのが寂しく、思わず筆を執ってしまいました。

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古賀及子のコメント

おもしろかったです! 応募時のコメントに「地元の水族館がひっそりと閉館するのが寂しく、思わず筆を執ってしまいました」とありました。書かずにはいられないと、突き動かされて書いた記事なのが読めば読むほどわかりました。

閉館を知ってなんとなくぼんやり懐かしいなくらいの気持ちでおとずれたのが、博物館の海の教養を広めるための真摯さや、先進性にふれ気持ちが高まっていく、その様子が生の手ざわりで伝わって静かな盛り上がりを感じます。

読みどころが太字になっていますが、全部ばしっときまってますね。おもしろいところ、伝えたいところを的確に切り取る力量を感じました。

とてもいい記事です! ぜひまたご投稿ください。待機しております!

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石川大樹のコメント

こちらも面白かったです。全然知らないスポットでしたが、ここはほんとにすごい。壁一面に敷き詰められた深海魚の標本は圧巻ですね…メクアリウムも閉館前に一度見てみたかったです。

記事としてもただ見たものを順番に紹介していくのではなくて、ちゃんと自分の言葉で説明されているのが良かったと思います。

「ここがこの水族館の「コア」だ。」「23世紀くらいになってから評価されるタイプの水族館」みたいな言い回しは、説明としての喩えと、自分の興奮が同時に伝わってくるようでいい表現だなと思いました。

一部、長い喩え話がちょっと不安定なように見受けられまして、たとえばリュウグウノツカイについて「決してクラゲやカニのような中堅芸人には勝てない存在なのだ」とありますが、ここは若手芸人に喩えるのは良いのですが、ただ芸人としての実力差になぞらえるよりは、通好みな存在感を若手芸人に喩えた方がリュウグウノツカイにフィットすると思うんですよね。「決してクラゲやカニのようなお茶の間ウケする存在ではなく、劇場に通う芸人ファンに人気の立ち位置だ。」みたいな。後半のカツ丼の喩えにも同じようなことを感じました。

とはいえそれは些細な点です。面白い記事でした!

 

【入選】ディズニーの「ファストパス発券機」という遺跡〜ランド編〜

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[投稿者]ぼっちのazumiさんさん (ぼっちのazumiさんnote
[コメント]本当に告知なくふと消えてしまいそうな、儚い存在です。

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古賀及子のコメント

最高に風情ありますね……! こういう、意外かつ個人的なエモーショナルの対象はぜったいに逃がさず取り上げていかねばなりません。

全体に思い出がたっぷりからめてある、自分事であるのが良かったです。しっかりしたレポートで長い記事ですが、エピソードが効いていたのが読ませる力になっていました。

調査することにより、大好きですでに詳しいはずのディズニーランドに新しい発見をしているのも新鮮です。対象へのリスペクトがあらわれていて、安心な読み心地になります。

最後のまさかの展開も最高ですね。たっぷり見せてもらったあのカバーがばっとはがされ、発券機に疑似的に会える、カタルシスがありました。
せっかくなので冒頭がもう少しすっきりさせられると完璧です。

「引用のしようがない。こまった」「だいたい2時間後くらいだった気がする。」このあたりの自信のない書き方は読者を惑わせてしまうおそれがあります。情報に徹してコンパクトに「ファストパスとは何か」「いつからなぜ休止になったのか」を調べてまとめると本文に入っていきやすくなります。

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石川大樹のコメント

面白かったです。ディズニーランドってこういうのスパッと撤去しちゃうのかと思ったら、意外に置きっぱなしになってるんですね。とはいえ場所ごとにカバーのデザインを変えてるのはさすがだと思いました。

「ディズニーで一番必要とされていない場所」みたいにちょっと叙情的に書いてあるところもあれば、2020年にできたばかりでファストパスが一度も使われていない…という情報で読ませるところまで、スポットごとにいろいろな切り口があるのも良いなと思いました。それぞれの存在感にあった見せ方ができているなと思います。

最後の意外な結末にも驚きました。自分の思い入れとディズニーの粋な計らいがリンクするようなエンディングに、読後感も良かったです。

古賀が言ってるように会話と地の文をうまく組み合わせるのも手ですね。

 

Tips:写真は水平に

僕も写真にこだわりが薄いのでよく失敗してしまうのですが、写真が傾いていると途端に記事全体に素人感が出てしまうので、意識して水平に撮りましょう!

カメラもスマホも画面にガイド(グリッド)を出す機能がついていると思うので、ONにしておくのがおすすめです。

このグリッドの使い方ですが、僕は最初、「水平を合わせる」という言い回しにひっぱられて、地面や建物の水平な線をグリッドの横線と平行にするようにしていました。ただそれって建物を正面から撮るときは使えるけど、斜めから撮るとき使えないんですよね。そういう時は建物の垂直な線を、グリッドの縦線に合わせるようにするといいみたいです。「垂直を合わせる」という感じですね。

ではまた来週!

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